更新日: 2021.06.22 子育て

高額な不妊治療費をサポートする制度、どんな人が対象?約120万円ほど浮くことも

高額な不妊治療費をサポートする制度、どんな人が対象?約120万円ほど浮くことも
体外受精、顕微授精といった「特定不妊治療」は健康保険が適用されず、1回の治療に少なくとも約20万〜50万円の費用がかかります。妊娠、出産を望んでいても、それでは思うように治療ができません。
 
そこでこの費用負担を軽減するため、一部が助成金として給付されます。
 
今日は、不妊治療を受けるご夫婦の経済的負担の軽減を図る「特定不妊治療費助成制度」についてご案内します。
 
竹内誠一

執筆者:竹内誠一(たけうち せいいち)

竹内FP社労士事務所 代表

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー(AFP)
国家資格キャリアコンサルタント、DCプランナー2級、企業年金管理士、スカラシップアドバイザー、生管理士
社会保険庁・日本年金機構において23年間、公務員・年金行政職に従事。退職後社労士・FP・キャリアコンサルタントとして、助成金を活用した中小企業の経営サポートや個人のキャリア形成支援・ライフプランをサポート。
http://www.stakeuchi.com/

どのような方が助成の対象になる?

特定不妊治療以外の方法では妊娠する見込みがない、または可能性が極めて低いと医師に診断された夫婦が対象になり、法律上の婚姻をしていて、前年の夫婦の合計所得が730万円未満であることが条件です。
 

いくら補助されるの?

助成額は、市区町村によって異なりますが、一般的な助成額をご紹介すると、特定不妊治療(体外受精・顕微授精)の医療保険が適用されない治療費について、1回の治療につき15万円(初回の治療に限り30万円)、治療内容によっては7万5000円が上限に助成されます。
 
また、男性不妊治療(精子を精巣または精巣上体から採取するための手術)を行った場合は、15万円が上限に助成されます。
 

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助成回数は?

初めて助成を受ける時の妻の年齢が40歳未満の場合の助成回数の上限・・・通算6回まで
初めて助成を受ける時の妻の年齢が40歳以上42歳以下の場合の助成回数の上限・・・通算3回まで
 
※助成を受けた回数が上限に満たない場合でも、妻の年齢が43歳以上で開始した治療は助成の対象外、つまり、43歳になる前に特定不妊治療を開始しないと助成の対象にはならないということです。
 

どういった手続きが必要なの?

では、特定不妊治療費助成金を受けるにはどのような手続きが要るのでしょうか?自治体によって多少異なりますが、おおむね共通するポイントをまとめてみました。
 
・申請期間内に、申請書類一式をそろえて、住所地を担当する申請窓口へ
・申請書類として
 1.特定治療支援事業申請書
 2.治療を受けた指定医療機関が証明した特定治療支援事業受診等証明書
 3.特定不妊治療に要した治療費(保険外)の領収書のコピー
 4.夫婦の住民票
 5.戸籍謄本または戸籍抄本

等が必要です。
 
※1回の治療終了ごとに申請します。申請を行わないと、申請期間を過ぎることがあるので注意が必要です。
 

手続きをするのは自分自身です!

不妊に悩み、不妊治療を受ける夫婦が増加する傾向にみられますが、その一方で不妊治療は身体的、精神的負担も大きい上に治療費が高額になることが多く、経済的理由から十分な治療を受けることができず、子どもを持つことを諦めざるを得ない方も少なくありません。
 
人生の選択は、人それぞれ夫婦それぞれにあります。
 
今回ご案内しました「特定不妊治療費助成制度」を活用することは、少しでも費用負担を軽減し、後悔しない人生の選択の幅・範囲を持つために有効だと考えます。
 
この「特定不妊治療費助成制度」の事業実施主体は、都道府県、指定都市、中核市のため、所得要件や申請期限、申請窓口や手続きの仕方も自治体によって異なります。
 
特に、申請するのを忘れて申請期限が過ぎて申請できなかったという話はよく聞くので、申請期限には十分に注意してください。
 
ぜひ、自治体に問い合わせして、要件に該当すれば活用していただきたいと思います。
 
ちなみに、この「特定不妊治療費助成金」を受けると平均で約120万円得するとみられます。不妊治療をする際にはぜひご活用ください!
 
執筆者:竹内誠一
竹内FP社労士事務所 代表
 

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