最終更新日: 2020.05.02 公開日: 2020.05.04
ローン

教育ローン、奨学金との違いとは? 借り方・利息・返還について

執筆者 : 石井美和

「教育ローン」をご存じですか? お子さんの入学時・在学時にかかる費用に備えるための制度のことで、この制度を使えば、お子さんの進学を応援しやすくなります。
 
そこで今回は、教育ローンについて紹介します。
 
 
石井美和

執筆者:

執筆者:石井美和(いしい みわ)

中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

石井美和

執筆者:

執筆者:石井美和(いしい みわ)

中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

教育ローンと奨学金って何が違うの?

教育ローンとは、子どもたちの進学・在学を応援するために設けられている制度です。これに対して奨学金とは、意欲と能力のある学生の「教育を受ける機会」を保障し、自立した学生生活を送れるよう、経済的理由で修学が困難な優れた学生に学費の貸付けおよび給付を行う制度です。
 
教育ローンと奨学金は同じように見える制度ですが、上記の通り、趣旨が違います。そのため、借主や貸し方、融資を受けるための審査基準などが違ってきます。
 
以下、教育ローンと奨学金の何がどう違うのかを具体的に見ていきましょう。なお、本記事では、給付型の奨学金については考慮せず、貸付型の奨学金のみ扱います。
 

借主の違い

教育ローンは保護者が融資を受け、保護者が返済していくことになります。一方、奨学金は子ども自身が貸付を受け、卒業後に子ども自身が返済していく仕組みです。
 

借り方の違い

<申込時期>
教育ローンは基本的にいつでも申し込むことができますが、奨学金は募集時期が決められています。
 
<資金の受け取り方>
教育ローンは貸付金をまとめて受け取ることができますが、奨学金は毎月、定額を受け取る形です。
 
<申込窓口>
教育ローンには、公的なものと民間のものがありますが、公的な教育ローンで利用者が多いのは日本政策金融公庫の教育ローンです。
 
民間の教育ローンの場合は、融資を行う銀行・信用金庫など金融機関の窓口で申込みます。さらに、インターネットで申し込みができる場合もあります。これに対して奨学金は、在学中の学校で申し込まなければなりません。
 

利息の違い

教育ローンの利率は、利率が変動しない長期固定金利です。一方、奨学金は利率が変わらない「利率固定方式」または利率が変動する「利率見直し方式」のどちらかを自分で選択します。
 

返済開始の違い

教育ローンの場合は、借入の翌月の返済希望日から返済が始まります。また、在学中は、毎月の支払いを利息のみにすることができ、卒業後に元金の支払いを開始する方法もあります。
 
これに対して、奨学金の場合、貸付が終了した月の翌月から数えて7ヶ月目から返済が始まります。
 

その他の違い

教育ローンには基本的に学力基準がありませんが、奨学金は審査基準に、高等学校または専修学校高等課程最終2カ年の成績の平均が3.5以上であることなどの学力基準があります。
 

2つの教育ローンの特徴

公的教育ローンと民間が行なっている教育ローンは、それぞれどのような特徴があるのか見ていきます。
 

公的教育ローン

日本政策金融公庫が行なっている「国の教育ローン」は、固定金利で民間の教育ローンよりも利率が低いことが特徴です。
 

民間の教育ローン

公的教育ローンが審査に10日前後かかるのに対して、民間の教育ローンは、最短で即日審査結果が出ることが特徴です。
 

公的と民間の教育ローンの違い

公的教育ローンと民間の教育ローンでは借りられる金額の上限や利率、審査までにかかる日数などさまざまな違いがあります。また、民間の教育ローンも銀行によっていろいろなものがあります。見比べて、ご家庭にあったものをお選びください。
 

Q&A

奨学金と教育ローンの併用は可能?

奨学金と教育ローンは併用することが可能です。
 

教育ローンと奨学金、利息はどっちが安いの?

日本政策金融公庫の金利は、令和元年11月現在、年1.66%です。国の奨学金(独立行政法人日本学生機構)の場合、利率は非常に低く、仮に、利率固定方式の場合、令和元年度の貸与利率は4月中に貸与が終了した場合は、年利0.153%です。
 
利率のみを見れば、国の奨学金の方が日本政策金融公庫の教育ローンより低くなりますが、ここまでご説明してきたとおり、使い勝手などが違うため、利率のみでどちらが有利か比較することはできません。以下、参考に、公庫の教育ローンと国の奨学金の借入総額などをシミュレーションしておきます。
 
なお、民間金融機関の奨学金はここでは考慮に入れないものとします。
 
<日本政策金融公庫の教育ローン>
・100万円を返済期間10年、当初から利息を支払うもの(猶予しない)とする(年収が一定額以下の方、一人親家庭などを除く、また、保証料を除く)この場合は、利息の総額は8万5000円です。
 
<国の奨学金>
・利率固定方式で、貸与期間6年、大学進学のため月額2万円を第二種奨学金で借り入れた場合(機関保証は利用しない、入学金など他の条件を設定しないものとする)、貸与総額は144万円です。
 
貸与利率が0.15%で月賦返還すると、返還総額は145万5155円となり、利息の総額は1万5155円です。卒業時の金利によって利息は異なる点に注意してください。
 

まとめ

お子さんを大学に進学させるには相当なお金がかかります。しかし、家庭の金銭的な理由で、お子さんが進学を断念せざるを得ないことになったら、子どもたちの未来を創ることはできません。
 
奨学金や教育ローンについて、それぞれの特徴や違いをよく知ったうえで、お子さんの入学時・在学時にかかる費用の準備に備えていただければと思います。
 
[出典]
独立行政法人日本学生支援機構「平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率」
独立行政法人日本学生支援機構「奨学金貸与・返還シミュレーション」
日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」
 
執筆者:石井美和
中央大学法学部法律学科卒業。
20年に渡り司法書士・行政書士事務所を経営し、不動産登記・法人登記・民事法務・許認可などに携わる。また、保険代理店を併設。なお、宅建士、マンション管理士など複数の資格を保有。

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