最終更新日: 2020.08.20 公開日: 2020.01.16
ローン

住宅ローンの審査が通らないのには理由があった! クレジットカード利用履歴・健康診断・奨学金なども見られるってホント?

執筆者 : 新井智美

住宅を購入する際に住宅ローンの審査に落ちることはもちろんあります。審査に通過しなければ融資を受けることはできませんので、事前にある程度把握しておくことが必要です。今回は住宅ローンの審査におけるポイントについて説明します。
新井智美

執筆者:

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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住宅ローンの審査で見られるポイント

まず住宅ローンの審査ではどんなところを見られているのでしょうか? 
 
金融機関では、審査のポイントについて公開していませんし、審査基準も各金融機関によって異なりますので一概にはいえませんが、年齢や返済能力、団体信用生命保険(以下、団信)加入における健康状態などのいわゆる「人的審査」、そして購入する物件の担保価値を確認する「物的審査」の2つから、総合的に判断されるといわれています。それぞれのポイントについて確認していきます。

■信用情報

信用情報とは、信用情報機関に登録されているクレジットカードやローンなど信用取引の契約内容・返済・支払い状況・利用残高などの情報のことです。今までにどのような借り入れを行ってきたのか、過去に延滞などの事故情報はないか、などがチェックされます。
 
一般的に支払いが3ヶ月以上遅れてしまった時に残る事故情報があると、住宅ローンの審査に通ることは難しいといわれています。
 
例えば、よくあるのが携帯電話の使用料の延滞です。毎月利用しており、金額もそこまで多くないことから、ついつい支払いが遅れてしまったというケースはよく見られます。「少しくらいなら良いだろう」と思ってしまうかもしれませんが、たとえ金額が少なくても延滞と見なされることがありますので注意が必要です。

■職業

金融機関は資金を回収できなくなることを恐れます。したがって、きちんと返済できるか、つまり「安定した収入があるか」どうかを重視します。
 
一般的には、一般企業にお勤めの方もしくは公務員の方の場合、勤務年数3年以上、年収300万円以上が審査に通る条件と考えられています。
 
反対に、「勤続年数3年未満の人」や「契約社員・派遣社員」、そして「自営業者」や「中小企業経営者」は審査に通りにくかったり、審査に時間がかかったりする場合があります。自営業者であれば3年分程度の確定申告書が必要になることが多いので、独立して3年間は融資を受けることは難しいかもしれません。

■年収

上記で「勤務年数3年以上・年収300万円以上」と述べましたが、自営業者や中小企業の経営者の場合、「総負担返済率」をクリアすれば融資を受けることも可能です。
 
総負担返済率は下記の計算式で算出することができます。
 
(1年間の住宅ローン返済額+その他借入返済額) ÷ 年収
 
住宅金融支援機構のフラット35においては以下の基準が設けられています。

年収400万円未満400万円以上
負担率の基準30%以下35%以下

■年齢

多くの金融機関において、住宅ローンの審査には年齢制限が設けられています。下記が規定値となっているようです。
 
・借入時の年齢:65歳まで
・完済時の年齢:80歳まで

 
ただし、中にはフラット35のように申込時の年齢70歳未満となっているなど、設定年齢が高めの金融機関もありますので、きちんと詳細を確認するようにしましょう。完済時の年齢が80歳までとなっており、それをクリアすることが難しい場合は、「親子リレー返済」を活用するなど工夫をしてみるとよいでしょう。
 
フラット35の親子リレー返済であれば、70歳を超えていても組むことができますし、公的年金も年収として認められることからも、非常に利用しやすいといえるでしょう。

■借入額

借入額の審査では、金融機関によって異なりますが、融資時の金利と異なる3.0~4.0%と高い金利(審査金利といいます)を適用し、借入限度額を算出する場合があります。例えば、以下の例でどのくらいの借入額となるか、実際に計算してみましょう
 
(例)年収400万円、返済期間:35年、返済方法:元利均等返済、他の借入金:なし、ボーナス返済なし

融資金利(年利)3%4%
借入限度額3,031万円2,634万円

(出典:フラット35「年収から借入可能額を計算」(※1))
 
また、参考までに国土交通省が発表している資料をご紹介します。
 

住宅ローン審査はクレジットカード利用歴も重要!?

