10万円の特別定額給付金 みんなは何に使った?
配信日: 2020.10.12
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
特別定額給付金、みんなは何に使った?
特別定額給付金は、小さな子どもからお年寄りまで、みんなが平等に受け取ることができたお金でしたが、年代や家庭の状況によって使い方に違いがあったようです。
新型コロナウイルスの影響で収入が減り、給付金を生活費にそのまま回したというご家庭も多いでしょう。例えば、税金の支払いや普段のお買い物に使ったご家庭は多く見られました。
「自動車税の納税に使った」(30代男性)
「子どもの休校中の食費やお菓子、ドリル代、おもちゃ代に使った」(40代女性)
また、新型コロナウイルスによる新しい生活習慣を実践するために、こんな使い道もありました。
「電車を避けて通勤するために、電動自転車を購入した」(40代男性)
「テレワークに対応するため、新しいパソコンやイヤホンなどを購入した」(30代女性)
「Go To トラベルキャンペーンを活用し、家族で地方の温泉へ出かけた」(30代女性)
三菱総合研究所の調査(※)によると、特別定額給付金の経済効果は3.5兆円程度で、日本のGDPを0.7%ポイント程度押し上げたことが分かりました。新型コロナウイルスによって停滞した日本の経済は、特別定額給付金により、経済を回す一定の効果があったといえるでしょう。
貯金をした人はどのくらい?
一方で、特別定額給付金の10万円を使わずに、銀行の預金口座にそのままおいてある方も多くいらっしゃいます。三菱総合研究所の調査(※)では、給付金の6割程度が貯蓄に回り、3割程度が消費に回ったようです。
普段使っている銀行口座に特別定額給付金が振り込まれたままになっている場合、そのお金は、いつの間にか生活資金として使い切ってしまう可能性が高いでしょう。しっかりと貯金しておきたいと考えている場合は、貯金用の口座に移すなど、意識して特別定額給付金を貯めておくことが必要です。
資産運用を始めてみよう
まだ特別定額給付金の使い道が決まっていないという方は、この10万円をきっかけに、資産運用に挑戦してみるのはいかがでしょうか。ネット証券を活用すれば、家にいながら誰でも簡単に証券口座を開設することができます。
初めて投資をする場合は、投資でもうかった利益を非課税とすることができる「NISA」を活用することを検討してみましょう。例えば、「つみたてNISA」は年間40万円まで投資をすることができるので、特別定額給付金を全額投資しても非課税枠の中に収まります。
特別定額給付金は、もともと手元になかったお金で、あくまでも臨時収入であると考えれば「投資で損をしてしまうかも」と不安に感じていた方もチャレンジできるかもしれません。また、10万円という金額は多すぎもせず、少なすぎもせず、初めて運用をする際の投資元本としては最適な金額です。勉強しながら、資産運用を始めてみましょう。
いかがだったでしょうか。新型コロナウイルスにより私たちの生活は大きな影響を受けていますが、特別定額給付金は家計にとってプラスとなりました。せっかくの支給された10万円なので、まだ使っていないという方は今回ご紹介した内容を参考にしながら、ぜひ有効に活用してみましょう。
出典
(※)株式会社三菱総合研究所 MRIデイリー・エコノミック・ポイント 特別定額給付金の消費押し上げ効果
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者