「アルファード」のローンが残り350万円です。「これから金利が上がる」と聞いたのですが、車のローンも上がってしまいますか? ギリギリで組んでいるので不安です…
配信日: 2024.06.25
自動車ローンを利用している人の中には、金利上昇のニュースを見聞きし、先行き不安に感じることもあるかと思います。そこで本記事では、金利上昇局面における自動車ローンの仕組みについて紹介します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
どこでローンを組んでいるのか確認してみよう
今回のケースでは詳細がわかりませんが、まずは自身が組んでいる自動車ローンの商品性を確認しましょう。
具体的には、自動車ローンをどこで借りているのか、残債はいくらで残り何年(何回)の支払いが残っているのか、ということです。
ディーラーで借りている人もいれば銀行など金融機関で借りている人もいるでしょう。それ以外の融資という可能性もあります。毎月どれくらい支払っていて、あとどれくらい支払いが残っているのか正確に把握できていないようであれば、しっかり確認しておくことが大切です。
また、そのローンが通常の分割払いなのか、それとも残価設定型ローンなのかによっても変わってくるので要チェックです。
今組んでいるローンに金利上昇リスクはある?
自身のローンの確認ができたら、そのローンには金利上昇リスクがあるのかを検証しましょう。
金利上昇リスクが伴うかどうかはケースバイケースです。筆者の経験上、ディーラーや信販会社で融資を受けてローンを返済している場合は、基本的に全期間固定金利が採用されていますので、今のローンについては金利上昇リスクがありません。
一方、金利が比較的安い銀行をはじめとした金融機関のマイカーローンの場合は、変動金利型を採用している可能性があるため、金利上昇リスクが少なからずあります。ただ、現状で金利が上がっているのは長期金利(新発10年物国債の金利)の話です。
金融機関のマイカーローンについては「短期プライムレート」と呼ばれる指標によって決定されます。この短期プライムレートは2009年1月から変わっていません。
ただし、長期金利が上がっている状況下ですので、短期プライムレートが今後上昇する可能性もあると考えておく必要があります。
ちなみに金融機関の短期プライムレート連動型ローンは、半年に1回適用金利が見直されることが多いので、すぐに返済金額が上昇するということはありませんので安心してください。
金利上昇が心配なら借り換えを検討しよう
最後に、今回の相談のケースの350万円の残債があった場合、金利が上昇したらどれくらい返済額が増えるのか、シミュレーションしてみましょう。
ローンの残り期間が不明ですので、残り4年(48回)あると仮定して試算してみます。
(現状、金利3%で借り入れしている場合)
毎月7万7470円×48回=371万8560円
(金利4%に上昇した場合)
毎月7万9027円×48回=379万3296円
(金利5%に上昇した場合)
毎月8万603円×48回=386万8944円
今回のシミュレーションだと、金利が1%上がると、毎月の支払いは約1500円上がり、トータルで8万円程度返済金額が増えます。2%上がると、返済額は毎月約3000円、トータルで15万円程度増えます。
金利が上昇することでこの上昇分を許容できるのか、というところを考慮する必要があります。
今のところ変動金利でローンを組んでいないというのであれば、無理にローンを借り換える必要もないので、安心しましょう。
仮に変動金利で組んでいる場合は、多少金利が上がっても固定金利型の自動車ローンに借り換えることなどを検討することをお勧めします。
まとめ
金利の報道を見聞きし不安になっている人もいるでしょう。まずは今返済しているローンの商品性がどういうものなのか知っておくことで、今後借り換えをするのかそのままでいいのか判断できます。
不安なことがある場合は、ファイナンシャルプランナーなどに相談してみることをおすすめします。
出典
日本銀行 統計 長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降
執筆者:宇野源一
AFP