新型コロナで収入減、学費が払えない…そんなときに使える制度って?

配信日: 2020.05.25

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新型コロナで収入減、学費が払えない…そんなときに使える制度って?
新型コロナウイルス感染症の影響はさまざまな分野に及んでいます。学生にとっても授業が受けられなかったりオンライン形式に変わったりと、学業に関わる変化もありますが、それだけではありません。
 
新型コロナウイルス感染症によって経済的な影響を受けている方も少なくありません。予測できない事態で収入が激減してしまい、大学の授業料の支払いが困難な状況になっている場合もあるかもしれません。今回は、そのような場合に利用できる制度について紹介します。
 
伊達寿和

執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)

CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。

親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp

「授業料等減免・給付型奨学金」の対象になるかを確認

今回の新型コロナウイルス感染症の影響で学費の支払いが困難になっている方に向けて、さまざまな支援が用意されています。
 
1つ目は「授業料等減免・給付型奨学金」です。これは、2020年4月から始まった「高等教育の修学支援新制度」で内容が大きく変更されたものです。
 
住民税非課税世帯およびこれに準じる世帯が対象で、保護者の収入および学業その他の要件に応じて入学金と授業料が減免されます。また、返済不要な給付型の奨学金も併せて支給されます。
 
保護者の住民税の額を基に対象になるかが決まります。収入の目安としては、両親と大学生、中学生の4人家族のケースで約380万円以下です。約270万円以下であれば住民税非課税世帯として、約380万円以下であれば住民税非課税に準じる世帯として減免の対象となります。
 
申し込みは原則年2回ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が大幅に減少するなど、家計急変の場合の特例として随時申し込み(急変事由の発生後3ヶ月以内)をすることができます。
 
申し込むときに収入が減少したことを示す公的証明書が必要になります。公的証明書の例として、緊急小口資金の貸し付けを利用した場合の借用書や、国税・地方税の納税猶予の許可通知書があります。
 
また、年収については急変が発生したあとの収入をベースに計算されます。独立行政法人日本学生支援機構の「進学資金シミュレーター」で、対象になるかの目安を知ることができますので確認しましょう。

「貸与型奨学金」を利用する方法

次に、給付型奨学金に対象にならない場合は「貸与型奨学金」を利用する方法があります。貸与型奨学金は卒業後に返済が必要な奨学金であり、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。
 
奨学金の申込基準として学力基準と家計基準の2つがあります。収入の目安としては、両親と私立大学生、中学生の4人家族のケースで、世帯年収が約800万円以下であれば第一種奨学金の対象となり、約1100万円以下であれば第二種奨学金の対象となります。
 
ただし、利息がない分、第一種奨学金には厳しい学力基準が設けられており、家計基準を満たしていても利用できない場合があります。
 
新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少するなど家計急変の場合は、特例として随時申し込みをすることができます。第一種奨学金では「緊急採用」、第二種奨学金では「応急採用」と呼ばれる制度です。
 
家計基準での年収については給付型奨学金と同様に、減少したあとの収入をベースに計算されます。

大学独自の支援制度

今回の新型コロナウイルス感染症の影響をふまえて、独自の支援制度を実施する大学もあります。大学から学生に対して一律の支援金を支給するケース、大学独自の給付型奨学金を設けているケース、授業料の納付時期を猶予するケースなど支援の内容はさまざまです。
 
それぞれの大学のWEBページなどでどのような制度が利用できるか確認しましょう。また、制度を利用するための手続きの方法、申請の期間なども確認しましょう。複数の制度を利用できる場合もありますので、利用できる制度をひととおり確認して早めに手続きするとよいでしょう。
 
出典
文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響で学費等支援が必要になった学生のみなさんへ」
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
独立行政法人日本学生支援機構「新型コロナウイルス感染症に係る影響を受けて家計が急変した方への支援」
独立行政法人日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」
 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員


 

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