更新日: 2021.02.24 暮らし

【おさらい】みんなが電話料金の中で負担している「ユニバーサルサービス」とは?

執筆者 : 上野慎一

【おさらい】みんなが電話料金の中で負担している「ユニバーサルサービス」とは?
コロナ禍が長く続いて暗い話題が多い世の中ですが、明るい話もあります。その1つだと思えるのが、携帯電話料金の値下げでしょう。
 
政治主導の効果もあってか大手3社の値下げプランも出そろい、利用者の多くが値下げの恩恵を受けられそうになってきました。そんな状況もあって、普段はあまり詳しく見ない電話利用料金の月々の明細書をじっくりと眺めた方も少なくないかもしれません。
 
上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

上野慎一

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執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

改めて明細書を見てみると……

明細書のいろいろな項目のうち、まず気になるのは基本使用料です。高速通信データ量の設定や利用実績によって金額が大きく、先述の大手3社の値下げプランもこの部分を大幅に見直すことで実現するのです。あとは、通話料も設定プランや実際の利用量によっては金額がかさみます。
 
さらに、さまざまなオプションの箇所はどうでしょうか。加入時に販売店のスタッフに誘導されて、申込用紙に表示される各メニューのボックスについつい「レ点」を付けてしまったものは、ともすれば加入している実感がないものです。
 
このような「レ点ビジネス(営業)」で加入したメニュー、実際にはほとんど使っていないとしても、料金はしっかり取られ続けます。1つひとつは月々数百円程度でも、全部合計すると年間で数千円、あるいは1万円を超えるケースだってあるでしょう。
 
人をあざむくような商法だといわれることもありますが、結局のところは自己責任。本当に必要かどうかを定期的にチェックして、不要と判断した場合にはすぐに解約手続きをすべきです。
 
そしてもう1つ、明細書の中で普段は気にも留めないのが「ユニバーサルサービス料」です。月額は2021年1月分から3円。年ごと(半年ごと)に見直され、2020年はずっと2円。ここのところ2円か3円で推移しています。
 

電話の「ユニバーサルサービス制度」とは

先述のさまざまなオプションと比べても、金額はほんのわずかです。そのため、関心も低くなりがちですが、この料金の基になる「ユニバーサルサービス制度」について総務省のサイト(※1)を基にポイントをおさらいしてみると、【図表1】のようになります。
 


 
要は、【採算は取れないけど、全国どこでも提供しなければならない通信サービスなのだから、そのためのコストは通信事業者みんなで分担しよう】、そして【利用者のための制度なのだから、最終的には利用者みんなに少しずつ負担してもらおう】といったシステムなのです。
 
それでは、全体でどのくらいおカネがかかる制度なのか。総務省の公表(※2)で約72.7億円。内訳は、次のとおりです。

(1)NTT東日本とNTT西日本への補填額 約66.6億円(2020年度認可)
(2)支援機関の事務費用等 約0.5億円
(3)前年度の不足額(予測値)精算分 約5.6億円

 
一方、2021年に負担対象となる電話番号(電気通信番号)数は、1月から12月までの各月の総累計で約28億9400万と見込まれます。
 
以上の割り算結果の「番号単価」は月額約2.5円となり、2021年1月から6月は3円にすると決まったわけです。ちなみに近年では、2018年と2020年は1年間ずっと2円、2019年は1月から6月が2円で7月から12月は3円でした。
 
1円未満の端数処理の関係で、3円だとやや取りすぎ、2円だとやや不足なので、対象期間によって2円と3円を行ったり来たりしているようです。
 

まとめ

全国どこでも固定電話が引けて、公衆電話があればそれを利用でき、万が一の場合には警察や消防にすぐに電話がつながる。そんな当たり前のことが、「共助」や「受益者負担」の考え方のもとで運営されているわけです。
 
固定電話は、携帯電話の普及ですっかり影が薄くなっています。また、携帯電話でも「ガラケー」などの3G回線は、向こう5年程度内に大手3社のサービスが順次終了することが公表されています。
 
そして、身の回りで誰かが使ったという話も近年はめっきり聞かないのが公衆電話。ここ20年で利用回数が50分の1程度まで減少し赤字運用が続いているそうで、設置台数削減の検討が今後本格化するようです。
 
情報技術の進歩がそれだけスピードアップしているのでしょうが、「盛者必衰」というか、世の中の主役交代サイクルの目まぐるしさを改めて実感させられます。
 
ユニバーサルサービス料金は、「ちりも積もれば山となる」の典型でしょう。「たかが3円、されど3円……」。電話料金明細書の片すみから、そんなつぶやきが聞こえてくるような気がいたします。
 
[出典]
(※1)総務省「ユニバーサルサービス制度」
(※2)総務省「ユニバーサルサービス制度」~「番号単価の算定と交付金/負担金額」
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士
 

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