自宅の太陽光パネル、いざ寿命が来て捨てる時には「数十万円」の撤去費用を全額自腹で払わされるって本当?『再資源化推進法案』について解説!

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自宅の太陽光パネル、いざ寿命が来て捨てる時には「数十万円」の撤去費用を全額自腹で払わされるって本当?『再資源化推進法案』について解説!
電気代の節約やエコな暮らしの象徴として、太陽光パネルを自宅の屋根に設置している家庭は少なくありません。日中に発電した電気を自宅で使えれば、電気代の負担を抑えやすくなります。
 
一方で、意外と見落とされがちなのが、太陽光パネルを使い終えた後の撤去や廃棄にかかる費用です。設置から数十年後に寿命を迎えたとき、処分費用を誰が、どのように負担するのかは大切な問題です。
 
現在開会中の第221回国会では、「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が提出・審議されています。この法案が、私たちのエコな暮らしの出口である廃棄コストにどのような影響を与えるのかを解説します。
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2030年代後半には太陽光パネルの大量廃棄が見込まれる

太陽光パネルの寿命は、一般的に20〜30年程度といわれています。2010年代には、FITと呼ばれる固定価格買取制度の後押しもあり、家庭用や事業用の太陽光発電が一気に広がりました。
 
その時期に設置された太陽光パネルが寿命を迎える2030年代後半には、大量のパネルが廃棄されると予測されています。年間最大で50万トンもの太陽光パネルが廃棄される可能性があるとされ、今のうちから処理体制を整えておく必要があります。
 
太陽光パネルの処分には、いくつかの課題があります。環境に配慮してリサイクルする場合、1kWあたり8000〜1万2000円程度の費用がかかるとされています。一方、単純に埋め立て処分する費用は、1kWあたり2000円程度からとされ、リサイクルのほうが高くなりやすいのが現状です。
 
費用差が大きいと、適切なリサイクルが進みにくくなります。さらに、全国的にリサイクル施設が十分に整っていなければ、処分費用が高騰したり、不適正な処理や不法投棄が起きたりするおそれもあります。
 
太陽光パネルは、設置している間はクリーンなエネルギーを生み出します。しかし、廃棄時に適切に処理されなければ、環境面でも家計面でも大きな課題が残ります。
 

再資源化推進法案でリサイクルの仕組みが整えられる

こうした大量廃棄に備えるために提出されているのが、太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案です。
 
この法案では、まず大量の事業用太陽電池を廃棄する事業者に対して、国が定める基準に基づいたリサイクルへの取り組みや、廃棄実施計画の事前届出を義務付ける内容が盛り込まれています。
 
これにより、大規模な太陽光発電設備が一斉に廃棄されるときでも、場当たり的な処理ではなく、計画的にリサイクルへ回す体制を整える狙いがあります。
 
家庭の家計に間接的に関係してくるのは、パネルの製造・輸入・販売業者への規制です。メーカーに対しては、長寿命化、軽量化、解体しやすい設計など、環境に配慮した製品づくりが求められます。
 
また、販売業者には、リユースやリサイクルに関する情報を消費者に提供することが求められます。これにより、将来自宅の太陽光パネルを処分するときに、どこへ相談すればよいのか、どのようにリサイクルできるのかが分かりやすくなることが期待されます。
 
再資源化の仕組みが整えば、リサイクルの効率が上がり、処分費用の高騰を抑えやすくなる可能性があります。ただし、制度ができたからといって、家庭用パネルを無料で処分できるようになるわけではありません。
 

家庭用パネルの撤去費用は自分で備える必要がある

現在、10kW以上の事業用太陽光発電については、2022年7月から廃棄等費用積立制度が始まっています。これは、将来の撤去や廃棄に備えるため、売電収入から廃棄費用を自動的に積み立てる仕組みです。この制度により、事業用の太陽光発電設備が使われなくなったときに、放置されるリスクを減らすことが期待されています。
 
一方で、一般的な自宅の屋根に設置する10kW未満の家庭用太陽光パネルは、この積立制度の対象外です。つまり、将来自宅のパネルを撤去・廃棄する費用は、各家庭で準備しておく必要があります。
 
家庭用パネルの処分では、リサイクル費用だけでなく、屋根から取り外す工事費、足場の設置費、運搬費などもかかります。屋根の形状や設置枚数、地域、業者によって差はありますが、合計で数十万円単位になることもあります。
 
そのため、太陽光パネルを設置している家庭は、「今は電気代が安くなっているから大丈夫」と考えるだけでなく、将来の撤去費用も見込んでおくことが大切です。
 
たとえば、毎月1000円ずつ積み立てれば、20年で24万円になります。毎月2000円なら、20年で48万円です。少額でも長く積み立てておけば、いざ撤去するときに慌てずに済みます。
 
また、住宅を売却する場合にも、太陽光パネルの状態や撤去費用が問題になることがあります。古いパネルが残っていると、買主から撤去を求められたり、売却価格に影響したりする可能性があります。設置時だけでなく、将来の売却や相続も含めて考えておきましょう。
 

まとめ

太陽光パネルは、電気代の節約や環境にやさしい暮らしに役立つ設備です。しかし、寿命を迎えた後の撤去や廃棄にも費用がかかります。2030年代後半には、2010年代に普及したパネルが大量に廃棄される時期を迎えると見込まれています。
 
再資源化推進法案では、大量廃棄に備え、事業者による計画的なリサイクルや、メーカーの環境配慮設計、販売業者による情報提供などが進められる予定です。制度が整えば、将来のリサイクル環境は今より改善される可能性があります。
 
ただし、一般的な家庭用太陽光パネルは、事業用の廃棄等費用積立制度の対象外です。撤去費、足場代、運搬費、リサイクル費用などは、基本的に各家庭で備える必要があります。
 
太陽光パネルを設置する際は、初期費用や売電収入、電気代削減効果だけでなく、数十年後の廃棄・リサイクル費用まで含めたトータルコストで考えることが大切です。クリーンなエネルギーを最後まで適切に扱えるよう、家計でも少しずつ将来費用を準備しておきましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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