更新日: 2020.07.21 その他暮らし
収入が減ったときに考える引越し問題。家賃を減らすために引っ越すべき? 住み続けるべき?
収入が減ってしまったことで引っ越すか否か悩んだり、これ以上生活費を切り詰められなくなったりした際の参考にしてください。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
引越しの検討は早いほうがいい
もし収入が減ってしまい、後の生活が厳しいと思い始めたときは、すぐにでも引越しを検討するべきです。
なぜなら、引越しには費用を要するため、本当に切迫した状況では引越しをしたくてもその費用を捻出できず、今の住居から動けないまま事態を悪化させてしまうおそれもあるからです。
引越しによって一時的にまとまった支出が生じることとなりますが、それでも毎月の固定費である家賃の引下げ分は後々大きく作用してきます。
特に、世帯収入の3分の1を超えるような家賃を支払っている場合、引越しによる家賃の引下げ効果は顕著に現れます。
例えば、引越しによって毎月の家賃が2万円下がったとすれば、1年間で24万円もの支出が削減されることになります。
それが2年続けば48万円、3年続けば72万円と、年を追うごとに削減できる金額はどんどん大きくなります。
現状維持を選ぶべき場合は?
収入の減少が一時的であると決まっている場合は、わざわざ時間と費用、手間をかけてまで引越しをする必要は低いといえます。
例えば、交通事故で1ヶ月入院した場合、あるいは転職先の研修期間の3ヶ月間だけ給与が減少するような場合などです。
また、現在の住環境のメリットが多く、節約できる支出がある状況であれば、現状維持でもよいでしょう。
例えば、夫婦の通勤や子育ての関係上、引越しをしてしまうと家賃の低減分以上に生活に支障が生じるような場合や、外食や趣味の頻度を控えるだけで問題なく収入の減少分を補えるような場合です。
引越し費用と下がる家賃を計算し、引越しのメリットが薄い場合も現状維持でよいでしょう。
例えば、引越しをしても家賃が月5000円程度しか安くならないのに、引越し費用が30万円を超えてしまう、というような場合です。
家賃の引下げを意識するあまり、無理に引越しをしてしまうと、かえってマイナスとなってしまうこともある点に注意してください。
収入の減少について相談できる公的機関はないの?
収入の減少が著しく、家計の改善が難しいほどの困窮が予想される、またはすでに困窮してしまっているような状態であれば、できるだけ早めに最寄りの市区町村役場や相談支援事業を行っている機関に相談するようにしてください(※)。
市区町村役場では、住宅確保給付金や一時金の貸付制度など、生活を守るための制度について説明を受けることができます。
また、相談支援事業を実施する機関では、各種制度の説明以外にも、家計の改善支援や就労支援といった支援を受けられることもあります。
こうした機関への相談は、原則無料となっているため、悩んだときはすぐにでも相談に行くべきです。
収入が減少してしまったら、早めに引越しも視野に入れるべき
引越しによって家賃を上手に下げることができれば、収入が減少しても、その他の支出を削ることなく生活を維持していくことができます。
ただし、引越しをするにもその費用を捻出できなければ、思うような引越しをすることはできません。
離職や給与の変動によって収入の減少が明らかになったら、できるだけ早い段階で今後の生活について考え、生活費の削減などだけでなく、引越しについても検討する必要があるでしょう。
[出典]
※厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」
執筆者:柘植輝
行政書士