拾ったかばんの中に株券が入っていました。警察に届けたのですが、株券も「報労金」の対象になるでしょうか?
ただし、近年は株券の電子化が進んでおり、「紙の株券がいまどれだけの価値を持つか」で話が変わることもあります。そこで本記事では、報労金の基本ルールと株券ならではの注意点を整理します。
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株券も報労金の対象なのか?
落とし物を拾って届けた人(拾得者)は、持ち主が見つかって返還されると、報労金を請求できる仕組みがあります。報労金の話は現金や財布だけに限られず、遺失物法ではあらゆる落とし物が対象となります。
警察庁の案内でも、現金・有価証券などは特に慎重に扱うものとして示されています。つまり、株券のような有価証券も落とし物として扱われ、報労金の対象になり得ます。
ここで大事なのは、「対象かどうか」は大枠で対象になり得るとしても、「いくらになるか」は株券の性質次第で変わる点です。
報労金はいくら? 株券の価値の考え方
報労金は原則として、落とし物の価格の5~20%の範囲です。駅や商業施設など施設内で拾われた場合は、拾った人と施設側の双方に報労金が配分されることが一般的です。
各自が受け取る割合はケース・バイ・ケースですが、目安として半分程度になる運用が多いため、「拾得者分は2.5~10%程度になることが多い」というイメージとなります。
では、「株券の価格」はどう考えるのでしょうか。ポイントは、次のとおりです。
・未上場株の株券
紙の株券がそのまま権利を示すケースがあり、株式の価値が問題になります。ただ、未上場株は市場価格が分かりにくく、評価が難しいことがあります。
・上場株の紙の株券
日本では2009年1月5日から株券電子化が実施され、上場会社の株券は原則として紙の株券の存在を前提にしない管理になりました。そのため、紙の株券自体は「そのまま売買に使えるもの」ではなくなっています。
例えば、かばんの中の株券が「上場株の古い紙の株券」だった場合、見た目は立派でも、現在の制度ではその紙自体に金銭的価値がほぼない可能性があります。一方で、手続きの局面では“証拠書類として意味を持つことがある”ともされているので、持ち主にとっては重要物です。
このため、報労金を「株式の時価」で考えるのか、「紙としての価値」として考えるのかは、状況によって判断が分かれやすい点です。最終的な金額は、当事者間の話し合いが基本になります。
請求の流れと注意点:いつまでに、誰に、どう動く?
警察に届けた場合、持ち主が現れて返還されたあと、拾得者は報労金を請求できます。実務的には、警察から「持ち主が見つかった」連絡が来たあと、引き渡し方法の案内に沿って進みます。
注意したいのは、期限です。報労金や保管にかかった費用の請求は、落とし物が持ち主に返還されてから1ヶ月を過ぎると請求できなくなるとされています。「あとで言おう」と思って忘れると権利が消えてしまうので、連絡が来たら早めに意思表示しておくのが安心です。
また、株券が入っていた場合は、次の点も意識するとトラブル予防になります。株券の電子化後は、紙の株券を「価値がある」と見せかけた詐欺が起き得るため注意が必要です。拾得者としては売買などに関わらず、今回のように警察へ届けて距離を置くのが正解です。
株券の価値を見極めて報労金の対象になり得るか確認しよう
拾ったかばんの中に入っていた株券も、有価証券として落とし物に含まれ、報労金の対象になり得ます。報労金の目安は価格の5~20%ですが、株券は上場株の紙の株券か、未上場株かなどで価値の捉え方が変わりやすいのが特徴です。
持ち主が見つかったら、返還後1ヶ月以内という期限を意識しつつ、案内に沿って請求の意思を伝えましょう。
株券はややこしく見えますが、基本は「届け出て、期限内に、落ち着いて対応」です。これを押さえれば、余計な不安やトラブルを避けながら、きちんと権利を行使できるでしょう。
出典
警察庁 遺失物法等の解釈運用基準について(通達)
警察庁 スライド「落とし物・忘れ物を拾ったら?」編 落とし物をしないように気を付けましょう!
警察庁 スライド「落とし物・忘れ物を拾ったら?」編 警察に届け出ましょう!
金融庁 株券電子化についてQ&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
