【多摩川格差】相模原在住のわが家より「保育料70万円以上は安い」という“町田在住”のママ友…すぐ隣なのに、こんな格差は不公平ですよね!? 子育て世帯を左右する「自治体の違い」とは
相模原市在住の女性は、町田市の保育料無償化について友人から聞きがくぜんとしたといいます。同じような生活圏にありながら、なぜ負担に差が生じるのでしょうか。「多摩川格差」の実態と、町田市と相模原市における具体的な金額差について解説します。
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そもそも「多摩川格差」とは?
多摩川格差とは、東京都と神奈川県の自治体間で子育て支援などに大きな差が生じている状況を指す言葉です。一時SNSなどで話題となりましたが、特に差を感じやすいのが、保育料、学校給食費、医療費助成、給付金などの点です。
例えば、東京都大田区と神奈川県川崎市など、多摩川を挟んで隣接していても、自治体の財政力や政策方針により支援が異なり、教育費が家計に影響を与えている可能性があります。
東京都町田市と神奈川県相模原市は、厳密には多摩川に隣接しているわけではありません。しかし、自治体間の格差という意味で、「多摩川格差」のケースに含まれるでしょう。
東京都では2025年9月から「第一子の保育料無償化」開始
なぜ、格差が注目されているのでしょうか。東京都は、2025年9月1日から都独自の取組として、保育料等第一子無償化を実施する区市町村を支援することを表明しました。この東京都の支援を受け、2025年9月以降、町田市では幼児教育・保育制度の無償化が適用されています。対象は図表1の通りです。
図表1 町田市の全額無償化施設
| 施設の種類 | 対象年齢 | 無償化の上限額 | 必要な手続き |
|---|---|---|---|
| 認可保育所 地域型保育所 認定こども園(保育時間) |
0歳児から5歳児まで | 保育料全額 | 給付認定申請 |
| 幼稚園(施設型給付園) 認定こども園(教育時間) |
満3歳児から5歳児まで | 保育料全額 | 0給付認定申請 ※保育の必要性は不要 |
まちだ子育てサイト 2025年9月~無償化対象一覧早見表を基に筆者作成
このほかの施設についても以下の通り支援が拡充されています。
・幼稚園(私学助成園):月額2万5700円を上限に補助
・認可外保育施設、一時預かり、病児保育等:施設区分や年齢に応じた月額上限までの補助(例:3~5歳児は月額5万7000円まで等)
このように、利用する施設によって「全額無償」か「上限ありの補助」かに分かれます。また、保育料は無償になりますが、東京都内在住者、給食費・延長保育料は除外などの要件があります。
【多摩川格差】課税所得500万円の世帯では格差は年間70万円以上
子どもが保育所に通う家庭では、どれほどの「お金の差」が出るのか計算してみましょう。
町田市では、前記の通り、2025年9月以降は第一子であっても0歳児から保育料負担が原則ゼロとなります。
対する相模原市では、国基準および市の条例に基づき、世帯年収や児童年齢に応じた保育料が設定されています。
例えば、課税所得500万円の共働き世帯では、住民税所得割の税率は所得に対して10%と定められているため、所得割額は約50万円となります。相模原市「令和7年度利用者負担額(0~2歳児)基準額表」に照らし合わせると、この世帯は階層区分「D22」に該当し、保育料(保育標準時間・1人目)は月額6万1700円です。
相模原市の年間負担額:6万1700円×12ヶ月=74万400円
つまり、同じ所得で同じ年齢の子どもを育てても、保育料に年間74万400円もの差が生まれる計算です。
まとめ
東京都町田市と神奈川県相模原市の間には、2025年9月以降、第一子の保育料だけで年間70万円を超える負担差が生じることが分かりました。この「多摩川格差」は、家計に重くのしかかる現実です。
しかし、自治体の支援策は保育料だけでなく、産後ケア、教育環境など多岐にわたります。目先の保育料だけでなく、子どもの健やかな成長に合わせた中長期的な行政サービスを比較することが大切でしょう。
出典
東京都福祉局 保育料等の無償化について
まちだ子育てサイト 2025年9月~無償化の対象一覧早見表
まちだ子育てサイト 利用者負担額等(保育料)について
相模原市 令和7年度利用者負担額(0~2歳児)基準額表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
