春から大学へ入学! 新生活にはどれくらいお金が必要?
配信日: 2020.02.27
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
大学の学費っていくらかかる?
以下は、大学1年目に大学側に支払う費用の平均を表にしたものです。
最も安い国立大学でも80万円を超え、私立医学部などでは500万円近くになります。入学料は初年度だけですが、授業料はその後も在学中なら毎年かかります。
大学生活に必要なお金は学費以外にも
さらに、大学に支払う費用だけではなく、大学までの交通費、下宿ならその住居代、課外活動費、教科書代なども必要です。かかる費用は生活の拠点やエリアによって「自宅<学校の寮<下宿」、また「地方<京阪神<東京圏」の順になる傾向があります。
上の表は、国立、公立、私立を含めた大学生の学費と生活費の平均値です。年間200万円ほどは見込んでおいたほうが良いということがわかります。大学生活4年×200万円=800万円と考えると非常に大きな出費になりますね。6年制で学費も高い医療系大学ならなおさらです。
もし自宅以外から通学することになれば、1年目は引っ越し費用も必要です。住むところを探しに行くための交通費、家が決まったら敷金、礼金、仲介手数料、新しい家具家電をそろえる費用、引っ越し作業を業者に頼む費用(これは春のピーク時だと特に高額)など数十万円単位でかかるでしょう。
特に1年目は、今後の大学生活を円滑に送るための出費がかさみやすくなります。ほかにも、たとえば大学の授業で課されたレポートを書くための、ノートパソコンも購入することになるかもしれませんし、海外への留学を希望するかもしれません。
アルバイトや奨学金でまかなうことも
大学生活には多額の費用がかかります。日本学生支援機構の「平成28年度学生生活調査」によると、大学生で「家庭からの給付のみで修学可能」と答えたのは半数を下回る47.5%でした。
大学生の半数近くが奨学金制度を利用し、8割以上がアルバイトをして収入を得ながら学生生活を送っていることが同調査で明らかになっています。
親の収入が少ないからといって、子どもが大学生活をあきらめるようなことがないよう、国は2020年4月から新しい支援制度を始めます。対象者は授業料の減免や返す必要がない給付型の奨学金を受けられます。
「お金がないから進学できない」と思い込まず、利用できそうな制度がないか、アルバイトでまかなえないか、いろいろな選択肢を調べてみましょう。
大学でしっかり学んで元を取ろう!
親としては、これだけお金をかけるのだから、子どもにはしっかり学んでほしいと思いますよね。たとえたくさんの費用を支払っても、子どもが一生懸命勉強して、いろいろなことを経験して楽しく過ごして成長してくれれば、お金をかける価値があると思えます。
大学生は、個人差はあるものの、初めてのアルバイトや初めてのひとり暮らしなどを経験して、あらためてお金の大切さに気付く方も多くいます。
大学に行くためにこれだけの費用がかかること、それだけの費用を用意するのはとても大変だということ、奨学金を借りたらお金を返していくことなどを共有して、今後社会に出るときに向けて、お金について真剣に伝えて考えてもらう機会にするのも良いかもしれませんね。
(出典)
文部科学省「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表