子ども・子育て支援金の天引きが始まった! 誰がいくらぐらい負担するの? 増えたりしないの?
改正の内容と期待される効果、そして今後を含めた負担額について確認していきます。
FP事務所ライフブリュー代表
CFP®️認定者、FP技能士1級、証券外務員一種、住宅ローンアドバイザー、終活アドバイザー協会会員
大手電機メーカーで人事労務の仕事に長く従事。社員のキャリアの節目やライフイベントに数多く立ち会うなかで、お金の問題に向き合わなくては解決につながらないと痛感。FP資格取得後はそれらの経験を仕事に活かすとともに、日本FP協会の無料相談室相談員、セミナー講師、執筆活動等を続けている。
制度改正の狙い
政府は2023年に「こども未来戦略」を策定し、「異次元の少子化対策」を掲げました。それを具体化したのが、今回の子ども・子育て支援法の改正です。
現在の子育て世帯への経済支援だけではなく、経済的不安や仕事との両立困難から子どもをもつことに踏み出せない状況を改善し、社会全体で支える仕組みへ転換することが狙いとなっています。
少子化対策は「個人の努力」では限界があります。社会保障制度つまり「共助」として広く社会保険料で支えよう、ということです(※)。
具体的内容と財源
今回の改正では、次のような支援が主な柱となっています。
1.児童手当の拡充(所得制限撤廃、高校生まで延長、第3子以降3万円に)
2.妊婦出産時に10万円給付
3.「出生後休業支援給付」など育休支援の拡充(両親が育休取得した場合に手取り額10割相当を支給)
4.短時間勤務者への支援(時短勤務中の賃金の10%を給付)
5.こども誰でも通園制度(保育所等に通っていない子どもの保護者が月10時間利用可能)
6.高等教育費等の負担軽減(多子世帯への支援拡充等)
すでに導入されている制度への充当、および今年度以降の施策拡充に充てられる予定です。
会社員であれば健康保険料、自営業者などは国民健康保険料に上乗せされる形で納めます。後期高齢者医療制度の対象者からも拠出されます。
このように、制度上は独身者だけを対象にした負担ではありません。子育て世帯も含め、医療保険加入者全体が広く負担する社会保障制度の一部として設計されていることがわかります。
医療保険制度ごとの支援金額
令和8年度の支援金額(負担額)の推計は、加入する医療保険制度ごとに平均月額で次のとおりです。
健康保険組合・協会けんぽ(全国健康保険協会)は、国が一律の保険料率を示します。令和8年度の支援金率は0.23%です。なお、基本的に支援金額は企業と折半します。
このため、上記の支援金額は、標準報酬月額×0.23%で算出した金額の半分の額となります。5月の給与から控除が開始されています。また、賞与からも控除されます。
なお、支援金額は今後増加する計画となっており、健康保険組合の場合、令和9年には一人当たり約700円、令和10年は約900円とする案が示されています。
最後に
このように、子ども・子育て支援金制度は、将来を担う子どもたちや子育て世帯を全世代で支える仕組みといえます。
支援金は社会保険料として徴収されますが、子ども・子育て支援金にかかる料率は、医療保険制度の他の給付や介護保険にかかる保険料率とは区分し規定されています。徴収した支援金はすべてこの支援金制度に充当し、他の支出への流用はないことが法で規定されています。
今後、拡充・拡大されていくはずのさまざまな子育て支援策が、本当に必要とする人の支えになり、実効性のあるものとなるのか、ぜひ当事者の視点から企画・実行してほしいものです。
(※)こども家庭庁 子ども・子育て支援金制度について(令和8年3月)
執筆者 : 伊藤秀雄
FP事務所ライフブリュー代表
CFP®️認定者、FP技能士1級、証券外務員一種、住宅ローンアドバイザー、終活アドバイザー協会会員


