サイゼリヤで「300円のドリンクバー」だけ頼んで“3時間以上”リモートワークをする夫。お店側は「赤字で迷惑」だと思うのですが、長居するなら“追加注文がマナー”ですよね?
本記事では、サイゼリヤの決算資料などの数字をもとに、ドリンクバー単品利用が店側の利益にどのような影響を与えるのかを整理し、長居するときの適切なマナーについて考えていきます。
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“300円のドリンクバー”だけの注文で店側はもうかるの?
株式会社サイゼリヤが発表した「2025年8月期 決算説明会資料」によると、2025年8月期における国内全体の客単価は844円です。
また、同社の「2025年8月期 決算短信」を見ると、国内の売上原価793億1500万円を売上高1729億800万円で割った原価率は約46%となります。この数字から計算すると、顧客1人あたりの粗利は844円-844円×46%≒456円と考えられます。
一方、サイゼリヤのドリンクバー単品の価格は300円(税込)です。この金額は、国内の客単価である844円には届いていません。
ただし、ドリンクバーは原価が低く、一般的には1杯あたり15~30円程度といわれています。仮に原価30円のドリンクを5杯飲んだ場合、300円-30円×5杯=150円の粗利が残るため、材料費だけで見れば赤字にはなりにくいといえるでしょう。
しかし、ここから人件費や光熱費が引かれることを考慮すると、長時間滞在された場合の利益は薄く、マイナスになる可能性があります。
長居する時は追加注文がマナー
前記のとおり、ドリンクバー単品は国内客単価である844円には届きません。その差額は、844円-300円=544円分となります。この数字を踏まえると、店側としては客単価だけでなく、客席の回転率も利益確保の重要な要素といえます。
今回のケースのように、300円のドリンクバーだけで3時間滞在することは、お客の回転率を下げる要因になり得ます。特に混雑時は、ほかのお客さんが利用できないことによる「機会損失」につながるため、追加で料理を注文するか、混んできたら席を譲るなどの配慮が必要でしょう。
一部には「時間制限」を設ける店舗も
サイゼリヤの一部店舗では、混雑時などに滞在時間を制限するケースが見られるようです。その背景には飲食店の利益構造が関係しており、一般的に飲食店の売上げは「客単価×客数(回転率)」で決まります。
サイゼリヤのようなリーズナブルな飲食店では、客単価が低くなりやすいため、利益を確保するには「回転率」を高めて、より多くのお客に来店・利用してもらう必要があります。そのため、混雑時に時間制限を設けるのは、経営を維持するためのやむを得ない判断といえるでしょう。
利用者としては「せかされている」と感じるかもしれませんが、お店の事情も理解しておくことが大切です。ドリンクバーのみで長時間滞在する際は、混雑状況に応じて追加注文をするか、早めに席を譲るなどの配慮ができるとスマートです。
まとめ
サイゼリヤのドリンクバー単品300円では、国内店舗の平均客単価である844円と比較すると、売上げへの貢献度は低くなります。3時間滞在した場合、1時間あたりの売上げは約100円となり、お店側にとっては厳しい数字といえるでしょう。
勉強やリモートワークで長時間利用する際は、追加注文をする、混雑時は早めに切り上げるなど、お店やほかのお客さんへの配慮を忘れないようにしましょう。
出典
株式会社サイゼリヤ 決算説明資料 2025年8月期 (第53期 2024年9月1日~2025年8月31日)
株式会社サイゼリヤ 2025年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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