コメダ珈琲は「ボリュームたっぷり」「長居OK」なのに、営業利益率“18.7%”と絶好調! 飲食業平均「5%」の3~4倍も利益を出せるのはナゼ? コメダの“逆張りビジネスモデル”とは
本記事では「逆メニュー詐欺」の評判から業績データ、そして常識を覆す“逆張り”ビジネスモデルまで、コメダがもうかる理由を徹底解説します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
目次
「逆メニュー詐欺」と呼ばれるボリューム
多くの飲食店では、メニュー写真が実物より量が多く、おいしそうに見えることがあります。ところがコメダ珈琲は真逆で、「実物のほうがメニュー写真より1.2~1.3倍デカい」とSNSなどでたびたび話題になっています。
例えば、看板メニューのシロノワールは740~800円で、温かいデニッシュの上にソフトクリームがこれでもかと盛られた一品です。カツパンは950~1040円で、パンからはみ出すほどの分厚いカツが挟まっています。
こうした実物を目にした驚きが、お客さんの自発的なSNS投稿につながり、広告費をかけずとも新しいお客さんを呼び込む口コミ装置になっているのです。
全席ふかふかソファで「長居」大歓迎? 居心地へのこだわり
コメダ珈琲の経営理念は「くつろぐ、いちばんいいところ」の提供です。お店のコンセプトは「街のリビングルーム」です。
店内に入ると、ボックス型のふかふかソファ、木やレンガを使った温かみのある内装が目に入ります。テーブルは厚みがあり安定感抜群で、新聞や雑誌も自由に読めるようになっています。
また、接客はすべて店員が行う「フルサービス型」を貫いているのも特徴的でしょう。時間制限は基本的になく、混雑時でも店舗によっては120~180分の猶予が設けられているほどです。
数字で見るコメダの業績
「ここまでお客さんに優しくて、本当に利益が出ているの?」と思うかもしれません。結論から言うと、コメダホールディングスの業績は絶好調です。
2025年2月期は売上収益約470億円、営業利益約88億円と成長が続き、営業利益率は18.7%に達しています。さらに、2026年2月期は営業利益が初めて100億円を超える見通しで、右肩上がりが止まりません。
この営業利益率18~20%という数字がどれほどすごいかというと、スターバックス コーヒー ジャパンが約7.7%、ドトールコーヒーが約4.9%。飲食業の平均が5%前後と言われる中、コメダはその3~4倍もの利益率をたたきだしているのです。
利益率18~20%の秘密─コメダの「逆張り」ビジネスモデル
では、なぜこれほどの高収益が可能なのでしょうか。その仕組みは大きく4つあります。
本部の正体は「食品メーカー兼卸売業」
コメダの全店舗のうち、約95%はフランチャイズ(FC)です。つまり、本部は店舗の運営コストをほとんど負担していません。本部の主な収益源は、自社工場で製造したパンやコーヒー豆をFC店に卸すことで得られる利益です。店舗数が増えれば増えるほど、製造・物流の規模が拡大し、コストが下がって利益率が上がる仕組みになっています。
定額ロイヤリティでFC店と「共存共栄」
一般的なFCでは「売上の○%」のようにロイヤリティとして本部に納めますが、コメダは「1席あたり1ヶ月1500円」の固定制です。この仕組みが現場のやる気を引き出し、加盟希望者が増え続けているのです。
郊外ロードサイド出店で固定費を圧縮
コメダは、家賃の高い駅前一等地をあえて避け、郊外の幹線道路沿いや住宅街の近くに出店しています。広い駐車場も完備しているため、「車でふらっと寄れる」ことが地方や郊外での大きな集客力になっています。
長居が「客単価アップ」と「常連化」を生む
長くくつろいでいると、おなかがすいてシロノワールやカツパンなどを追加で注文したくなるものでしょう。さらに、地域の人が毎日のように通う「生活の一部」になれば、広告費をかけなくても安定した売上が見込めるというわけです。
まとめ
「回転率を上げろ」「量は控えめに」という飲食業の常識を、コメダ珈琲はことごとく覆しています。その根底にあるのは、「くつろぎを最優先する」という一貫した考え方です。
FC店への食材卸、定額ロイヤリティ、郊外出店、そして常連化を促す居心地の良さ。これらを組み合わせた独自の仕組みこそが、営業利益率18~20%という驚異的な数字を支えています。
出典
株式会社コメダホールディングス ご挨拶
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
