SNS「母がロマンス詐欺を“無料ホスト代わり”にしてる」投稿に「楽しそう」「いい使い方」の反響も、2025年は「被害総額546億円」…“やり取りだけでも危険”と言えるワケ
一見すると賢い付き合い方のようにも思えますが、相手はお金をだまし取ることを目的としたプロです。本記事では、ロマンス詐欺の実態と、「ホスト代わり」のつもりでも危険といえる理由を解説します。
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー
ロマンス詐欺とは? どのくらい被害が起きているのか
ロマンス詐欺(SNS型ロマンス詐欺)とは、SNSやマッチングアプリなどで知り合った相手と、実際には会わないままやり取りを続けるうちに、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取る詐欺です。警察庁によると、2025年のSNS型ロマンス詐欺の認知件数は5645件、被害額は546億4000万円で、いずれも前年から大きく増えています。
被害に遭った人は男性が約6割を占め、年代は男女とも40代から60代が中心です。また、出会いのきっかけとなったツールはマッチングアプリが最も多く、次いでInstagramやFacebookとなっています。
「無料ホスト代わり」は成り立つのか
「お金を払わずに恋愛気分だけを味わう」という発想は、確かに損がないように思えるかもしれません。しかし、詐欺師の目的は一貫してお金であり、はじめのうちお金を求めないのは、警戒心を解くための手口だと考えられます。
国民生活センターなどによると、ロマンス詐欺の多くは、まず恋愛感情や親近感を育てたうえで、「2人の将来のため」などと投資や結婚資金の準備などを持ちかけ、暗号資産の購入や送金へ誘導していきます。
近年は、暗号資産への投資を装って送金させる手口が目立ちます。最初のうちは利益が出ているように見せかけ、いざ出金しようとすると手数料などを理由にさらなる送金を求められ、繰り返しお金をだまし取られる流れがほとんどです。
つまり、「無料」の期間は、相手が獲物を油断させるために用意した準備期間にすぎないともいえるのです。
「楽しんでいるだけ」でも危険といえる理由
ホスト代わりのつもりでも、いくつかのリスクがあります。
まず、やり取りのなかで、名前や住所、家族構成、資産の状況といった個人情報を少しずつ引き出されるおそれがあります。国民生活センターには、親しくなった相手から荷物の受け取りを頼まれて個人情報を教えたところ、通関料などの名目でお金を請求された、という相談も寄せられています。
また、相手は人の心を操ることに慣れており、やり取りの渦中にいる本人が冷静になって相手を疑うことは簡単ではありません。
実際に、少額のつもりが、銀行や消費者金融からの借り入れまで重ねて約500万円を送り、最後は連絡が途絶えたという相談もあります。「自分は大丈夫」と思っていても、被害は少額の送金や立て替えから始まることが少なくないのです。
そして、一度でもお金を渡してしまうと、相手と連絡が取れなくなり、取り戻すことは極めて困難です。
家族が「ホスト代わり」にしていたら? 注意点とまとめ
もし家族がロマンス詐欺の相手とやり取りしていると分かっても、頭ごなしに責めるのは避けたいところです。本人が「楽しんでいるだけ」「お金は渡していない」と話しても、投資や結婚資金の話が出ていないか、個人情報を教えていないかを、落ち着いて確認しておきましょう。
また、出会って間もないのに外部のチャットアプリでのやり取りに誘導されたり、会おうとすると理由をつけて避けられたりする場合は、注意すべきサインといえます。
少しでも不安を感じたら、送金する前に、警察相談専用電話「#9110」や消費者ホットライン「188」に相談する方法があります。甘い言葉の裏にある相手の目的を知っておくことが、大切な家族とお金を守る第一歩になるでしょう。
執筆者 : 上野梓
FP2級、日商簿記3級、アロマテラピー検定2級、夫婦カウンセラー、上級心理カウンセラー、整理収納アドバイザー