審査には、もちろんクレジットカードの利用状況も関係してきます。利用状況に問題がある場合は、審査に通らない原因の一つになります。そしてクレジットカードの使い方によっては、審査に影響してくる場合があります。

審査に影響するクレジットカードの使い

1.「分割払い」「リボ払い」
買い物でクレジットカードを利用する際、分割払いやリボ払いを利用しており、未返済の残高が多い場合は審査に影響します。
 
2.「キャッシング」
急に現金が必要になったときに便利なクレジットカードのキャッシングも、返済が完了していない間は借入額とみなされ、審査に影響します。
 
3.未使用のクレジットカード
使っていないクレジットカードでも、カード発行の際に設定されるキャッシング枠が借入額とみなされる場合があります(金融機関により判断は異なります)。

審査に通らない? クレジットカードの延滞履歴

クレジットカード払いの延滞・未払いは住宅ローンの審査に大きく影響します。カードの引き落とし日に「通帳の残高が足りない!」など、ちょっとしたうっかりミスでも延滞履歴として個人の信用情報に残ります。カード引き落とし用の銀行の残高は注意しておくようにしましょう。
 
クレジットカードだけでなく、以下の支払いの延滞・未払いについても審査の対象になりますから、日頃から気を付けておきましょう。
 
・公共料金支払い、携帯電話・スマホの支払い
・家賃の滞納
・レンタルショップのDVDなどの返却遅延や未払い

未払いのローン残高がある場合は申告が必要?

住宅ローンの申し込みの際には、他のローン(自動車ローンなど)や、クレジットカードで利用しているカードローンやリボ払い・分割払いのローン残高を、自ら申告しなければなりません。
 
住宅ローンの審査で確認される個人の信用情報には、カードの利用履歴やローンが残ります。「あと少しで分割払いが終わるから申告しなくてもいいかな」と思われるかもしれませんが、そこは要注意です。必ず信用情報で確認されます。
 
住宅ローンを申し込む際には、カードの利用履歴は、申告漏れがないように必ず事前に確認しておくようにしましょう。

個人の信用情報の確認と不要クレジットカードの整理

信用情報機関によって登録された個人の信用情報は、5年間保管されます。つまり、ローンやカードの延滞がある場合は、5年間記録を消すことができませんが、延滞してしまった後5年間同じような延滞を繰り返さなければ、その記録は消滅します。
 
信用情報機関は日本では3ヶ所あり、本人が申請すれば事前に信用情報を取り寄せ、自分で確認することもできます。自身の信用情報に不安がある場合は申請して確認してみるとよいでしょう。

奨学金の借入・返済状況も審査に影響する?

奨学金の借入・返済状況も、住宅ローンの審査に影響があります。奨学金の借入があるからといって、必ずしも審査に通らないというわけではありませんが、年収や奨学金の返済状況、住宅ローンの借入額によっては通らない可能性があります。
 
奨学金の借入・返済状況がある場合の住宅ローンの審査であらかじめ押さえておきたいポイントは、上記の総返済比率です。総返済比率とは、年間の返済額が年収のどれくらいの割合であるかを示すものです。
 
住宅ローンを取り扱う金融機関では、「年収〇〇万円の場合、総返済比率は〇%」と総返済比率の基準を定めています。
 
フラット35ではホームページ内に総返済比率の基準を記載しています。他の金融機関では、総返済比率の基準を明らかにしていませんが、フラット35が一つの基準として参考になります。
 

年収400万円未満400万円以上
総返済比率の基準30%35%

(住宅金融支援機構ホームページより筆者が作成)
 
奨学金を返済している場合、総返済比率は住宅ローンの返済額に奨学金の返済額を加えて計算します。つまり、奨学金を返済している分総返済比率が上がるということです。奨学金を返済している場合、住宅ローンの審査が厳しくなるといわれる理由はここにあります。
 
奨学金を返済している方が住宅ローンを検討する場合、総返済比率についてはポイントとして押さえておきましょう。総返済比率だけを見て審査されるわけではありませんが、総返済比率の基準を超えている場合、住宅ローンの審査はかなり厳しくなるといえるでしょう。

健康診断で悪い結果が出ると審査に影響する?

健康診断で悪い結果が出ている場合、住宅ローンの審査に影響が出る可能性があります。
 
住宅ローンは、原則として団信の加入が借り入れの条件の一つになっています。したがって、健康状態が悪く健康診断で悪い結果が出ている場合、団信に加入できず、住宅ローンが借り入れられないことがあります。
 
団信の加入の際には、ご自身の健康状態について記入する「告知書」という書面を作成します。この告知書では、「過去3ヶ月以内の治療や投薬」「過去3年以内の病気の手術もしくは2週間以降にわたる治療や投薬」について記入します。
 
団信への加入の際には、原則として健康診断の結果票の提出は不要ですが、借入総額が一定金額以上である場合や団信に特定の特約を付加する場合などには、健康診断の結果票の提出が必要となることもあります。
 
健康診断書の提出が不要の場合も、告知書にはご自身の健康状態を正しく記入しましょう。もし、虚偽の内容を記入した場合、告知義務違反となり、保険金が支払われないおそれがあります。

