娘の「バレンタインの買い物」で“板チョコ200円”にショック! 昔は「88円」だったはずですが、いつの間に“倍近く”値上げされたのでしょうか? チョコレート高騰の理由とは
しかし、この価格高騰は単なる店舗の値上げや一時的な物価変動ではなく、世界規模で発生している深刻な原料不足が背景にあります。
本記事では、板チョコの現在の価格相場とその上昇要因である「カカオショック」について、詳しく解説します。
FP1級、CFP、DCプランナー2級
板チョコは今いくら?
実際に楽天市場や大手ネットスーパーなどで、現在の板チョコの販売価格を調査してみました。
まとめ買いなどで多少安くなるケースもありますが、定番の板チョコ1枚あたりの単価は、160円から180円前後で推移しています。定価販売が基本のコンビニエンスストアなどでは、すでに199円から200円台という値札がつけられている例も珍しくありません。
2025年の6月には、大手メーカーが主力商品の価格を一斉に改定し、品目によっては最大36%もの大幅な値上げを実施しました。
さらに、価格の上昇だけでなく、内容量が徐々に減少している「ステルス値上げ」も進行しています。私たちが店頭で感じる「高くなった」という感覚以上に、グラム単価で見た実質的な値上げ幅はさらに大きくなっているのが現実です。
板チョコの値上げの原因は? 物価高のせい?
今回の値上げは、国内の物価上昇や円安だけが要因ではありません。もちろん、円安による輸入コストの増加や、物流費・包装資材の高騰も価格に転嫁されています。しかし、それ以上に根本的な原因となっているのが、チョコレートの命ともいえる主原料「カカオ豆」の記録的な高騰です。
これまでのように「手軽に買えて、安くておいしいお菓子」という位置づけが、根本から覆されつつあります。世界中で限られたチョコレート原料を奪い合うような状況が続いており、日本もその競争に巻き込まれているのです。
板チョコの価格上昇の要因「カカオショック」とは
この歴史的な価格高騰は「カカオショック」と呼ばれ、国際市場でのカカオ取引価格は、2025年に一時1トンあたり1万ドルを超える過去最高値を記録しました。これは平年の3倍から4倍近い異常な水準です。
なぜこれほどまでに高騰しているのか、その背景には西アフリカ地域が抱える構造的な問題があります。
1. 異常気象と病害のダブルパンチ
カカオの生産は、ガーナやコートジボワールなど西アフリカの一部地域に集中しています。しかし近年、エルニーニョ現象などによる猛暑や干ばつで生育不良が多発しました。
さらに追い打ちをかけているのが、カカオの木を枯らす「カカオ膨れ枝病(CSSV)」というウイルス病のまん延です。この病気には有効な治療法がなく、感染拡大を防ぐためには木を伐採するしか手段がありません。
2. 生産回復には数年単位の時間が必要
一度伐採してしまうと、新しい苗木を植えてから再び実を収穫できるようになるまで、早くても3年から5年という長い歳月が必要です。
野菜のように翌年にすぐ増産できるものではないため、供給不足は慢性化しやすく、価格の高止まりは長期化すると見られています。
まとめ
板チョコの価格高騰は、家計を預かる身には頭の痛い問題ですが、背景には世界的な食糧事情の変化があります。1枚200円に迫る価格は、カカオ豆の供給不足や生産地の環境変化を反映した結果です。
まずは現状の相場と理由を正しく理解し、今後の購入計画や代替案を考える材料にするとよいでしょう。
出典
株式会社明治 価格改定のお知らせ
ICCO Cocoa Daily Prices
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級
