「税務署が見ている気がして嫌だ」とマイナンバーカードの「公金受取口座」を登録したがらない高齢の父。登録しないと最近話題の「給付付き税額控除」が実現しても“4万円”もらえない!?
公金受取口座の登録は任意のため、今回のケースではお父さまの気持ちをくんであげたい気持ちもあるでしょう。では、公金受取口座の登録をしないままでも問題はないのでしょうか。
本記事では「給付付き税額控除」の仕組みと、マイナンバーカードの「公金受取口座」がどのように関係していくのか解説します。
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「給付付き税額控除」とは
そもそも「給付付き税額控除」とは、低所得者ほど負担が大きくなってしまう「消費税の逆進性」をやわらげるため、以下のような仕組みとなっています。
・所得が多い人には減税
・所得が少なく減税の恩恵が少ない人にはその差し引ききれない差額分を給付
給付付き税額控除の協議の中で、「国民1人あたり4万円」を基準とする案が提案されており、これは食料品などの年間の消費税負担額を根拠としています。
給付付き税額控除については、制度の具体化に向けた検討が段階的に進められてきました。
政府と与野党が社会保障改革を議論する場として設けられる予定だった「国民会議」は、当初は1月中の立ち上げが想定されていましたが、衆議院解散の影響により発足が見送られ、結果として給付付き税額控除の制度設計も現時点では具体的な議論が進んでいない状況です。
「公金受取口座」は広範な給付金に対応するも「必須」ではない
デジタル庁によると、公金受取口座を利用して受け取ることができる給付金等として、年金関係・税関係・子育て給付関係・生活保護関係・健康保険関係などいくつかの種類が確認できます。そのほか物価高騰・災害・緊急時などに支給される「特定公的給付」も含まれます。
現時点では、給付付き税額控除の具体的な制度設計はまだ固まっておらず、将来的に給付金が公金受取口座へ振り込まれる仕組みになるかどうかも明らかになっていません。
また、仮に制度が導入された場合でも、公金受取口座の登録が必須となるかは不透明で、従来どおり申請時に振込先口座を指定する対応が想定されるケースもあります。このため、現段階で公金受取口座の登録を急ぐ必要があるとは言い切れない状況です。
「給付付き税額控除」の実現には国民の所得状況の把握が重要
給付付き税額控除は「対象者の所得がどれくらいなのか」を把握してから「どの程度減税(もしくは給付)するか」を決める制度です。したがって給付付き税額控除の制度設計は、国が個人の所得を正確に把握できることが重要とされています。
さらに、国税庁によると、「国税分野においては、確定申告書、法定調書等の税務関係書類にマイナンバー(個人番号)や法人番号が記載されることで(中略)所得把握の正確性が向上し、より適正・公平な課税につながっている」と明記されており、マイナンバーカードの作成や公金受取口座の登録にかかわらず、すでに国税分野では所得状況の把握にマイナンバーが活用されている状況がうかがえます。
まとめ
マイナンバーによって、個人の預貯金額や医療情報など、あらゆる情報が国から監視されることはありません。また、マイナンバーカードの利用には本人認証が必要のため、他人による悪用は困難であるといえます。
現時点では、公金受取口座の登録は任意であり、給付付き税額控除についても制度の詳細はまだ決まっていません。そのため、登録の必要性は人によって異なりますが、将来的に給付や還付の手続きが簡素化される可能性を踏まえると、あらかじめ登録しておくことをひとつの選択肢として検討する余地はあるでしょう。
出典
デジタル庁 公金受取口座を利用して受け取ることができる給付金等
国税庁 社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