「住宅ローンの審査に通らない」となる前に確認しておきたいポイント

住宅ローンの審査には事前審査と本審査がある場合がほとんどです。事前審査とは住宅の購入を決めた時に行うもので、本審査は売買契約を結んだときに行うものです。それぞれポイントを解説します。

事前審査のポイント

ここでいう事前審査は、あくまで借りる人の返済能力をチェックするものだと思ってください。ポイントは、以下の3つにまとめることができます。
 
1.年齢や勤続年数などの属性
2.住宅ローン以外の借入状況
3.過去の個人信用情報に関する記録

 
審査時のポイントでも取り上げたように、勤務年数はできれば3年以上はほしいものです。したがって勤務年数が短い場合は、もう少し購入するタイミングをうしろにずらすことなどを考えてみましょう。
 
また住宅ローン以外にも、たとえば車のローンがある場合は、それも合算して返済負担率を算出します。したがって、他のローンでの残債が多い場合はその分住宅ローンの借入限度額が減りますので、もし可能なのであれば、他のローンについてはできるだけ借入残高を減らしておくようにしましょう。

本審査のポイント

次に本審査のポイントです。以下の3点にまとめられます。
 
1.事前審査の記載との錯誤がないか
2.担保としての不動産価値
3.過去3年間の健康状態

 
基本的に事前審査のチェックが済み、本審査に申し込みをした段階で、住宅ローンの審査を通過することは間違いないといわれています。ただし、年収や住宅ローンの返済額などの記載を、事前審査の情報から変更するようなことはしないようにしましょう。
 
もし、事前審査の段階で融資額が限度額いっぱいだった場合などでは、返済額を変更した結果、本審査に通過できない可能性も発生します。事前審査も本審査の一環と捉え、途中で申告内容を変更するようなことは禁物です。
 
また、忘れてはいけないのがご自身の健康状態です。団信の審査では、健康状態に問題があると加入できません。もちろん審査基準の緩い「ワイド団信」なども用意されていますが、自分の現在の健康状態や過去の病歴などについて、不安であれば事前に金融機関などに相談することをおすすめします。

もし自分の信用情報に不安がある場合はどうすればいい?

もし信用情報に不安がある場合は、信用情報機関に情報開示の手続きをしてみましょう。
 
インターネットで簡単に開示請求を行うことができます。何もなければ安心ですし、もし事故情報が載っていた場合は、最低でも5年くらいは住宅の購入時期をうしろにずらす必要があると思ってください。

Q&A

1:住宅ローンの審査が通りやすい金融機関を教えてほしい

A1:審査基準が比較的緩いといわれているのは、住宅金融支援機構です。
 
住宅金融支援機構が取り扱う「フラット35」では、年齢についても他の金融機関よりも基準を緩く定めていますし、多くの金融機関が団信への加入を原則としている中で、「フラット35」では任意加入としています。年齢制限や健康状態に不安がある人は、検討してみても良いでしょう。
 
また、ご自身のメインバンクであれば、普段の取引からの信用性もあることから、審査に通りやすい可能性はあります。

 

2:審査に落ちてしまった後、すぐに他社に申し込むことはできる?

A2:住宅ローンの審査は「住宅ローンへの申し込みがあっても問題にはならない」とされているため、住宅ローンの審査に落ちた場合であっても、落ちた金融機関以外の他社に申し込むことは可能です。逆に複数社に審査依頼を行い、条件の良い金融機関を選ぶこともできます。

 

3:単身で一軒家を購入したいのだが可能か?

A3:金融機関が住宅ローンの審査で重要視するのは「きちんと返済できるか」です。したがって、単身者であっても安定した収入があって審査を通過するのであれば、一軒家の購入は可能です。

まとめ

これまで住宅ローンの審査のポイントを説明しました。自分でできる対応としては、
・事前審査の書類控えを参考にしながら、本審査の書類に記入する
・団信への加入が難しい場合は、加入の義務がないローンを選ぶ
・借入金額を洗い出す
・信用情報に不安がある場合は、信用情報を扱う会社に開示を申請する

の4点です。
 
書類の不備を防ぐために、事前審査で提出した内容の控えを参考にしながら、本審査の書類を用意するようにしましょう。
 
また、現在借入金がある場合は、少しでも減らせるよう資金計画を立てることも大切です。そうすることによって、不要なクレジットカードの解約や奨学金の返済、携帯電話の分割払いなど、借入金の整理をすることもできます。
 
不安点を少しずつ解消していくことが、最終的には審査の通過に結びつくということを覚えておきましょう。
 
(※1)フラット35「年収から借入可能額を計算」
(参考)国土交通省「平成30年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」
 
※2020/8/20 内容を一部修正させていただきました。
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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