更新日: 2020.05.02 その他暮らし
マスクを買うつもりが、個人情報を盗られた!
4月17日より政府によるマスクの配布が開始され、感染の多い地域から、1住所当たり2枚のマスクが配布されます。これにより、配布された分は購入の必要がなくなるため、マスク不足の状態は緩和が期待されます。
手作りや国による配布で今必要なマスクは用意できても、「これ以上必要になった時に買えないかもしれない。」という不安は残ります。マスク不足の不安につけいる悪徳商法が、高額転売の影で発生しています。国民生活センターは注意を呼びかけています。
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。
「マスクが買える」という書き込みで注文したが…
令和2年3月25日消費者庁の公表によれば、偽りのウエブサイトへ誘導し、クレジットカード等の個人情報を搾取されるトラブルが発生しています。
・「マスクが購入できる」というメールが届き、URLをクリックして個人情報を入力後、詐欺と気付いた。どうすれば良い?
・ネット上で非接触体温計を注文したが確認メールが来なかったので、不審に思い事業者に電話したが出ない。個人情報を入力したので不安である。
というものや、令和2年4月13日の国民生活センター報道発表資料にも、
・「マスクが買えるサイトがある」というSNSの書き込みを見て通販サイトで申し込んで、決済方法がクレジットカードのみのためカード決済したが、申込確認メールにはクレジットカード不可とあった。不審に思い業者を調べたが、このサイトとは無関係と思われるものだった。
・クレジットカード払いを選択したが、クレジットカード決済画面が表示されなかった。購入受付メールにクレジットカードの登録サイトのリンクがあったが、このような方法で登録したことがないため、不審なのでキャンセルしたい。
という公表がされています。
巧妙に個人情報を詐取するフィッシングサイト
相談事例では、クレジットカード決済以外選ばせないようにしていることもあり、カード番号の詐取を目的としたフィッシング詐欺のおそれがあります。
フィッシングとは、実在のサイトになりすまし、ユーザーネームやパスワード、ATMの暗証番号やクレジットカード番号などの個人情報を入力させることで、個人情報を盗み取ることです。
SNSからフィッシングサイトに誘導し、個人情報を入力させ詐取する場合、「メールリンク型決済」(メールで登録リンクが送られてくる決済方法)では、メールのURLより偽サイトへ誘導し、個人情報を入力させるという場合があります。
他にも、金融機関の電子メールを装い、本物そっくりに作られた偽サイトに誘導して、口座のID・パスワードを盗み取る場合もあります。本物になりすましているため、偽物と気付かず入力してしまいます。
フィッシングの被害から身を守る
今回のクレジットカード番号などの重要な情報の入力画面は、SSLという暗号化技術を使用します。その際、アドレスバーが緑色になるか、鍵マークが表示されます。もし、SSLが使用されない場合は、フィッシングを疑ったほうが良いでしょう。
しかし、クレジットカード番号、メールアドレス、電話番号等、入力してしまった場合は、
1.関係機関に速やかに相談します。状況に応じて、クレジットカード番号の変更などが必要になることもあります。
2.クレジットカードを用いた場合は、悪用されていないか、利用明細、利用履歴を必ず確認します。カード番号の変更届の前に使われていないか確認します。
インターネットバンキングから振込をする場合も、金融機関から送られてきた(と思われる)電子メールにあるURLからサイトに飛ばず、正規のサイトのURLを記録しておき、そこからログインするように心がけましょう。
(参考)
消費者庁 感染症に関連した消費者トラブル回避のために
総務省 国民のための情報セキュリティサイト フィッシング詐欺に
国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報)
国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した架空の“マスク販売広告メール”にご注意! (速報第2弾)
国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報第6弾)
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者