【衝撃】「154円/リットル」のガソリンが、最悪の場合“300円”に!? ホルムズ海峡閉鎖で「ガソリン代」はどれだけ上がる? 1973年のオイルショックから考察

配信日: 2026.03.28
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【衝撃】「154円/リットル」のガソリンが、最悪の場合“300円”に!? ホルムズ海峡閉鎖で「ガソリン代」はどれだけ上がる? 1973年のオイルショックから考察
中東情勢の緊迫化を受け「ガソリンが1リットル300円まで上昇するのではないか」といった不安が広がっています。たしかに日本は原油の約9割を中東に依存しており、その多くがホルムズ海峡を通過しているため、影響を受けやすい構造にあります。
 
こうした状況をふまえ、政府は2026年3月19日からガソリン価格を抑えるための補助金を再開し、全国平均で1リットル170円程度に抑える方針を示しました。しかしこの水準は、今後も維持し続けられるのでしょうか。
 
また仮に情勢が長期化した場合、価格はどこまで上昇する可能性があるのでしょうか。本記事では、補助金の仕組みを整理したうえで、1973年のオイルショックと比較しながら、現実的な価格の見通しを考えていきます。
竹下ひとみ

FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

銀行にて12年勤務し、法人および富裕層向けのコンサルティング営業に従事。特に相続対策や遊休地の有効活用に関する提案を多数手がけ、資産管理・税務・不動産戦略に精通。銀行で培った知識と経験を活かし、収益最大化やリスク管理を考慮した土地活用のアドバイスを得意とする。

現在は、2社の経理を担当しながら、これまでの経験をもとに複数の金融メディアでお金に関する情報を発信。実践的かつ分かりやすい情報提供を心がけている。

政府の補助金でガソリン価格はどこまで抑えられるのか

今回の補助金再開で政府が掲げる目標は、レギュラーガソリンの全国平均を1リットルあたり170円程度に抑えることです。ただしこれは公定価格ではなく、あくまでも目安にすぎません。
 
補助金は消費者に直接配られるのではなく、ENEOSや出光興産などといった石油元売り会社に支給されます。元売りが卸価格を引き下げることで、ガソリンスタンドの店頭価格を間接的に抑える仕組みです。支援の目標水準は以下のとおりです。


・ガソリン 170円程度
・軽油 158円程度
・灯油 134円程度
・大口産業用の重油 120円程度

つまり、補助金は「価格の上昇を緩やかにする措置」であり、170円での固定を保証するものではありません。今後の情勢次第では、さらなる価格上昇もあり得る点は念頭に置いておく必要があります。
 

1973年のオイルショックと今回の決定的な違い

ガソリン高騰と聞けば、1973年の第一次オイルショックを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし当時と現在では、日本の備蓄能力に決定的な差があります。
 
第一次オイルショックでは、中東産油国による輸出制限をきっかけに原油価格が急騰し、物価の急上昇や買い占めが相次ぎました。当時は国家備蓄がなく供給体制も脆弱だったため、社会全体が混乱に陥ったのです。
 
日本には、令和7年12月末時点で合計254日分の石油備蓄があるとされており、アメリカなど中東以外からの調達ルートも確保されています。同じ混乱が繰り返される可能性は低いと言えます。
 
それでも、原油の約9割を中東に依存する構造は変わっていません。1973年の再来とはならないまでも、情勢の長期化が価格に影響を与えるリスクは、引き続き意識しておく必要があります。
 

結局、ガソリンはいくらになるのか

日本は石油調達に関して中東への依存度が高いものの、米国や東南アジア等からの代替調達ルートに加え、254日分という厚い石油備蓄を持っています。
 
ただちに供給が途絶するリスクは低く、現実的な懸念は物理的な枯渇よりも、補助金の財源限界による価格上昇です。今後の動向は、大きく3つのシナリオが想定されます。
 

1. 短期シナリオ(数週間~数ヶ月):170円~190円

補助金が機能し170円台の維持を目指しますが、店頭価格への反映には1~2週間の時差があるため、当面は190円前後で推移する可能性があります。
 

2. 中期(情勢の長期化):180円~220円

戦闘が一定の小康状態に入っても、地政学リスクを背景に価格は高止まりしやすい状況が続くことが考えられます。補助金の予算が限界に近づくにつれ、200円を超える局面も想定されます。
 

3. 最悪のシナリオ:300円越え

ホルムズ海峡の封鎖が長期化し、歴史的な円安も重なって備蓄が枯渇に向かう事態です。補助金ではカバーしきれない「令和のオイルショック」となるリスクをはらんでいます。
 

まとめ

ガソリン300円/リットルという数字は、あくまで極限状態の想定です。むしろ注意すべきは、短期的な急騰よりも180円台が1年以上続くような「静かな長期化」シナリオかもしれません。物流コストの上昇は食品をはじめ、あらゆる商品の価格に波及するため、家計への影響は じわじわと広がっていきます。
 
254日分の石油備蓄があるという事実は、冷静さを保つための根拠になります。一方で、長期化に備え、必要であれば燃費の良い車への切り替えや電力プランの見直しを検討しておくことが、今できる現実的な備えと言えるでしょう。
 

出典

国際環境経済研究所 各国の政策化石燃料 わが国の原油輸入―中東依存95%―
 
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

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