実家を出て20年、ほぼ絶縁状態だった母が「生活保護」を申請したそうです。市役所から“扶養照会”が届きましたが、私の勤務先や年収まで調べられるのでしょうか…?

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実家を出て20年、ほぼ絶縁状態だった母が「生活保護」を申請したそうです。市役所から“扶養照会”が届きましたが、私の勤務先や年収まで調べられるのでしょうか…?
実家を出て20年が経ち、親とはほとんど交流がないにもかかわらず、突然「扶養照会」が届いた――このような通知を受け取ると、「仕送りをしなければならないのだろうか」「自分の家計に影響はないのだろうか」と不安に感じる人もいるかもしれません。
 
しかし、「扶養照会」が届いたからといって、直ちに仕送りの義務が生じるわけではありません。本記事では、扶養照会の役割や回答が生活保護の審査に与える影響、ご自身の生活状況を踏まえた対応の考え方について解説します。
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役所に年収や勤務先を勝手に調べられる心配はある? 扶養照会書類の記入は「自己申告」が基本

実家を出て20年近くもほぼ絶縁状態だった母親が生活保護を申請し、突然、市役所などから「扶養照会」が届くと、どのように対応すればよいのか戸惑う人もいるでしょう。「もしかしたら、役所が勤務先や年収を勝手に調べてしまうのではないか」と不安に感じるかもしれません。
 
しかし、扶養照会が届いたからといって、役所がご自身の勤務先や年収を勝手に調査するようなことは原則としてありません。なぜなら、親族に対する扶養照会は、あくまで「自主的な経済的援助(仕送りなど)が可能かどうか」を尋ねるアンケートのような位置づけだからです。
 
そのため、送られてきた書類の年収欄や勤務先名などを無理にすべて埋める必要はなく、開示を拒否したい部分は空欄のまま返送しても罰則などはありません。
 

親への仕送りは必須ではない? 「扶養義務」の範囲を整理

民法第877条では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」ことを定めています。親と子は直系血族にあたるため、長年交流がない場合であっても、法律上の扶養義務が直ちに消えるわけではありません。
 
しかし、親子間の扶養義務は、自分の生活を犠牲にしてでも相手を助ける「生活保持義務(夫婦間や未成年の子どもに対する義務)」とは異なります。自分の生活に十分な余力がある場合に、その余力の範囲内で援助する「生活扶助義務」にとどまります。
 
つまり、自分の家族を養うだけで毎月カツカツであるという状態なら、物理的にお金に関係する支援を行う余裕がないため、扶養義務を果たす必要はないと判断される可能性があるでしょう。
 

扶養照会への回答だけで生活保護の可否は決まらない

「自分が扶養を断ったり、照会を無視したりしたら、母親の生活保護が却下されてしまうのではないか」と心配する方もいるでしょう。しかし、生活保護の審査は扶養照会の結果だけで判断されるものではありません。
 
生活保護の支給基準は、あくまで「最低生活費」と「申請者の現在の収入」を比較して決定されます。親族が援助を断ったり、扶養照会に応じなかったりしたことだけを理由に、生活保護の申請が認められなくなるわけではありません。親族から十分な援助を受けられない場合には、その不足分を生活保護で補う仕組みとなっています。
 
扶養照会を回答しなくても手続きは進みますが、受給をスムーズにするためにも、仕送りなどが難しい場合は「扶養は不可能」と一言書いて返送するとよいでしょう。
 

まとめ

長年交流のなかった家族の生活困窮を知り、扶養照会が届いたことで戸惑いや不安を感じる人もいるでしょう。しかし、援助が難しい状況であれば、無理に仕送りを行う必要はありません。また、扶養照会が届いたことを理由に、現在の年収や勤務先を勝手に調査されるようなことは原則としてありません。
 
まずはご自身や現在の家族の生活状況を踏まえ、対応可能な範囲を冷静に整理することが大切です。制度の仕組みを正しく理解したうえで、扶養が困難な場合はその旨を回答し、落ち着いて手続きを進めるようにしましょう。
 

出典

e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第四編 親族 第七章 扶養(扶養義務者)第八百七十七条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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