SNSで実家の土地に「明治時代の債権額108円が残ってた」投稿が話題!“130年分の遅延損害金”とあわせ「915円の支払い」は安すぎる!? 当時の価値に換算してみた
これは非常に深刻な問題で、金額にかかわらず登記簿に「抵当権」などの負債が残っていると、売却などが難しくなる可能性があるのです。
本記事では、不動産における「昔の抵当権が残っている」ケースでのデメリットや、当時の価値ではどのくらいの金額なのかを解説します。
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目次
「抵当権」とは、どんな意味ですか?
まず初めに「抵当権(ていとうけん)」とは、どんな意味なのでしょうか。これは、主に不動産に設定される担保権です。
住宅や土地を購入するときに金融機関などから「住宅ローン」などとして資金を借りる際に設定され、お金を借りた人が返済できなくなった場合には、その不動産を売却して債権回収が図られます。
昔の抵当権が登記簿に残っていた場合のデメリットは?
不動産の登記簿に、昔の抵当権が残っていた場合のデメリットには、何があるのでしょうか。
一番大きなデメリットは「不動産の売却ができない」ことです。不動産を売却するときには、売主は抵当権の登記を抹消して、買主への所有権を移す登記を行ってから不動産の引き渡しを行う義務があります。
登記簿での古い時代の抵当権は「休眠担保権」と呼ばれて債権の効力が残っており、休眠担保権を抹消しなければ不動産の売却ができません。
休眠担保権の権利者が分からない場合、不動産は売却できないの?
今回の事例で、実家の不動産登記に昔の抵当権が残っていて、借りた人(登記義務者)と貸した人(担保権者)が不明な場合には不動産の売却はできないのでしょうか。
原則として、抵当権を抹消する手続きには登記義務者と担保権者の共同申請で行うべきとされており、登記義務者や担保権者が所在不明の場合での休眠担保権を抹消する「抹消登記」に様々な書類などが必要で、時間と費用もかかります。
これについては、2023年の不動産登記法改正によって解決しやすくなりました。貸した人(担保権者)が法人(金融機関など)であれば「法人が解散してから30年以上経過している」「調査したが、法人の清算人が不明」「債権の弁済期から30年以上経過している」という3つの要件を満たす場合には、休眠担保権の抹消を申請できます。
昔の抵当権「108円」は、現代ではいくら?
休眠担保権の抹消登記を行うときには「債権額・利息・損害金」の合計額に相当する金額を納める必要があり、弁済期から長期間経過していると高額になる可能性が高まります。
それでは、昔の抵当権が「108円」だった場合、現代の貨幣価値に換算するといくらになりそうでしょうか。
国立国会図書館「レファレンス協同データベース」で公開されている資料によると、明治45年での白米中級品10キログラムの価格が約1.7円で、令和3年での白米10キログラムの価格が約4368円でした。
これをもとに計算すると、明治45年の1円は令和3年の約2569円の価値になり、抵当権の「108円」は現代では「約27万7452円」です。
また、遅延損害金の利率(民法での法定利率)は明治時代から令和2年まで年5%に固定されていました。
例えば、明治39年に弁済期が到来し、令和9年に抹消登記を行うための申請を行った場合、約120年分の損害金を計算する必要があります。
・抵当権108円を120年放置されていた場合の、単純な遅延損害金の金額
抵当権108円×法定利率0.05×120年=648円
これに元本の108円を加えると756円です。当時の契約条件などを加味すると、タイトルのあわせて「915円」は現実的な数字と言えるでしょう。前述の「1円が約2569円」として再計算すると現在の価値では「約235万635円」と高額になります。
まとめ
不動産は「所有しているだけ」では資産ですが、地方の古い宅地や山林の登記には「休眠担保権」が眠っているケースも考えられ、将来の売却が難しくなります。
不動産の登記簿に何が書かれているのか確認して、抵当権・休眠担保権があれば、なるべく早く精算しておくことが重要と言えるでしょう。
出典
国立国会図書館 レファレンス協同データベース 明治時代の1円は現在いくらか。単純な答えが欲しい。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
