更新日: 2021.02.26 その他暮らし
会員制リゾートホテルの魅力って?
そんな中ですが、再び旅行に行きやすくなる日がくることを期待して、今回は利用者の目で、会員制リゾートホテルについて見てみましょう。
ファイナンシャルプランナー CFP
家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。
会員制リゾートホテルとは
別荘やリゾート地のコンドミニアムは、仕事の疲れをいやし、猛暑や厳寒を避けるセカンドハウスとして所有したいと思う人は多いでしょう。一方で別荘などは、利用頻度や維持費が課題で多くの人が利用するにはハードルが高いといえます。
このような課題に対応する施設として生まれたのが、会員制リゾートホテルです。現在では10社以上の大手リゾートホテルが運営され、リゾートホテル会員権が販売されています。会員制リゾートホテルは、原則会員のみが利用できるホテルや付帯設備を備え、トップシーズンを含む年間を通して同じ条件で利用できるしくみで運営されています。
この会員権には、共有制と利用権方式があります。
リゾートホテル会員権の共有制と利用権方式
共有制
共有制は、文字通りリゾートホテルの一部の所有権を何名かの会員と共有する方式です。共有持ち分について、不動産の登記が行われますので、会員は固定資産税を支払います。会員制リゾートホテルは、10から50程度のホテルを運営していますので、その内の1棟の1室を区分所有する形が一般的です。
なお、共有制は会員権代金を払い込みますと、その一部が所有権になりますので、会員権の譲渡や相続が可能で、資産価値があるといえます。共有制の会員権は300万円から2000万円以上程度のものがありますが、利用権方式に比べて総じて高額になっています。
利用権方式
利用権方式の会員権は、預託金制・入会保証金制・入会金制・ポイント制などがあります。預託金制や入会保証金制では、入会時一括払込金の一部を退会時に払い戻す会社もありますが、退会時などには払い戻されないのが一般的です。
半面、会員権の金額は130万円から300万円程度で、共有制に比べて低額といえます。
利用権方式の一つであるポイント制は、入会時に5年間に使用する回数に応じてポイントと金額が決められる方式です。利用回数が多いとポイント数と金額が多くなり、ルームチャージの前払いのような仕組みといえます。
入会時に支払う費用
共有制、利用権方式どちらでも、入会時に登録費用や年会費の支払いがあります。施設ごとに名称や金額が違っていますので、契約前によく調べることが大切でしょう。
予約の仕方と年間利用回数の割り当て
会員制リゾートホテルのメリットは、ゴールデンウイークや夏休み、年末年始などのトップシーズンに、リゾート地で標準以上の設備のホテルの予約が取れる点にあります。共有制と利用権方式では少し異なりますが、その予約方法について見てみましょう。
タイムシェア方式
年間の割り当て日数(例えば12日)を年ごとに決める方式です。公平性を保つため、年ごとに割当日を替えることや、希望日と利用しない日の振替調整をすることでトップシーズンの有効利用ができる工夫をしています。
チケット方式
年間の利用可能日数分のチケットを会員に毎年配布して、チケットの枚数内で予約宿泊ができます。トップシーズンの予約は、リゾートホテルによって異なり、2ヶ月前まで会員の優先予約など会員のメリットを生かす対応が考えられています。
年間の利用回数は、回数を定めている施設では12回から16回が多く、30回や特に回数を定めていない場合もあります。
ポイント制
ポイント制は、年間の利用回数に応じて入会時に利用ポイントを決め、ポイントに応じた5年間分の入会金を支払う仕組みになっています。予約は3ヶ月から4ヶ月前の先着順が基本となっていますが、ポイントの使用状況なども反映されるようです。
宿泊費・利用費用について
宿泊費や食事代については、ホテルごとに独自の方針で提供されていますが、1泊2食付きのホテルスタイルの宿泊提供型と、清掃・リネン交換実費負担型に二分されます。
1泊2食のホテルスタイルの料金
広い部屋と標準以上の食事を、普通は割高になるトップシーズンでも変わらない料金で利用できるのは会員の特典といえます。レギュラーシーズンでも一般のリゾートホテルよりは割安なのも、会員特典ならではといえるでしょう。
清掃・リネン交換の実費負担型
会員制リゾートホテルならではの長期滞在や、3人から4人の家族で利用した場合も、1室単位の実費程度の負担で済むようなシステムになっています。食事代の負担は一般のホテルと同様ですが、年間を通して同じ料金になっていますので、トップシーズンの利用などではメリットが多いと思われます。
会員制リゾートホテルや会員権取り扱い事業者による約束不履行などが、一時期問題になったこともありましたが、国土交通省の指導もあり、現在は大手会員制リゾートホテルに関して問題はないようです。
まとめ
2020年は旅行やレジャーから遠ざかる年となりましたが、1年後、2年後はインバウンドや旅行は再びブームとなる可能性は強いと思われます。
会員制リゾートホテルは、入会時一時金や年会費が掛かる点はありますが、部屋のグレードやサービスは全国どこでも同じレベルが維持され、安心できるというメリットがあります。また、利用時の宿泊料金などはそれぞれのホテルの運営のしくみによりますが、トップシーズンの利用や割安感などは、合理性のあるしくみといえるのではないでしょうか。
[出典]
リゾートトラスト株式会社「エクシブを探す」
東急リゾート株式会社「会員制リゾートホテル『東急ハーヴェストクラブ』」
株式会社大倉「ザグランリゾート[会員制リゾートクラブ]」
株式会社ジャパン・トータル・クラブ「お知らせ」
株式会社東急シェアリング「人気のホテル・別荘をシェアできる会員制リゾート『東急バケーションズ』」
株式会社セラヴィリゾート泉郷「リゾート会員権サイト」
株式会社リロバケーションズ「ポイント制タイムシェアリゾート」
株式会社日本ハウス・ホテル&リゾート倶楽部「みやび倶楽部」
株式会社ダイヤモンドソサエティ「ダイヤモンドソサエティ【公式】」
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森トラスト・ホテルズ&リゾーツ株式会社「ラフォーレ俱楽部」
紀州鉄道株式会社「紀州鉄道株式会社」
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP