「年収600万円」の場合“子ども・子育て支援金”は、いくら支払う? 高校生のわが子は“児童手当延長”で「30万円」以上の恩恵がありますが、払う分と比べてマイナスにならないでしょうか?

配信日: 2026.02.05
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「年収600万円」の場合“子ども・子育て支援金”は、いくら支払う? 高校生のわが子は“児童手当延長”で「30万円」以上の恩恵がありますが、払う分と比べてマイナスにならないでしょうか?
2026年4月分から医療保険料と合わせて、子ども・子育て支援金の負担が始まります。独身税とも揶揄(やゆ)される制度ですが、負担する金額は独身かどうかでなく、年収や加入している健康保険によって変化します。
 
今回は、子ども・子育て支援金の制度が創設された背景や概要を解説します。また、年収600万円の場合の負担金額、高校生の子どもがいる場合の支援を受けられる金額とどちらが多いのかを比較します。
金成時葉

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

子ども・子育て支援金制度が創設された背景

年々少子化が加速しており、2030年代に入るまでが、状況を反転させることができるかどうかの分岐点となっています。このため、政府は2023年12月にこども未来戦略「加速化プラン」を策定し、総額3兆6000億円の子ども・子育て支援の拡充実施を決めました。実際に、次のような支援が実施されています。


・児童手当の支給期間を高校生年代まで延長
・育休給付の手取り10割相当への拡充
・こども誰でも通園制度の創設

これらの施策を着実に実行するため、子ども・子育て支援金制度が創設されました。今の現役世代が、将来高齢者となったときに、社会を支える若い世代を育むという支え合いの循環を維持するという観点から、独身者や高齢者などにもメリットがあるため、すべての世代で支える仕組みとなっています。
 

子ども・子育て支援金制度でいくら負担する?

子ども・子育て支援金は、加入する医療保険制度ごとに支援金額が決められ、2026年4月分から医療保険料と合わせて支払います。加入する保険別の1人当たりの支援金額は、図表1の通りです。
 
図表1

図表1

筆者作成
 
令和10年度までに段階的に導入され、図表1にあるように徐々に負担額は増えていきます。しかし、政府は社会保障の歳出改革と賃上げによって社会保険料の負担を軽減させるため、支援金の負担は相殺されるとしています。
 
協会けんぽ、健保組合、共済組合に加入している人の支援金額の計算式は次の通りです。
 
標準報酬月額×支援金率
 
支援金率は国が一律で定め、令和8年度は0.23%です。また、基本的に企業と折半するため、実際に負担する金額は先ほどの計算式の半分の額となります。
 
国民健康保険は、各自治体が定める条例に基づき、世帯や個人の所得に応じて決まります。図表1の国民健康保険の1世帯当たりの金額は、令和4年度の実態を基に計算されています。
 

年収600万円の場合の負担額

協会けんぽ・健保組合・共済組合における、令和8年度の年収別の支援金額の試算額は図表2の通りです。
 
図表2

図表2

こども家庭庁 医療保険制度ごとの年収別試算
 
年収600万円の場合、被保険者一人当たりの月額の負担金額は575円となっています。国民健康保険における、夫婦のいずれかに給与収入があり、子どもが一人の世帯の支援金額は図表3の通りです。
 
図表3
図表3

こども家庭庁 医療保険制度ごとの年収別試算
 
国民健康保険の世帯では、これらのゾーンがボリュームゾーンです。年収400万円以上の世帯は約1割と限定されていることから、細かく区切ることについては留意が必要としています。参考としての試算額は、年収400万円の場合は550円、年収600万円の場合は800円、年収800万円の場合は1050円です。
 

子ども・子育て支援金の負担額と支援を受けられる金額はどちらが多い?

それでは、高校生の子どもがいる場合の支援を受けられる金額とどちらが多いのでしょうか。こども未来戦略「加速化プラン」で、子ども・子育て支援金が充てられる高校生を対象とした支援は児童手当の拡充が該当します。
 
児童手当は2024年10月から拡充され、15歳到達後の3月31日まで支給されていたものが、18歳到達後の3月31日までに延長されました。支給額は1万円のため、高校生年代が受けられる支援の金額を計算すると、1万円×12ヶ月×3年=36万円となります。
 
年収600万円の場合の負担金額は月額575円のため、高校3年分の合計額の計算式は次の通りです。
 
575円×12ヶ月×3年=2万700円
 
計算してみると、高校3年分の児童手当のほうが多いことが分かりました。
 

情報のアンテナを張って仕組みを理解しておこう

4月分の医療保険料から子ども・子育て支援金の支払いが始まりますが、政府は社会保険料の負担軽減により支援金の負担は相殺されるとしています。会社員であれば、医療保険料に支援金の負担額が上乗せされて給与から天引きされます。
 
子ども・子育て支援金は、単なる子育て世帯への給付ではなく、未来を支える次世代を社会全体で育むための仕組みです。どの世代であってもアンテナを張り、自分たちの負担がどのように投資されているのかを理解しておきましょう。
 

出典

こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度のQ&A
こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について
こども家庭庁 子ども・子育て支援金について(概要)
こども家庭庁 医療保険制度ごとの年収別試算
 
執筆者 : 金成時葉
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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