更新日: 2023.11.21 その他ローン

70代の義父が「プリウス」を購入したいそうですが、年金受給者でもローンの審査に通るんですか?

執筆者 : 柘植輝

70代の義父が「プリウス」を購入したいそうですが、年金受給者でもローンの審査に通るんですか?
年金生活に入り、70歳を超えても元気で、外出や車が好きな方は「今からでも新しく車を購入したい」と考えることもあるようです。しかし、周囲からすれば「ローンの審査に通るのか」「無理なくローンを返済していくことができるのか」などと、不安になることも多いでしょう。
 
そこで、70代で年金受給者の場合は、プリウスを購入するためのローン審査に通るのか、そして、ローンを返済していくことができるのかについて考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

年金生活の70代でもローンの審査に通過するのか

まずは、70代の年金生活者は、ローンの審査に通過することができるのかについて考えていきましょう。
 
70代前半であれば、ほかの条件次第では審査に通過する可能性はあります。例えばJAバンクのマイカーローンであれば、借り入れ時の年齢が75歳未満であることが、利用条件の一つとされているからです。
 
しかし、ディーラーのローンや、一般的な金融機関でのローン審査に通過することは難しいでしょう。多くの場合、年齢制限が70歳までの間に設定されています。すでに70代であれば、上限年齢を過ぎてしまっており、審査に通らないことが多いでしょう。
 
また、先に挙げたJAのマイカーローンは「勤続年数1年以上、前年度税込み年収200万円以上」という要件も課せられています。年金のみで生活している場合は、審査に通らないでしょう(詳細な条件は各JAによって異なるようですので、必ず申し込み先のJAへご相談ください)。
 
その点を考えると、実際に70代の年金受給者がローンの審査に通るのは、容易ではないことが想定されます。むしろ、あまり現実的ではないのかもしれません。
 

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無理なく返済していけるかは別問題

仮にローンの審査に通ったとしても、無理なく返済していけるかどうかは別問題です。プリウスの価格は、グレードなどにもよりますが、320万円以上になります。
 
JAのマイカーローンの場合、完済時の年齢が80歳未満であれば、利用可能とされています。仮に70~79歳の9年間で、金利(元利均等)2%と仮定して320万円のローンを返済していくと考えると、年間の返済額はおよそ38万9000円となります。月の返済額は3万3000円近い金額になります。半分の4年6ヶ月での返済を希望するのであれば、その倍近い約6万2000円を毎月返済することになります。
 
70代ともなれば、加齢からくる衰えなどによって働くことが難しくなり、収入が減ることが多く、月3万円ほどであっても、返済が難しくなることは十分考えられます。
 
もし、本人が返せなくなったとしても、連帯保証人などになっていない限り、家族に返済の負担が及ぶことはありません。しかし、本人の生活が苦しくなると、扶養義務を負っている家族が金銭的に援助しなければならなくなる可能性はあります。
 
車は、購入後も維持費として、税金・保険・車検などの固定費、そしてガソリン代などの変動費の支出が生じます。返済が難しくなることがあれば、義父とはいえ配偶者の親である以上、間接的に自身も義父を援助することになるでしょう。ローンを組むことができるかどうか以外にも、無理なく維持していけるのかという点も考えておくことが必要です。
 

事故についても考えておくべき

現在、高齢者ドライバーによる運転事故の増加が社会問題となっています。毎日のようにテレビや新聞、インターネットのニュースサイトなどで、高齢者が運転する車による交通事故が報道されています。
 
警視庁の調べによれば、令和4年に発生した3万170件の交通事故の内、65歳以上の高齢者が運転し、第一当事者となっている事故数は4579件と、事故全体のおよそ15%を占めています。警視庁はこの問題を重く受け止めており、その対策として、高齢者の運転免許の自主返納をサポートしているほどです。
 
もし、義父が事故を起こしてしまうと、多額の賠償金の支払い義務を負う可能性もあります。70代であれば、認知機能が若い頃に比べて低下していることもあり、年齢だけを見れば、事故を起こす可能性が高まっているといえます。
 
70代で車を購入することには、事故の可能性も踏まえて慎重になる必要があるでしょう。
 

まとめ

かなり選択肢は絞られてきますが、70代の年金受給者であっても、まだ70代前半であって就労している場合などは、車を購入するためのローンの審査に通過できる場合もありそうです。
 
しかし、プリウスは300万円を超える高価な車であり、ローン返済の負担は決して軽くありません。また、高齢者ドライバーとして運転を続けることで、事故の加害者となってしまう可能性もあります。
 
70代の義父が「プリウスをローンで購入したい」と考えているようであれば、一度、家族を交えて返済や事故についても話し合い、購入については慎重になるべきでしょう。
 

出典

警視庁
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執筆者:柘植輝
行政書士

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