【年間数十万円】若い世代から車離れが進む理由は高い維持費にあった?
配信日: 2019.08.19 更新日: 2024.09.05
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
車の維持費をチェック
まずは、車の維持費として必要なお金をざっくりと見ていきましょう。車をローンで購入した場合、車両購入代金に加えて、ローンの金利を支払わなければなりません。
また、持ち家ではない方など、自宅に駐車場がない場合は、毎月、駐車場の支払いが発生します。通勤や買い物、旅行などで車を使用する場合は、ガソリン代はもちろん、洗車代などが必要になることがありますね。さらに、忘れてはならないのが、自動車税、車検代、自動車保険料などの費用です。
ソニー損害保険株式会社の調査(※1)によると、車の維持費の平均額は、毎月1万2400円となっています。走行量や車のサイズなどによって、維持費は大きく変わってきますが、少なくとも、年間20万円くらいはかかると頭に入れておくようにしましょう。
知っておきたい 自動車税の仕組み
次に、自動車税について、詳しく見ていきましょう。自動車税は、自動車を所有している方に課税される道府県税です。
三輪以上の小型自動車、普通自動車の所有者として、自動車検査証(車検証)に記載されている方に、税金が課せられます。税額は、乗用車やトラックなどの車種(定員、総排気量など)や、自家用車か営業用の車かどうかなどの用途によって決められています。
そして、現在すでに車を所有している方も、ぜひチェックしておきたいのが、2019年10月1日から実施される、自動車税の改正についてです。
令和元年度の税制改正により、毎年4月1日に自動車を保有している方に課税される自動車税や、自動車の購入時に課税される自動車取得税について、新制度が適用されます。総務省のHPを見ると、変更点として下記の記載があります。
・2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用の乗用車(登録車)から、自動車税(種別割)の税率が引き下げられます。
・2019年10月1日から、自動車取得税が廃止され、環境性能割が導入されます。
環境性能割とは、自動車の燃費性能等に応じて、税率が変わる仕組みです。電気自動車など、環境に優しい車は、税率が低く、逆に、環境に負担がかかる車種などは、税率が高く設定されています。
これから納付する税金の金額が変わってくるので、車を購入する場合は、環境に優しい車かどうかという点についても、ぜひチェックするようにしてみましょう。自動車税の改正について、さらに詳しく知りたいという方は、総務省のホームページ(※2)を確認してくださいね。
自動車保険の相場は?
最後に、自動車保険について見ていきましょう。自動車保険は、万一事故にあった場合などに保険金が支払われるもので、保険料は、車を運転する人によって大きく異なります。
特に、車の走行距離や車の運転頻度、さらに運転者の事故歴や年齢などが、保険料を決めるポイントとなります。運転者の年齢については、まだ運転に慣れていない10代、20代などの若い世代の方や、高齢者の方の場合、保険料が比較的高く設定される傾向があります。
自動車保険の相場は、車両保険をつけた場合、年間3万円から7万円くらいかかります。最近では、インターネットなどで、簡単に保険料の見積もりをすることができるので、自動車保険を見直したいと考えている方は、試してみてはいかがでしょうか。
車を購入し、保有し続けるには、思った以上にお金がかかります。少しでも家計の負担を減らすために、環境に優しい車を買う、保険料を見直すなど、できるところから検討してみましょう。
出典・参考
(※1)ソニー損害保険株式会社 2018年全国カーライフ実態調査
(※2)総務省 「2019年10月1日、自動車の税が大きく変わります」
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者