家電の寿命を知って、計画的な買い物を!
配信日: 2020.02.24
突然の出費に困らないために、一般的な家電の寿命を知ることで、買い換え時期を予測することが可能です。今回は、主な家電の平均寿命と、古い家電の引き取りなどに必要なお金についてご紹介します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
家電の寿命をチェック
まずは、内閣府が行った調査結果(※1)から、主な大物家電の平均寿命をチェックしていきましょう。どのご家庭にもある家電の平均使用年数は、以下の通りとなっています。
<主な家電の平均寿命>(2018年度データ)
電気冷蔵庫 :12.2年
電気洗濯機 :10.8年
電気掃除機 :8.4年
ルームエアコン:13.6年
カラーテレビ :9.5年
パソコン :7年
使用頻度にもよりますが、大体10年前後たつと、不具合が出るなどして、買い換える方が多いようです。例えば、結婚をして、パートナーの方と同居したことをきっかけに、多くの家電を一括購入したご家庭などでは、結婚後10年くらいすると、さまざまな家電に不具合が出るでしょう。
「急に家中の家電の調子が悪くなった」と感じる方もいるかもしれませんが、同時に複数家電を購入したケースでは、調子が悪くなる時期も、大体同じ頃に重なってしまうことがあります。
家電の買い替えに必要なお金
家電は、日々さまざまな改良が加えられ、どんどん進化しています。10年ぶりに新しい冷蔵庫や洗濯機を購入する方は、その機能の充実ぶりに驚くかもしれません。そして、機能が充実すればするほど、最新になればなるほど、家電の金額も上がる傾向が見られます。
価格を低く抑えようとするならば、余計な機能がついていないシンプルな家電を選ぶと良いのですが、実際は、購入後、また10年近く使う可能性があるので、今後の生活をイメージしながら選ぶのがポイントです。
例えば、今後、お子さんが生まれる可能性がある場合、乾燥機付きの洗濯機や、冷凍庫が充実している冷蔵庫は、働くお父さんやお母さんの強い味方となりますね。
さらに覚えておきたいポイントとして、古い家電を処分するためには、別途お金がかかる場合があります。古い家電は、新しい商品を購入する家電量販店が引き取ってくれることが多いですが、「家電リサイクル料金」を支払わなければなりません。
例えば、大きな冷蔵庫の場合、大体5000円くらいかかります。詳しくは、経済産業省のホームページ(※2)をチェックしてみましょう。
減価償却という考え方
ところで、みなさんは「減価償却」という考え方をご存じですか。これは、企業が会計処理を行う際に使うもので、費用を計算するときに使います。家で使っている大物家電についても、減価償却の考え方を用いると、家計の費用負担が分かりやすくなります。
例えば、10万円する洗濯機を購入したとします。一時的に家計を見ると、10万円の出費は痛いですね。しかし、減価償却では、この購入費用を使用年数で割って考えます。10万円の洗濯機を10年間かけて使うとすると、1年間の費用は1万円です。
大物家電の出費は、確かに大きいですが、「1年間に1万円を払って洗濯機を使用している」という認識を持って見ると、家電の価格のイメージが少し変わるかもしれません。
いかがだったでしょうか。家電が壊れると、慌てて新しいものを購入する方も多いと思いますが、今後10年近く使う可能性もあります。後悔がないように、決められた予算内で、自分たちの生活スタイルに合った商品を選んでくださいね。
[出典]
(※1)内閣府「消費動向調査」データによる家電製品使用年数調査報告書(2017年度版)
(※2)経済産業省 家電4品目の「正しい処分」早わかり!
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者