更新日: 2019.11.19 子育て

学費が安く就職率も高い「高等技術専門校」って?専門学校とは何が違う?

執筆者 : 新美昌也

学費が安く就職率も高い「高等技術専門校」って?専門学校とは何が違う?
高等技術専門校をご存じでしょうか? 「専門校」とありますが、「専門学校」ではありません。しかし、専門学校の工業系の一部と重なる科目を学べます。それぞれの違いを知り、進路に役立てましょう。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

専門学校とは?

専門学校は専修学校の専門課程のことです。高等学校卒業程度の学力のある人が対象です。専門学校は、都道府県の認可を受けた職業教育を行う高等教育機関です。職業教育を行う教育機関には無認可校もあります。
 
無認可校では、日本学生支援機構の奨学金が利用できないので、奨学金の利用を考えている方は留意しましょう。
 
専門学校では、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養といった8つの分野を学ぶことができます。
 
大学を卒業すると「学士」の称号が与えられますが、専門学校では2年制以上を修了すると「専門士」が、4年制以上の学科を修了すると「高度専門士」という称号が与えられます。
 
「専門士」の称号を得ると、大学の2年次や3年次への編入資格が得られます。「高度専門士」の称号を得ると、大学院への入学資格も同時に与えられます。
 
専門学校の学費は私立大学と同様、進学する分野や学科によって大きく異なります。東京都の場合、入学金を含めた初年度納入金の平均総額は約125万円です(平成30年度)。最も高いのが理学療法・作業療法学科の約178万円、最も安いのが看護学科の約96万円となっています。
 
このうち入学手続き時に必要な金額はいくらかなど、納入方法や納入期限を確認し、2年目以降に必要となる金額についても調べておくことが大切です。
 
なお、学費の他に材料費やユニフォーム代等別途、数万円~数十万円かかる場合がありますので、こちらもよく確認しましょう。
 
専門学校の入試方法は「AO入試」「推薦入試」「一般入試」です。このうち「一般入試」は書類選考と面接の場合が多く、一般に医療系、3・4年制の学科以外は学科試験が課されません。この点、大学の「一般入試」とは異なります。また、願書受付も11月1日以降と早くなっています。

高等技術専門校とは?

高等技術専門校は、各都道府県が運営している公共職業能力開発施設のことです。高等技術専門学院、職業能力開発センターなど都道府県により呼称が異なります。
 
学校を卒業して新たに就職を目指している方や、求職者(離転職者)を対象に、就職に必要な知識や技能を習得するための実技を中心とした職業訓練を実施します。2年コース、1年コース、短期コースがあります。
 
訓練科は工業系がメインで、2年コースでは、機械制御システム科、情報制御システム科、自動車整備科、建築科、空調システム科、情報処理科などがあります。
 
授業はおおむね月~金曜日の8:30~16:30に行われます。普通科高校出身者でも、訓練は基礎から段階的に行われますので、専門知識がなくても安心して学べます。
 
2年コース・1年コースについては、授業料等が必要になります。入校試験手数料は2200円 、授業料は年額11万8800円(令和元年度)などです。
 
その他、教科書、資格取得費など年間数万円~10万円程度必要です。なお、授業料には減免の制度があります。技能者育成資金融資制度などの支援制度もあります。日本学生支援機構の奨学金は利用できません。
 
推薦の場合は面接試験および作文試験、一般選考の場合は筆記試験(高等学校卒業程度の国語と数学)および面接試験が課されます。

まとめ

自動車整備など専門学校と高等技術専門校では、訓練科目が重なっています。これらの技術を身に付けたい場合、経済的な理由で専門学校へ進学できない場合でも、高等技術専門校へは進学できるでしょう。
 
学費が安く、就職率も高いのが特長です。ただし、「学校」ではないので、学歴にはならない点は留意しましょう。また、日本学生支援機構の奨学金や高等教育無償化(修学支援新制度)の対象校でもありません。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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