マンションの“修繕積立金”を「月5000円→2万円」に値上げの連絡が! まだ“築15年”なのに高すぎますよね? 拒否できないでしょうか? 広さごとの「適正額の目安」も解説
家計への影響も大きいだけに、「こんな値上げは拒否できないのか」と感じる人は多いのではないでしょうか。
本記事では、修繕積立金が大幅に値上げされる理由や、値上げを拒否できるのかどうか、修繕積立金の適正額の目安について解説します。
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー
なぜ修繕積立金は大幅に値上げされるのか
修繕積立金が大幅に上がる最大の原因は、多くの新築マンションで採用されている「段階増額積立方式」にあります。これは、新築時には積立金を低く設定し、築年数の経過にともない段階的に引き上げていく方式です。
分譲会社としては、毎月の維持費を安く見せたほうがマンションを販売しやすくなるため、新築時の修繕積立金は低めに設定されがちです。
しかし、マンションは築年数がたつほど修繕にかかる費用が増えるため、将来の値上げは避けられません。また、近年は建築資材の価格上昇や人件費の高騰も、修繕積立金の値上げに拍車をかけています。2024年に国土交通省がガイドラインを改定した際にも、修繕積立金の目安額は従来の金額から大幅に引き上げられました。
修繕積立金の値上げは拒否できるのか
結論から言えば、総会で決議された修繕積立金の値上げを、個人の判断で拒否することは基本的にできません。
修繕積立金の値上げは、管理組合の総会で決議されます。マンション標準管理規約に基づけば、修繕積立金の額の変更は「普通決議」に当たり、出席した組合員の議決権の過半数の賛成で可決されます。つまり、自分が反対しても、過半数の賛成があれば値上げは決定されるのです。
ただし、管理規約に修繕積立金の具体的な金額が明記されている場合は「規約の変更」に当たるため、区分所有者総数および議決権総数の各4分の3以上の賛成が必要な「特別決議」が求められます。
いずれにしても、総会で正式に可決された値上げについては、反対票を投じた人であっても従う必要があります。決議後に自分だけ支払わないということは認められません。
値上げに反対したい場合は、総会の場で意見を述べるほか、値上げの根拠となる長期修繕計画の見直しや、工事費の削減案を対案として提出するといった方法が考えられます。感情的な反対ではなく、具体的なデータに基づいた建設的な議論をすることが大切です。
修繕積立金の適正額はどのくらいか
自分のマンションの修繕積立金が適正かどうかを判断する目安として、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が参考になります。
同ガイドラインでは、20階未満のマンションの場合、建築延床面積に応じた修繕積立金の平均額(均等積立方式による平米あたりの月額)を次のように示しています。
・5000平方メートル未満:335円/平方メートル・月
・5000平方メートル以上1万平方メートル未満:252円/平方メートル・月
・1万平方メートル以上2万平方メートル未満:271円/平方メートル・月
・2万平方メートル以上:255円/平方メートル・月
例えば、20階未満で建築延床面積5000平方メートル以上1万平方メートル未満のマンションに専有面積70平方メートルの部屋を所有している場合、252円×70平方メートル=1万7640円が1ヶ月あたりの目安となります。
なお、20階以上マンションの場合は、338円/平方メートル・月です。
ただし、これはあくまで目安であり、マンションの規模や設備、築年数、機械式駐車場の有無などによって金額は大きく変わります。修繕積立金が目安より低い場合は、将来的に大幅な値上げや一時金の徴収が必要になる可能性があるため、注意が必要です。
まとめ
マンションの修繕積立金が月5000円から2万円に値上げされるケースは、段階増額積立方式を採用しているマンションでは珍しくありません。値上げは管理組合の総会の決議で決まるため、個人で拒否することは基本的にできませんが、総会で反対意見を述べたり、対案を示したりすることは可能です。
修繕積立金の不足はマンションの資産価値を下げる原因にもなりますので、長期修繕計画の内容を確認し、将来の負担を見据えた上で、適正な積立額を維持していくことが大切です。
出典
国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン
国土交通省 「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」及び「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の改定について~「段階増額積立方式における適切な引上げの考え方」~
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

















