毎月“1万5000円”を「学資保険・終身保険・NISA」で20年積み立てると、リターンはどれだけ変わる?「子どもが生まれたら学資保険」はもう古いでしょうか? メリット・デメリットも比較

配信日: 2026.04.19
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毎月“1万5000円”を「学資保険・終身保険・NISA」で20年積み立てると、リターンはどれだけ変わる?「子どもが生まれたら学資保険」はもう古いでしょうか? メリット・デメリットも比較
子どもが生まれると、真っ先に「学資保険に入らなければ」と考える親は多いのではないでしょうか。しかし、近年は低金利環境が長引くなかで学資保険の返戻率が低下し、低解約返戻金型終身保険やNISAで教育資金を準備する家庭も増えています。
 
本記事は、学資保険、低解約返戻金型終身保険、NISAそれぞれの仕組みとメリット・デメリット、さらに毎月1万5000円を20年間積み立てた場合のリターンの違いを解説します。
高柳政道

FP1級、CFP、DCプランナー2級

学資保険とは?

学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備するための貯蓄型保険です。毎月決まった保険料を払い込むと、子どもが入学・進学するタイミングに合わせて満期保険金や祝金を受け取れる仕組みです。
 
最大の特徴は、「貯蓄」と「万一の保障」を兼ね備えている点です。多くの学資保険では、契約者である親が死亡または高度障害状態になった場合、以後の保険料の払い込みが免除され、満期保険金を予定どおり受け取れます。
 
また、毎月一定額を積み立てる強制力があるため、貯蓄が苦手な人でも計画的に教育資金を準備することが可能です。加えて、生命保険料控除による節税効果も得られ、所得税は最大4万円、住民税は最大2万8000円の所得控除を受けられます。
 
デメリットとしては、途中解約すると解約返戻金が払込保険料の総額を下回る元本割れが生じる可能性がある点や、現在の低金利環境の影響で返戻率が以前ほど高くない点が挙げられます。特約を付加しすぎると返戻率が100%を下回る商品も存在するため、加入時には内容を慎重に確認しましょう。
 

低解約返戻金型終身保険とは? 学資保険との違い

低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで、通常の終身保険よりも割安な保険料で一生涯の死亡保障を確保できる保険商品です。払込期間中の解約返戻金は払込保険料の70%程度に抑えられますが、払込期間を満了すれば払込保険料の総額を上回る解約返戻金を受け取れるケースが一般的です。
 
学資保険との最大の違いは、「目的と柔軟性」にあります。学資保険は、子どもの進学時期に合わせて確実に資金を受け取れるよう設計されている商品です。低解約返戻金型終身保険は、払込期間さえ終えれば、任意のタイミングで解約返戻金を教育資金以外に老後資金としても転用できます。
 
メリットは、保険料払込期間終了後の高い返戻率、解約タイミングの自由度の高さ、万一の際に学資保険の満期保険金より大きな死亡保険金を即時受け取れる点が挙げられます。子どもの教育費が不要になった場合でも、老後資金として継続できる点は学資保険にはない強みといえるでしょう。
 
一方、払込期間中に途中解約した場合は大きく元本割れするリスクがあります。長期間の継続を前提とした商品性ですので、家計に変化が生じた際のリスクは事前にしっかり考慮しておく必要があります。
 

NISAとは? 保険との違い

NISAは、投資で得た利益(運用益・配当金)が非課税になる国の制度です。2024年から新NISAとして抜本的に拡充され、「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」を併用でき、非課税保有期間は無期限となりました。
 
学資保険や低解約返戻金型終身保険との最大の違いは、元本保証がない代わりに高いリターンを期待できる点です。通常の投資では利益に対して20.315%の税金がかかりますが、NISA口座内の利益には税金がかかりません。
 
長期・積立・分散投資に適した投資信託が対象となる「つみたて投資枠」は、教育資金のように準備期間の長い目的資金と相性が良い仕組みといえます。
 
メリットは、運用益が非課税、いつでも換金できる流動性の高さ、毎月の積立額を家計に合わせて柔軟に変更できる点などが挙げられます。インフレにも比較的対応しやすく、将来の教育費上昇を見越した準備として有効な選択肢です。
 
デメリットは、元本割れのリスクが存在する点、学資保険のような保険料払込免除特約がない点、容易に引き出せるため教育費以外に使ってしまうリスクがある点などです。生命保険料控除のような所得控除の仕組みも設けられていません。
 

それぞれ20年運用した場合のリターンは?

毎月1万5000円を20年間積み立てた場合の元本は、合計360万円です。各手段でどれだけ増えるかを比較してみましょう。
 
学資保険の場合、現在の商品の返戻率は100~110%程度が一般的な水準です。返戻率106%で計算すると受取総額はおよそ381万6000円となり、約21万円増えた計算になります。元本保証で確実に受け取れる安心感は大きな強みですが、20年でこの水準のリターンは、ほかの手段と比べると控えめな印象を受けるでしょう。
 
低解約返戻金型終身保険の場合、払込完了後の返戻率は110~125%程度になるケースが多く見られます。返戻率110%で計算すると、受取額はおよそ396万円です。学資保険と比べると返戻率はやや高く、解約タイミングを選べるため、大学入学後も据え置いて老後資金に転用できる点も魅力といえます。
 
NISAのつみたて投資枠で20年間積み立てた場合、想定利回り3%では約491万円、5%では約611万円になる可能性があります。金融庁のデータでは、長期・積立・分散投資を20年間継続した場合に、元本割れを回避できた実績も示されています。
 
一方、リーマンショックやコロナショックのような経済的な下落が、資金を引き出したいタイミングと重なるリスクは考慮しておく必要があります。
 

まとめ

教育資金の準備に「絶対的な正解」はなく、家庭ごとのリスク許容度や家計状況によって最適な組み合わせは異なります。3つの特徴をしっかり理解したうえで、子どもの未来を見据えた無理のない計画を立てていきましょう。
 
執筆者 : 高柳政道
FP1級、CFP、DCプランナー2級

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