住宅ローンの「一括返済」、向いているのはどんな人?
配信日: 2021.02.11
今回は、一括返済のメリットやデメリット、そして注意点も踏まえながら、どのような人に向いているのかについて解説します。
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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目次
住宅ローンの一括返済とは?
住宅ローンの一括返済とは、住宅ローンの残高すべてを一括で返済することです。住宅ローンの返済方法には通常の毎月返済のほか、ボーナス返済なども用意されていますが、効率よく返済を行うのであれば、ある程度まとまった資金を用意し、繰上げ返済もしくは一括返済を行うこともポイントの1つです。
一括返済は繰上げ返済の方法の1つであることから、「全部繰上げ返済」とも呼ばれています。
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一括返済の手続きの流れ
一括返済の具体的な手続きの流れは、以下のとおりです。
1.一括返済を行う1ヶ月程度前までに、金融機関に一括返済を行いたい旨連絡を入れる
2.金融機関より一括返済手続きのための書類が送られてくるので、それに必要事項を記入し、返送する
3.一括返済日までに手数料を含めた残債分の資金を金融機関の指定口座に振り込んでおく
なお、一部繰上げ返済と異なり、一括返済の場合は手数料が発生するケースが多く見られます。したがって、一括返済をする旨を金融機関に連絡する際に、手数料がいくらかかるのか確認しておくことも忘れないようにしましょう。
住宅ローンを一括返済するメリット
では、住宅ローンを一括返済するメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
1.金利の支払いを削減することができる
住宅ローンの残債を一括返済することで、今後支払うはずだった金利部分の支払いはなくなります。一括返済の時期が早ければ早いほど、その効果が大きくなるといえます。
2.家計の収支が改善される
家計の支出の中でも、住宅ローンの返済は大きな割合を占めるものです。その部分がなくなることで家計の負担は軽減されるでしょう。
3.戻し保証料が発生する場合がある
住宅ローンの残りの返済期間にもよりますが、住宅ローンを契約する際に保証料を一括で支払っていた場合には、残りの分の保証料が返還されます。ただし、戻し保証料の返還の際にも手数料が発生することがありますので、注意が必要です。
住宅ローンを一括返済するデメリット
住宅ローンを一括返済する際のデメリットとして、以下のものが挙げられます。
1.一時的な出費が必要となる
一括返済を行うにあたり、まとまった資金が必要となります。したがって、今後大きな出費を伴うライフイベントが予定されているのであれば、その分の資金は別途確保しておくなどの対策を採っておく必要があります。
2.団体信用生命保険の適用がなくなる
住宅ローンの契約における団体信用生命保険は、住宅ローンの完済とともに契約終了です。したがって、がんなどの保障を団体信用生命保険に頼っていた場合は、新たに保険に加入する必要があり、年齢や健康状態などによっては保険料が高くなる可能性があります。
3.住宅ローン控除の適用を受けることができなくなる
一括返済時に住宅ローン控除の適用期間が残っていたとしても、完済後は住宅ローン控除の適用を受けることはできません。したがって、一括返済を行った場合の利息削減効果と、残りの住宅ローン控除の適用を受けることによる減税効果を比較して決めるようにしてください。
一括返済を行う際の注意点
住宅ローンの一括返済を行った後は、抵当権抹消の手続きを行う必要があります。一括返済が終了した際に、借りていた金融機関から抵当権抹消に関わる書類が渡されます。
抵当権抹消登記の手続きは法務局で行います。手続きは、司法書士に依頼するか、もしくは自分で行います。司法書士に依頼するとその報酬が発生しますので、費用を抑えたいのであれば自分自身で行うと良いでしょう。
法務局では登記相談を行っています。無料で抵当権抹消登記の説明を受けることができますので、ぜひ活用しましょう。ただし、予約が必要な場合がありますので事前に確認してください。
この抵当権抹消登記の手続きを怠たると、その後の不動産取引に影響をおよぼします。一括返済を行った後は、速やかに抵当権抹消登記を行うようにしてください。
住宅ローンの一括返済が向いている人
住宅ローンの一括返済に向いている人はどのような人なのでしょう。以下のような人は一括返済を考えても良いかもしれません。
1.まとまった資金を入手できた人
例えば、相続や贈与などで予想外の収入が入り、資産の余裕ができた際には一括返済を考えても良いでしょう。ただし、その際には住宅ローンの返済以外に必要な資金を除いた額で行うことを忘れないようにしましょう。
2.住宅ローンの契約時から一括返済時期を決めて計画的に返済を行っている人
住宅ローンの契約時から、ある程度の返済計画を立てている人は多いと思います。そのような方の中には、住宅ローン控除の適用期間などを考慮した計画を立てているという方もいらっしゃるかもしれません。
このように、計画的に返済が行えており、近いうちに突発的な出費が予想されない状態であることを確認できたら、一括返済を行っても良いのではないでしょうか。ちなみに、住宅ローンの一括返済を退職金で行おうと考えている人もいらっしゃいますが、あまりおすすめの方法ではありません。
例えば、35歳で住宅を購入し、35年でローンを組んでいるケースで、仮に60歳で退職した場合の残りのローン期間は10年間しか残っていません。このような場合、たとえ一括返済を行ったとしても利息削減の効果はあまり期待できません。それよりも、退職した後の収入減を考えるとデメリットとなる可能性が大きいといえます。
もしも、退職金で住宅ローンを完済したいと思うのであれば、その前に老後の生活資金がきちんと確保されているか、そして一時的な支出を行っても後の家計に影響がないかを確認してから行うようにしましょう。
まとめ
住宅ローンの一括返済を行う際には、ベストなタイミングを見極めることが大切です。今後のライフイベントや老後資金などを見据え、一括返済を行うべきか、一括返済をするならどの時期が良いか、時間をかけてじっくりと検討しましょう。
住宅ローン控除の適用期間が残っているのであれば、利息削減効果と減税効果を必ず比較するようにしてください。また、先述の団体信用生命保険の問題については、完済して初めてわかるといったケースも見られます。
団体信用生命保険はあくまでも住宅ローン返済における保険ですので、完済後の保障は別で用意しておくことも忘れないようにしましょう。住宅ローンの一括返済にはデメリットや注意点があることをしっかりと理解し、計画的に余裕資産で行うことが最善の方法といえるでしょう。
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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