奨学金の返済中でも、住宅ローンは借りられますか？

奨学金の返済は長年にわたって行われます。奨学金の返済中に家を購入したくなることもあるでしょう。しかし、奨学金も住宅ローンと同じく借入金です。返済中にローンが組めるか、心配な方も多いはずです。そこで、奨学金の返済中に住宅ローンを組むことができるのか考えていきます。

奨学金の返済中でも借りられることがある

絶対にというわけではありませんが、奨学金の返済中であっても、住宅ローンを借りられる場合があります。具体的な審査基準は申込先となる金融機関によって異なるところでもあるのですが、奨学金を含めた他のローン（車のローンなど）の借入額が、収入に対して一定額を超えていなければ、奨学金の返済中であっても住宅ローンを借りることができるようです。
 
例えば、「フラット35」の審査基準は年収に占めるローンの総返済額（総返済負担率）が、年収400万円未満では30%以下、400万円以上では35%以下である場合となっています。そのため、既に年間のローンの総返済額が、年収400万円未満の方は120万円超、年収400万円以上の方では140万円超となっていなければ、奨学金の返済中であっても住宅ローンを借りられる可能性があります。
 

配偶者の奨学金であれば問題ないこともある

配偶者の方が奨学金を借りている場合、夫婦で収入合算してローンの申し込みをするなど、いわゆるペアローンを組む場合でなければ問題ありません。
 
奨学金を有さない方の単独申請の場合、審査もその方の収入とローンのみで考えるため、審査を受けない他方の配偶者にいくら返済するべき奨学金が残っていようと、基本的に審査に影響はないのです。
 

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奨学金に滞納歴があると借りられないことがある

総返済負担率に問題がなくとも、奨学金が原因で住宅ローンが借りられないことがあります。それは過去に奨学金を滞納していた場合です。
 
奨学金を滞納すると、信用情報機関にいわゆる金融事故として、その滞納歴が記録されます。信用情報機関に記録された滞納歴はおおよそ5年程度で消えます。消えるまでの間は、住宅ローンを望んだ額で借り入れすることは難しいと考えた方がよいでしょう。
 
逆に、過去に滞納した経験があっても、時間の経過などで現在は信用情報機関に滞納歴として記録されていなければ、住宅ローンを組む上で問題はないでしょう。
 
主に金融機関に利用されている信用情報機関には、主に株式会社シー・アイ・シー（CIC、Credit Information Center CORP.）、株式会社日本信用情報機構（JICC、Japan Credit Information Reference Center Corp.）などがあるといわれています。
 
過去の滞納歴が心配であれば、まずは上記の会社に自身の信用情報の開示の手続きをしてみるとよいでしょう。ただし、情報の開示には所定の手数料が必要になります。参考までに、CICではインターネット上から申し込むことで、500円の手数料で開示を受けることができます。
 

奨学金を返済してから住宅ローンの申し込みをすべきか？

奨学金の返済中であっても、収入と頭金に当てるだけの貯金が十分あり、そう高額でない住宅ローンの借り入れを希望しているような場合は申し込みをしてもよいでしょう。
 
逆に、総返済負担率ギリギリの場合や住宅ローンの頭金がほとんどないというような場合は先に奨学金の返済をし、ある程度頭金も用意してから申し込みをした方がよいこともあります。とはいえ、ケース・バイ・ケースなので、あらかじめ銀行の担当者などとよく相談して決定することが大切です。
 

奨学金の返済中でも住宅ローンを借りられることはある

奨学金の返済中であっても、総返済負担率など諸条件によっては、住宅ローンを借りられることもあります。とはいえ、奨学金の返済中はそれも含めて住宅ローンの可否についての審査を受けることになるため、他の条件が同一であれば、奨学金の返済がない場合に比べて不利になります。
 
もし、住宅ローンを組む上で奨学金の存在が気になる場合は、自身の信用情報を確認の上、一度住宅ローンを申し込む予定の金融機関に相談してみてください。
 

出典

フラット35　【フラット35】ご利用条件

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執筆者：柘植輝
行政書士