更新日: 2020.09.06 その他暮らし

思うように外出しにくい今だからこそ、夢中になれることを棚卸し

思うように外出しにくい今だからこそ、夢中になれることを棚卸し
今年は「特別な夏」と位置付けられ、外出自粛が続いています。第1波の頃、「自粛期間を利用して資格の勉強をする」と宣言した友人がいました。これはかなり本気モードですが、好きなことや気になることを調べることも、立派な勉強です。すっかりハマった結果、それを自分の強みにできれば、得した気分になれますね。
 
家計において、大人になってから始める勉強は「趣味」の延長であると考え、講習費や教材費などをかけたくないと思う方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし、自宅でできる勉強はたくさんあり、それは多額のお金を使うものばかりではありません。自宅で勉強しているうちにスキルアップし、今後キャリアアップ・収入アップにつながる可能性も秘めているかもしれませんよ。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

巣ごもりは勉強のチャンスかも

外出自粛が続いていて、家の片づけ、お手製のマスク作り、自炊のレパートリーも増えて、次はマイバッグでも作ろうか、と退屈している人も多いのではないでしょうか。あるメルマガに気になるコメントを見つけました。
 
「なかなか遊びに行けない中、韓国ドラマ『愛の不時着』にハマりました。それがきっかけで韓国語の勉強を始めました。社会人になってから勉強にハマったことなどなかったのですが、知らないことを学ぶ面白さを実感しています。」というものです。
 
これを読み、私事ですが2つのことを思い出しました。1つ目は、以前私も韓国語を習っていたことです。周りの生徒さんのほとんどは韓国ドラマやK-popにハマっている人たちで、韓国にも度々旅行しています。
 
私はといえば、とても簡単な理由からでした。当時福岡に住んでいたので、友人と高速船で釜山(プサン)に旅行しました。時間にして約3時間の船旅です。
 
船内で見たテレビはバラエティー番組だったので会場は大爆笑、なのに私たちはチンプンカンプン。楽しそうな画面をうらやましく見るばかりです。現地でもハングル文字が読めず、お目当てのお店を見つけるのに苦労しました。“隣国なのに”と衝撃が大きくて、即受講を決めたのです。
 
ですが私にとってこれは「食いつきは良かったが、長続きしなかった例」となってしまいました。実はこういう事例を多々持っている私は、「趣味や習い事にかける費用、特に初期費用は慎重になるべき」を心がけています。

知らないことを学ぶ面白さにハマる

2つ目は「社会人になってから勉強にハマったことなどなかったのですが、知らないことを学ぶ面白さを実感しています」の部分です。このコメントを書いた方は40代だそうです。
 
私がFPの勉強を始めたのも40代でした。当時失業中の私は、ハローワークに通う日々を送っていました。そこで見つけたのがFP講座。当初は資格取得を目指していたわけではなく、学校に通うことで不規則な生活から脱却したいという思いでした。長時間座って先生の講義を聴くことは新鮮でしたし、授業内容も「生活に密着していて面白い」と感じました。
 
その後「せっかく勉強したのだから、知識を整理する意味でも資格試験を受けてみよう」という気持ちになり、日本FP協会のAFP資格を受験してみたら合格。たまたまです。でも合格したらうれしいですし、普段ほめられることが少ないので、ご褒美感が得られて悦に入ることができました。
 
また試験となると、覚えることも大量です。「重要なポイントや出題されそうな箇所はシートに書き出して、トイレや冷蔵庫などにペタペタ貼る」ということをしていました。学生時代にもしなかった頑張りようです。夢中になっている自分を客観的に見て、楽しんでいるところもあったと思います。
 
そういえば主人から「今回、貼り方が少ないね。大丈夫?」と指摘されたこともありました。このように勉強や受験にハマった結果が、上級のCFP資格の取得にもつながりました。FPの仕事を始めるまでには紆余曲折がありましたが、ここから始まったと思うと不思議です。“人生に無駄なし”と言いますが、何がきっかけになるか分かりません。

夢中になれることを棚卸し

TVドラマ「ハケンの品格」の最終回では、「AIは無駄な動きをしないので、それに私たちが対抗しても勝てません。
 
でも無駄なことをすることこそが人間」というくだりがありました。日頃、好きでやっていることはありませんか。一見無駄に見えても、蓄積されていくと自分の強みになります。
 
それはAIで適性診断しても、見抜いてもらえないかもしれません。一度自分の好きなこと、夢中で続けられることを棚卸ししてみてはいかがでしょう。それがきっかけで世界が広がるかもしれません。
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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