【2026年8月から】「高額療養費制度」が引き上げ! わが家は“世帯年収800万円”ですが、もし医療費が「月100万円」の場合いくら増えたんが増えますか? 改正内容・医療費を確認

配信日: 2026.05.09
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【2026年8月から】「高額療養費制度」が引き上げ! わが家は“世帯年収800万円”ですが、もし医療費が「月100万円」の場合いくら増えたんが増えますか? 改正内容・医療費を確認
医療費の負担を抑えるセーフティーネットである「高額療養費制度」が、2026年から2027年にかけて段階的に変更されます。本記事では、この改正によって家計にどの程度の影響が出るのかをまとめました。
 
表題の「年収800万円」の世帯を例に、具体的な負担増の試算や、医療保険の見直しの必要性などを解説します。
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高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った金額が1ヶ月の上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
 
上限額は年齢(70歳未満・以上)や所得に応じて決まり、家計の負担が重くなりすぎないよう配慮されています。マイナ保険証を利用するか、あらかじめ「限度額適用認定証」を提示すれば、窓口での支払いを上限額までに抑えることも可能です。ただし、入院時の食事代や差額ベッド代などは対象外となります。
 

高額療養費制度の改正内容

高額療養費制度は、2026年から2027年にかけて段階的な変更が予定されています。
 
主な変更点は、医療費の増大や現役世代の負担軽減を目的とした「所得区分の細分化」と「自己負担限度額の引き上げ」です。
 
まず、現行制度(2026年4月時点)では、70歳未満における限度額は図表1のとおり定められています。
 
図表1

所得区分 限度額 多数回該当の場合
年収約1160万円~ 25万2600円+(医療費−84万2000円)×1% 14万100円
年収約770万~1160万円 16万7400円+(医療費−55万8000円)×1% 9万3000円
年収約370万~約770万円 8万100円+(医療費−26万7000円)×1% 4万4400円
~年収約370万円 5万7600円 4万4400円
住民税非課税(70歳未満) 3万5400円

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへより筆者作成
 
多数回とは、過去12ヶ月以内に3回以上、上限額に達した場合が該当します。その場合、4回目からは上限額がさらに下がる仕組みです。
 
高額療養費制度の改正後は、所得区分の細分化に加え、月額上限だけでなく年間上限額が設けられます。改正後の限度額は、図表2のとおりです。
 
図表2

2026年8月~ 2027年8月~
月額上限 年間上限 月額上限 年間上限
年収約1650万円~ 27万300円+1%
(14万100円)
168万円 34万2000円+1%
(14万100円)
168万円
年収約1410万~
約1650万円
30万3000円+1%
(14万100円)
年収約1160万~
約1410万円
27万300円+1%
(14万100円)
年収約1040万~
約1160万円
17万9100円+1%
(9万3000円)
111万円 20万9400円+1%
(9万3000円)
111万円
年収約950万~
約1040万円
19万4400円+1%
(9万3000円)
年収約770万~
約950万円
17万9100円+1%
(9万3000円)
年収約650万~
約770万円
8万5800円+1%
(4万4400円)
53万円 11万400円+1%
(4万4400円)
53万円
年収約510万~
約650万円
9万8100円+1%
(4万4400円)
年収約370万~
約510万円
8万5800円+1%
(4万4400円)
年収約260万~
約370万円
6万1500円
(4万4400円)
53万円 6万9600円
(4万4400円)
53万円
年収約200万~
約260万円
6万5400円
(4万4400円)
~年収約200万円 6万1500円
(4万4400円)
41万円
住民税非課税
(70歳未満)
3万6900円 29万円 3万6900円 29万円

厚生労働省 高額療養費制度の見直しについてより筆者作成
 
図表2のとおり、高額療養費制度は2026年8月以降と2027年 8月以降を区切りとし、2段階で改定される予定です。いずれの所得区分においても限度額が引き上げられ、月々の医療費の負担額が増す可能性があります。
 
なお、括弧内は多数回に該当する場合の金額です。金額から分かるとおり、多数回該当の上限額は改正前から据え置きとなっています。つまり、高額療養費制度の変更の影響を受けるのは、1年間の治療回数が3回以内の場合といえるでしょう。
 

世帯年収800万円の場合、家計の負担はどのくらい変わる? 医療費が月100万円の場合で試算

高額療養費制度の仕組みが本格的に変わるのは、2027年8月からです。それ以降の制度において、年収800万円は所得区分「年収約770万~約950万円」に当てはまります。医療費の月額上限額は「16万7400円+1%」から「17万9100円+1%」に引き上げられる予定です。
 
例えば、1ヶ月の医療費が100万円だった場合、改正前の自己負担額は以下のとおりです。
 
16万7400円+(100万円−55万8000円)×1%=17万1820円
 
一方、改正後の自己負担額は以下のとおりとなります。
 
17万9100円+(100万円−55万8000円)×1%=18万3520円
 
つまり、改正による差額は1万1700円です。
 

高額療養費制度が変わるなら、医療保険を見直すべき?

高額療養費制度が引き上げられるなら、民間の医療保険を手厚くするべき? と考える人は少なくありません。年収800万円の場合、元々の上限額が高いこともあり、引き上げによるインパクトはそれほど大きくないケースも多いでしょう。
 
ただし、がん治療や透析治療を受けている人、難病や慢性疾患による定期的な通院を必要とする人は、自己負担額が少し引き上げられるだけでも家計に負担がかかる可能性があります。
 
改正後の制度では年間上限額が設けられますが、自己負担限度額が引き上げられることで、結果的に多数回該当の対象となる月が減るのではないかとの指摘もあります。自身や家族の状況に合わせて、保障内容を見直すことも検討しましょう。
 

高額療養費制度の見直しで、家計の負担は確実に増加する

2026年からの高額療養費制度改正により、多くの世帯で月々の医療費上限が引き上げられ、家計負担は確実に増加します。月々の負担額の上昇率はそれほど大きくないものの、定期的な通院が必要な人は注意が必要です。
 
改正後は年間上限額という新たな防波堤も加わるため、過度に心配する必要はありませんが、自身や家族の健康状態を照らし合わせ民間保険を見直すことも検討しましょう。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
厚生労働省 高額療養費制度の見直しについて
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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