更新日: 2020.07.03 住宅ローン
住宅ローンを老後まで残しておく大変! 長期住宅ローンの見直しのポイントとは?
30歳ぴったりで35年ローンを申し込むと、65歳が完済年齢となります。定年が65歳でしたら、ちょうど退職時にはローンが終わります。しかし、実際には30代後半から40代で家を購入する方が多く、完済年齢が定年を過ぎてしまうケースの方が多いのです。
執筆者:藤井亜也(ふじい あや)
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
教育カウンセラー、派遣コーディネーター、秘書等、様々な職種を経験した後、マネーセンスを磨きたいと思い、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。
「お金の不安を解決するサポートがしたい」、「夢の実現を応援したい」という想いからCOCO PLANを設立。
独立系FPとして個別相談、マネーセミナー、執筆業など幅広く活動中。
<保有資格>
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ファイナンシャルプランナー(AFP) 、住宅ローンアドバイザー、プライベートバンカー、相続診断士、日本心理学会認定心理士、生理人類学士、秘書技能検定、日商簿記検定、(産業カウンセラー、心理相談員)
<著書>
「今からはじめる 理想のセカンドライフを叶えるお金の作り方 (女性FPが作ったやさしい教科書)」※2019年1月15日発売予定
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完済年齢をきちんと考えておこう
購入時にローンの完済年齢は簡単な計算なので、ご自身でも分かります。
購入時の年齢+ローンの借入期間=完済年齢
35歳の方でしたら、35年ローンだと70歳、40歳の方でしたら75歳です。完済年齢が定年後の場合、「退職後も支払えるかな?」という不安はよぎります。
ところが、購入時は「とにかく家を購入したい!」という思いの方が上回ってしまうものです。いくつも物件を探し、資料を集めたり内覧したりと、購入にいたるまでのプロセスはとても大変です。ようやく気に入った家が見つかり、購入できるのであれば、今すぐ買いたい!となるのは当然のことでしょう。
販売側も、銀行の融資が受けられるローンを勧めてきます。ローンの審査が通ると、ホッとひと安心。完済年齢のことは、すっかり忘れてしまうのです。
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実際に定年後の支払いをしている方は?
先日、リタイアメントプラン(定年退職後の家計の見直し)にいらしたお客さまYさん(67歳:男性)は、65歳で長年お勤めだった会社を退職し、契約社員として同じ職場で働かれている方でした。現役時代の約3分の1のお給料と年金で生活されています。
ご相談の中では、住宅ローンの支払いが70歳まであることに負担を感じられているとのことでした。特に年2回のボーナス払いは金額も大きく、現在の収入だけでは不足してしまい、預貯金から支払っています。
Yさんの場合、契約社員として働き収入もあるため、ご相談者の中では良い方なのですが、退職後、年金や預貯金だけで生活されている方にとって、この住宅ローンの支払いはかなり大きな負担となります。
「退職前に対策が取れていたら……」ご相談に来られた方からは、そんなお声が上がってくるのです。
計画的な見直し
学資ローン、車のローンなどは期間が短いのですが、家のローンは長期ローンとなります。一度借りてしまうと、あまり見直す機会がないものです。しかし、何もしないままにしておくと、退職後も支払いが続いて家計を圧迫することになります。
Step1:完済年齢の確認
まずは完済年齢を確認することから始めます。住宅ローンには返済予定表がありますので、何年が完済日なのかを確認し、そのときの借入者の年齢をチェックします。
Step2:退職後の残金額の確認
退職後の支払金額はいくらなのか、「総額」を算出します。借入返済表には月ごとに残金額も記載されていますので、退職時の箇所にマーカーを引いてみても良いでしょう。
Step3:残金額の支払い対策
例えば、残金額は約200万円、預貯金が200万円以上あれば支払いができるな、など残金額に対する支払いが可能かどうかを確認します。預貯金や保険の満期金などで支払われる方も多いです。
残金額が預貯金などで足りない場合、退職金から支払うのか、これから貯めていくのかなど、支払い対策をたてていきます。これが事前にできているだけでも、セカンドライフの負担は大きく変わってくるのです。
まずはご自身、ご家族が気づくことが重要です。ご自宅にある資料だけでもセルフチェックできますので、確認してみてください。
執筆者:藤井亜也
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
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