更新日: 2020.12.16 子育て
大学受験にかかる費用…。一体、どれくらい?
大学受験に必要なのは受験料だけではありません。受験費用として、いったいいくら用意しておけばよいか、その目安をご紹介します。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
受験費用の平均はいくら?
日本政策金融公庫が行った「教育費負担の実態調査(2020年)」によると、受験費用(受験料や受験のための交通費・宿泊費の合計)の平均は以下のとおりでした。
これらの金額には、「入学先となった学校の受験費用」だけでなく、複数受験した場合の「入学しなかった学校の受験費用」も含まれています。この結果から、大学受験の費用として30万円程度は見ておくとよいでしょう。
ちなみに、同調査では大学の入学費用(受験費用+学校納入金+入学しなかった学校への納付金)の平均は89.7万円という結果が出ています。
大学の受験料はいくら?
受験費用についてもう少し詳しく見ていきましょう。大学入試の受験料には、次のようなものがあります。
●大学入学共通テスト
・検定料 3教科以上受験 1万8000円
・検定料 2教科以下受験 1万2000円
・成績通知手数料 800円(成績の通知を希望した場合のみ)
2021年度から、従来の「大学入試センター試験」に変わって導入されることになったのが「大学入学共通テスト」です。受験料(検定料)は旧センター試験と同じ金額に設定されています。
●国公立大学
・2次試験 受験料 1万7000円(※2)
●私立大学
・受験料 約3万5000円(大学や学部により異なる)(※3)
・共通テスト利用入試 受験料 約2万円(大学や学部により異なる)(※3)
「共通テスト+国公立」や「共通テスト+私立(共通テスト利用入試」で1校・1学部だけ受けるなら4万円程度で済ませることもできますが、多くの受験生は複数の大学、複数の学部を併願します。
どのような試験をどれくらい受けるのかによって、必要な受験料の合計は変わってきます。
交通費や宿泊費なども考慮しておこう
受験料だけでなく、受験会場まで行くための交通費もかかります。特に、志望する大学と現住所が遠い場合は要注意です。費用がかさみやすい飛行機や新幹線での移動になったり、前日に現地で宿泊するためのホテル代が必要になったりする可能性があります。
仮に大阪在住の受験生が東京まで入試を受けに行く場合、往復の新幹線代が約3万円、現地での宿泊費用が1泊約1万円とすると1回で4万円程度かかります。
東京の大学を複数受験するなど、何度も行く場合はさらに費用がかかりますし、入学が決まってからも大学近くで下宿先を探すための費用や引っ越し代が必要になるでしょう。
受験には数十万円かかることも。事前に準備しておこう
受験費用は、1人あたり30万円程度が平均です。子どもが受験料を気にして受ける大学を絞ることになると、親としては心苦しく感じるかもしれません。
受験費用だけでなく、近いうちに入学費用や学費もかかってきますので、できるだけ早いうちからお金の準備をして、子どもが安心して受験に集中できる状況を作ってあげたいですね。
もし進学資金の準備が難しい場合でも、国の修学支援制度、教育ローン、奨学金などさまざまな方法があります。あきらめずに調べてみましょう。
(※1)
日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」2020年 P5
(※2)
東京大学「授業料、入学料、検定料の額」
大分大学「令和2年度(2020年度) 一般入試学生募集要項」P20
(※3)
早稲田大学 入学センター「入学検定料」
近畿大学「インターネット出願入学検定料」
(出典)
日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」2020年
京都大学「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表