友人の「新居のタワマン」でウーバーを頼んだら、なぜか届かず“キャンセル”に! 最近Uber Eatsで「タワマン拒否」が増えている!? 大手宅配でも深刻な課題に…“配達員に嫌われる理由”とは

配信日: 2026.05.17
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友人の「新居のタワマン」でウーバーを頼んだら、なぜか届かず“キャンセル”に! 最近Uber Eatsで「タワマン拒否」が増えている!? 大手宅配でも深刻な課題に…“配達員に嫌われる理由”とは
友人の新居のタワーマンションに遊びに行き、せっかくだからとフードデリバリーを注文したのに、なぜか配達員が現れずキャンセル……SNSでもときどき話題になる「タワマンで配達がうまくいかない」現象は、実は配達員側の事情と、それを後押しする社会的な背景が絡み合っています。
 
本記事では、なぜタワーマンションで配達トラブルが起こりやすいのか、宅配便全体としてどのような対策が進んでいるのかを整理します。
上野梓

FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

タワマンの注文がキャンセルになるのは、なぜ?

フードデリバリーをはじめとするラストマイル配送(物流最終拠点から届け先までの区間)では、タワーマンションは「配達員にとって時間がかかりやすい届け先」として知られています。
 
理由の1つは、構造の複雑さです。エントランスから先がオートロックで、来訪者専用のインターホンを操作してもらう必要があり、コンシェルジュが常駐するマンションでは受付での記帳や入館証の受け渡しが必要なケースもあります。
 
エレベーターが、居住者用と荷物搬入用で分かれていることが多く、目的の階にたどり着くまでに想定以上の時間がかかることも珍しくありません。
 
フードデリバリーは1件あたりの報酬が決まっているため、1件に時間がかかるほど時給換算での効率が落ちます。配達リクエストを受けた時点で、届け先がタワーマンションだと分かれば、慣れない建物を避けるために配達を辞退する、いわゆる「受けキャン(受けてからキャンセル)」が選ばれることもあります。
 
注文者側からすると、何度マッチングしても配達員が決まらず、結果的に注文がキャンセル扱いになる、というケースにつながりやすいのです。
 

大手宅配でも「タワマン問題」は深刻に

タワーマンションを始めとする集合住宅での配達効率の低さは、フードデリバリーに限らず、大手宅配便にとっても共通の悩みです。
 
国土交通省の「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の取りまとめによると、宅配便の取扱個数は2024年度(令和6年度)に約50億個まで増えています。一方、大手宅配事業者では、ドライバー1人あたりの月間配達個数が2019年度から2023年度にかけて約29%増えたのに対し、ドライバー数は約7%減っています。
 
また、再配達も大きな負担です。国土交通省のサンプル調査では、2025年(令和7年)10月の宅配便の再配達率は、大手6社ベースで約8.3%となっており、政府が掲げる2025年度の目標「7.5%程度」には届いていません。
 
再配達のたびに同じマンションへ何度も足を運ぶことになるため、特にオートロックや独自ルールが多い大規模なタワーマンションは、配達員にとって負担が集中しやすい場所だといえます。
 

国も対策へ動き出している

こうした状況を受けて、国も多様な受取方法の普及に向けた検討を進めています。国土交通省は、2025年11月、「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の提言を取りまとめ公表しました。
 
提言では、これまで対面での受け取りのみを定めていた標準宅配便運送約款を改正し、宅配ボックスやコンビニ、自宅玄関前などの指定場所への配達といった多様な受取方法を、選択肢の1つとして位置づける方向で検討するとしています。
 
また、オートロック式マンションでの置き配については、配達員が伝票番号などを使って一時的にエントランスを解錠できる仕組みについて、セキュリティの確保を前提に、伝票番号など配送データの形式の共通化といった先進的な取り組みの支援方策を検討する方針が示されています。
 
ただし、住民にとっては防犯面の不安もあり、提言でも、荷物の盗難や個人情報の流出、居住者以外の入館機会の増加への懸念に配慮しながら進めるべきだとされています。利便性とセキュリティのバランスをどう取るかは、これからの大きな課題です。
 

まとめ

タワーマンションでの配達トラブルは、配達員個人の問題というより、建物の構造、配達員の人手不足、再配達の多さといった複数の要因が重なって生まれているものです。
 
ドライバー不足は今後さらに深刻化が見込まれ、注文する側も、置き配や宅配ボックス、配達日時指定といった受取方法を意識的に選ぶことが、結果的に「自分の荷物が確実に届く」ことにつながります。タワーマンションに住んでいる人もそうでない人も、再配達削減の動きを一度確認してみるとよいかもしれません。
 

出典

国土交通省 「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」の提言を取りまとめました
国土交通省 令和7年10月の宅配便の再配達率は約8.3%
 
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

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