忘年会シーズン。飲みニケーションと家計への負担。どこまで許せる?
配信日: 2017.12.20 更新日: 2019.01.10
一つ一つはそれほど高額でなくとも、度重なると金額の負担が大きいこういった支出に対し、「夫が足りない足りないと次々お金を請求してくる」という妻の声を聴くことも少なくありません。
今回は会社で働く夫の飲み会代について、家計ではどのように対応するのが良いか考えます。
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催
お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
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まずは必要な支出であるという認識を
飲み会に対しての価値観は、もともとお酒を飲むか・飲み会の席が好きかによって全く違います。普段からあまり飲まない人の場合は「何が楽しいかわからない」「もったいない」と口をそろえて言いますし、好きな人はどんな理由をつけてでも参加したがりますね。
社会に出ていると、新・忘年会や送別会が会社で行われるのに、まったく参加しないというのはなかなか難しいものです。また、部下を持つ立場になれば、お付き合いでやむを得ないこともあります。例えそれが業務でないとしても、共に働くメンバーとのコミュニケーションとして一定の効果を発揮するという一面は少なからずあるようです。
直接給与が増える活動ではなくとも、ある程度までは「サラリーマンの必要経費」と認識しておく方がよさそうです。
どこまでが「必要経費」と家計で判断するか
いくらぐらいが妥当かと相談されることがありますが、それは個々の事情によって大きく違うところです。立場や会社の風土もあります。もちろん会社側が参加を強制することはできませんし、参加しないことで不利益な取り扱いをされることは許されませんが、それでもなお参加せざるを得ないものもあるでしょう。
参加せざるを得ない場合の会費は「必要経費」として家計から支払うしかありません。そんな場合はそもそも「お給料-飲み会代=手取り」と考え、家計の予算立てを飲み会代を差し引いた分で考えなくてはなりません。飲み会代分はもともともらえない金額だと考えておくということですね。
本人の娯楽も兼ねている場合は
お酒を飲むことが好き、宴会の席が好き。妻側から見ると「本当に参加しなきゃいけないの?」と思うほど頻繁に参加している方もいますね。
夫婦間で話し合い、納得していればもちろんどこまでも家計で負担しても構いませんが、限られた金額で生活している場合そうも言えません。
そんな場合はこんな対策をお勧めしています。
1)月割りで積み立てをしていく
必要だとわかっていても、急に頻繁に出費が続くと管理している方はストレスがたまるものです。毎年同じようにあるものですから、あらかじめ月割りで「飲み会代積み立て」を用意しておくといいでしょう。6月や8月など飲み会の開催がない月は貯まるだけ。先によけておいたところから使うようにすれば、家計の変動を避けることができます。
2)上限を決める
参加するかしないかを本人が選べることが多い場合は、金額や回数を決めてその範囲内でどの飲み会に参加するか選んでもらうというのも一つの手です。例えば、実質強制でない飲み会は、月に1回。12月は3回までなど、家計内でルールが決められるといいですね。
3)お小遣いに含む
家計の変動を防ぐためには、本人のお小遣いに含んでもらうのが一番手っ取り早いかもしれません。あらかじめ年間の飲み会の分のお金も小遣いに含んで渡してしまい、そのやりくりは本人に任せてしまうというやり方です。
飲み会の多い時期に備えて自分のお小遣い内でよけておいてもらうなど任せてしまえば、家計で払う必要はありません。
本人が好きで参加しているわけではないとわかっている場合でも、金額の負担感があれば、つい嫌な顔をしたくなることもあります。
それを防ぐために、まずは一年でどれくらいの金額が出ているのか記録することです。そのうえで、どのように管理していくかを夫婦でしっかりと話し合えるといいですね。
Text:塚越菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
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