外出自粛時の今は、防災データの取得期と考える! さらなる災害が起こる前にコロナを終息へ

配信日: 2020.05.24

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外出自粛時の今は、防災データの取得期と考える! さらなる災害が起こる前にコロナを終息へ
新型コロナウイルス終息の見通しがなかなか立ちません。
 
緊急事態宣言が全国区になり、一部地域の宣言が解除になった今も外出自粛は続き、自宅で過ごす時間が多いため、家庭内での消費活動やその消費量にも変化が表れているのではないでしょうか。そんな変化をしっかり確認・調査して今後の防災につなげてみてはいかがでしょうか。
 
すでに有事の中で、これ以上、自然災害などが重ねて起こらないことを祈るばかりです。しかし、今回の新型コロナウイルスのように、災害もいつ起こるかわかりません。
 
コロナ禍での外出自粛を今後の防災データの取得期として生かし、災害への備えへもつなげることができれば、新型コロナを抑え込むという最重要課題に加えて、防災対策としても価値あるものにできるかもしれません。
 
岩永真理

執筆者:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

これまでの消費実態を確認・調査

外出自粛により、家計にも変化が起こっていると考えられます。家族全員が自宅にいることによって膨らみがちな出費は主に生活に密着する下記です。
 
・食費
・光熱費
・電話代
・日用品代

など
 
一方、減っていると思われるもの出費は下記です。
 
・外飲食代
・交通費
・レジャー費
・服飾費

など
 
家計の観点から見れば、増えた費用と減った費用がそれぞれどれだけあるか、そしてトータルで減った費用のほうが多ければ、家計費は以前よりはプラスになり、自宅待機することで貯蓄体質が進み、むしろよいことかもしれません。
 
今回は、単なる貯蓄体質か赤字体質かをチェックするにとどまらず、これまで見極めにくかった家族全員が自宅で暮らした際の生活必需品の「実質消費量」を計ることが可能です。つまり、家計の観点だけでなく、今後の防災へつながる観点からも注視してみてはいかがでしょうか。
 
コロナ感染対策で在宅することを、防災訓練にもなるととらえて、また今後の防災対策のための生活必需品の実質消費量の計測期間と考えるならば、自宅待機が長くなればなるほど、より精度の高い統計データが収集でき、防災訓練も長く積めることになります。自宅待機の長期化は、悪いことばかりではなくなります。

まずは1週間分をめどに消費量がどのくらいかを確かめる

これ以上の災害は起こってほしくはないですが、いつ起こるかわからないのも現実です。
 
医療機関や救急施設はすでにオーバーワークのところも多く、自分でできる範囲のことは備えておくことが必要ですが、肝心なのはその適量を見極めることでしょう。そのためには、実際の消費量を参考にするのが最も合理的といえます。
 
つまり、一定の期間内に食料品や日用品をどれくらい消費するのかを知る、ということです。
 
震災などが起こり、自宅待機できるような場合には、とりあえず1週間、家族全員が食いつないでいくことができるかどうかが重要なカギになります。1週間家族全員が過ごすために必要な生活必需品の消費量を、ある程度正確に計ることができれば、防災に必要な備蓄量がわかります。
 
生活物資は主に食料と日用品です。東京都では、食料は3日に一度程度の頻度での買い物が推奨されていますので、週に2~3回分の買い物の必要量を考えていくと、おおよそ1週間分の見当がつくでしょう。
 
自然災害で水道が途絶えた場合のリスクをこれに加味して、飲料水を確保するならどの程度必要になるかを、使用する水道水をペットボトルにくんでから使うと、ペットボトルの数から消費量が計測できます。
 
日用品はティッシュやトイレットペーパー以外に、ラップやビニール袋など、震災で水道が利用できない時に重宝するものなどの予備もあるとよいでしょう。
 
また、災害時はすぐに医療機関へかかれないことも考慮して、救急箱などの中身が期限切れになっていないかも確認しておくとよいでしょう。
 
必要量を知りながら買い物をすることで、常に1週間は暮らしていける適正量を備蓄できている状態をつくり、さらに万一のための訓練をしておくことができます。決して、一度の大量購入や買い占めを行うような備蓄をするわけではありません。

さらなる自然災害が起こる恐怖を考えて

新型コロナウイルス感染拡大防止のための現在の自宅待機は、電気・水道・ガスなどのインフラがすべて整った状態です。物流も平常どおりのため、食料、物資を手に入れることができます。有事の中では恵まれた状況といえるでしょう。
 
しかし、ここに万一自然災害が重ねて起こるようなことがあれば、インフラや物流は一瞬にして途絶え、自力で生き抜かないといけません。その際は、なんとか1週間程度生き抜いていけるだけの知恵と物資が用意してあれば、何もないよりは安心でしょう。
 
もちろん、そんな恐ろしいことが起こらないことが一番です。コロナ禍に加えてこれ以上の災害が重なれば、医療崩壊は必至となり、助かる命はますます少なくなってしまうかもしれません。それゆえに、今私たちがすべきことは、この新型コロナウイルスを全国民が一致団結して、一刻も早く終息させることです。
 
症状がないコロナウイルス感染者もいます。あなたの横に今いる人がコロナ感染者でないという保証はありません。人と会わなければ、コロナ感染者と接触するリスクを確実に減らすことができます。
 
家族に感染者がいない限り、家に居続けることが最も安全なのです。外出できないストレスよりも、不必要な外出でコロナに感染するほうが重大です。
 
まずは自分自身がコロナに感染しないこと、それがあなたとあなたの大切な人、そしてその大切な人の大切な人すべての命を守ることにつながるのです。
 
執筆者:岩永真理
一級ファイナンシャル・プランニング技能士


 

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