現金派はもはや半数以下?キャッシュレス決済を使うとどんなメリットがあるの?
配信日: 2019.11.20 更新日: 2021.04.05
キャッシュレス決済を使うと、使わない場合に比べてどんなメリットがあるのか解説します。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
キャッシュレス決済とは
キャッシュレス決済は現金を使わない支払方法のことで、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済などいくつもの種類があります。
・クレジットカード……JCBカード、楽天カードなど
レジでカードを出せば支払いができ、支払ったお金は後日まとめて請求されます。
・デビットカード……三菱UFJデビット、JNB Visaデビットカードなど
レジでカードを出せば支払いができるのは、クレジットカードと同じなのですが、支払ったお金はその場ですぐに銀行口座から引き落とされます。銀行のキャッシュカードと一体化していることも多いですね。
・電子マネー……Suica、WAON、QUICPayなど
レジの端末にカードをピッとかざせば、支払いができます。おサイフケータイの機能が付いているものなら、カードがなくてもスマホをかざすだけで決済可能です。
・QRコード決済……PayPay、LINE Pay、楽天ペイなど
レジで専用のアプリを開いて、自分のバーコードやQRコードを表示させてお店の端末に読み取ってもらって支払います。場所によっては、お店のバーコードやQRコードをアプリで読み取る場合もあります。
キャッシュレス決済はどれだけ使われているの?
アプリ情報サイトAppliv(アプリヴ)の調査によると、普段の支払い方法で最も多いのが「現金」と答えたのは、48.4%と半数未満でした。次に多いのは「クレジットカード」で34.0%、その他のキャッシュレス決済はどれも一桁台にとどまりました。
年代別にみると、最も現金利用の割合が多いのは意外にも「20代」で、20代と30代では現金派が半数を超える結果になっています。一方で、スマホ決済を最も利用しているのも20代でした。高齢層ほど、クレジットカードの利用割合が高くなっています。
また、クレジットカード会社のJCBが行ったアンケートでは、「自分はキャッシュレス派」と考えている方は約4割にのぼり、キャッシュレス派の人は現金派の人よりも、2.4倍も貯金を増やすことができたという調査結果が出ています。キャッシュレス派の人はなぜ貯金上手なのでしょうか。
キャッシュレス決済のメリットとは?
・現金を持ち歩く必要がない
スマホやカードで支払いが済むようになれば、大きな財布を常に持ち歩く必要がなくなります。ATMに行く手間や、利用手数料なども不要になります。
・支払いが楽
いちいちお札や小銭を数えなくてもすぐに支払いができ、とてもスムーズにお会計が済みます。また、同じスマホ決済サービスを使っている人同士なら、かんたんに送金ができるので、飲み会の割り勘なども時間や手間をかけずスマートにできます。
・ポイントが貯まる
キャッシュレス決済の多くは、その利用に応じてポイントが貯まります。ポイントはマイルに交換したり、商品券や商品に交換したりできるほか、現金同様さまざまな使い道があります。
うまく使えば、一度の買い物でクレジットカードのポイント、スマホ決済のポイント、お店独自のポイントと、ポイントの三重取りができることもあり、現金より断然お得になります。
・キャンペーンなどの特典が受けられる
クレジットカード利用のみで受けられる優待や割引セールがあったり、スマホ決済のみで受けられる大幅なポイント還元キャンペーンがあったり、キャッシュレスならではの特典を得られることもあります。
・家計の収支を把握しやすい
「キャッシュレスは使い過ぎそうで怖い」という方もいますが、実はコツをつかめば管理しやすいのです。キャッシュレスは、利用したら必ず利用履歴や電子明細が残ります。それを家計簿アプリと連携しておけば、ずぼらで家計簿が続かないという方でもかんたんに家計の収支を把握できます。
来年まではキャッシュレス還元も受けられる
消費税増税にあわせて、キャッシュレス決済を利用すればポイント還元が受けられる制度を、政府がスタートさせています。
これは2020年6月までの期間限定ですが、加盟している中小規模のお店でのお買い物だと「5%」、フランチャイズのお店だと「2%」のポイントが還元され、増税で負担が増えた分をカバーできます。
クレジットカードでもデビットカードでも、電子マネーでもQRコードでも対象になりますよ。
お得とはいえ、お金の使い過ぎは禁物
便利でお得なキャッシュレス決済ですが、お金の使い過ぎにはやはり注意が必要です。使い過ぎが怖い方は、SuicaやPayPayなどでプリペイド(前払い)式のキャッシュレス決済を選択して、月の初めにチャージしておいた分だけ使えるようにするなど、工夫してうまく管理しながらお得に利用しましょう。
(出典)
・Appliv(アプリヴ)「キャッシュレス決済の利用に関するアンケート調査」(2019年10月実施)
・株式会社ジェーシービー「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査2019」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表