自然災害が起こったら、子どもの就学はどうなる? 万一に備えて、支援制度を知っておこう

配信日: 2019.10.05

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自然災害が起こったら、子どもの就学はどうなる? 万一に備えて、支援制度を知っておこう
近年、想定を超える規模の風水害による被害が各地で起きています。家屋の流失や焼失等により住む場所や職場を失ったりして経済的に困窮した場合、失った学用品をそろえ直すのは保護者にとって大きな負担です。また、子どもが大学生等であれば学業を続けることが難しくなるかもしれません。
 
このような事態に備えて、被災者にはさまざまな支援制度があります。万一に備え、子ども関連の主な支援制度について知っておきましょう。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

教科書等の無償給与(災害救助法)

災害救助法が適用された市町村において、住宅に被害を受け学用品を失った小・中学校、高等学校等の児童・生徒が対象です。
 
災害救助法に基づく学用品の給付は、災害により学用品を失った児童・生徒に対して、教科書や教材、文房具、通学用品が支給されます。 問合せ先は、都道府県、災害救助法が適用された市町村です。
 

小・中学生の就学援助措置

被災により、就学が困難な児童・生徒の保護者を対象に、就学に必要な学用品費、新入学用品費、通学費、校外活動費、学校給食費等の援助をしています。なお、避難をされている方も、この制度を利用できます。問合せ先は、都道府県、市町村、学校です。
 

高等学校授業料等減免措置

地方公共団体の長が、天災その他特別の事情のある場合において減免を必要とすると認める方が対象です。具体的には、災害による経済的な理由によって授業料等の納付が困難な生徒を対象に、授業料、受講料、入学料および入学者選抜手数料等の徴収猶予または減額、免除がなされます。
 
問合せ先は、都道府県、市町村、学校です。
 

大学等授業料等減免措置

各大学等において、減免等を必要とすると認める方が対象です。
 
具体的には、災害により、家計が急変した等の理由により授業料等の納付が困難な学生を対象に、各学校(大学、短期大学、大学院、高等専門学校)において授業料等の減額、免除を行います。具体的な基準や減免額などは、学校ごとに異なります。 詳細は、在籍する各学校(授業料担当窓口)にお問い合わせください。
 

緊急採用奨学金(日本学生支援機構)

災害等により、家計が急変した学生・生徒に対して、緊急採用奨学金(無利息の第一種奨学金・利息付きの第二種奨学金)の貸与を受けることが可能です。詳細は、在籍する各学校(奨学金担当窓口)にお問い合わせください。
 

「減額返還」「返還期限猶予」(日本学生支援機構)

災害により奨学金の返還が困難となった返還者は「減額返還(毎月の返還額を減額して返還する制度)」または「返還期限猶予(一定期間返還期限を延期する制度)」を受けることが可能です。
 
「減額返還」は、1回の願出につき適用期間は12ヶ月で最長15年(180ヶ月)まで延長可能です。「返還期限猶予」の適用期間は、原則、通算10年(120ヶ月)が限度です。
 
いずれの制度も元金や利息が免除されるものではありません。奨学金返還センター(電話0570-666-301 受付時間9:00~18:00)に相談しましょう。
 

JASSO支援金(日本学生支援機構)

在学中の自然災害等により、学生本人が居住する住宅に半壊以上等の被害を受け、学生生活の継続に支障をきたした学生・生徒に対し、JASSO支援金の支給を行っています。支給額は10万円(返済不要)です。
 
在籍する学校を通じて申し込みます。申請は、自然災害が発生した月の翌月から数えて3ヶ月を超えない期間に、学校から日本学生支援機構に推薦書類が到着する必要があります。なお、成績不振により留年中は申請できません。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー


 

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