更新日: 2024.10.08 その他ローン

「奨学金返還中の社会人」です。もし事故などで私が「働けない状態」になった場合、返還は続けなければならないのでしょうか?

「奨学金返還中の社会人」です。もし事故などで私が「働けない状態」になった場合、返還は続けなければならないのでしょうか?
奨学金を借りると、社会人になってから毎月一定額ずつ返還を行う必要があります。しかし、事故に遭い働けない状態になってしまった場合、収入が途絶えて返還が難しくなる可能性があります。そのような場合には、どのようにすれば返還を続けられるか気になるものです。
 
本記事では、奨学金の返還が難しい場合に利用できる制度を紹介するとともに、返還が免除されるケースについても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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奨学金の返還が難しい場合の対処法

ここでは、奨学金の返還が難しい場合の対処方法を紹介します。
 

減額返還制度

減額返還制度とは、1回あたりの返還額を最大1/2まで減額できる制度です。1回の願出で適用期間は12ヶ月、最長15年間の延長が可能です。収入の大幅な減少や経済的事情により毎月の返還が難しくなった際に利用できます。
 
ただし、すべての人が利用できる制度ではなく、定められている適用条件をクリアする必要があります。日本学生支援機構によると、主な条件は以下の通りです。

●経済的理由(※)により奨学金の返還が困難な状態であること
●減額することで返還が可能な状態であること
●制度への申請時点で延滞していないこと
●口座振替(リレー口座)加入者であること
●月賦返還であること

※年間収入が給与所得者であれば400万円以下(扶養している子どもが2人の場合は500万円以下、3人以上の場合は600万円以下)、それ以外の者であれば300万円以下であること

返還期限猶予制度

返還期限猶予制度とは、一定期間返還を先送りできる制度です。やむを得ない事由によって返還ができなくなった場合に限り利用できます。最長10年間の返還猶予が認められ、猶予期間中は金利が適用されません。ただし、制度を利用するためには以下の条件を満たす必要があります。

●返還者本人の年収が一定基準を下回っていること
●災害や病気によって失業または収入が減少し、返還が困難な状況であること

一定の収入がある場合の適用には、相当する理由が必要です。
 

障害により返還できない場合は免除される可能性も

奨学金を返還する本人が死亡したり精神や身体に傷害を負ったりした場合には、奨学金の返還が免除される可能性があります。ただし、自動的な免除は行われません。家族や親族が所定の手続きを済まさなければ、請求は続いてしまいます。
 
なお、精神や身体の傷害は、症状の固定や回復の見込みがなく、労働能力が喪失または高度な制限を受けると医師から判断された場合に限り返還免除の申込が可能なようです。ただし、奨学金の貸与中や在学中の免除申請は認められていません。
 

条件によっては返還の減額や免除が行える

奨学金の返還中に事故に遭い働けなくなり収入が途絶えてしまった場合に、奨学金の減額や免除が適用される救済制度はいくつかあります。また、精神や身体に傷害を負った場合も同様です。ただし、救済制度を利用するためには定められた条件を満たさなければなりません。奨学金の返還が困難になった場合には、条件を確認して救済制度の利用を検討しましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構 月々の返還額を少なくする(減額返還制度)
独立行政法人日本学生支援機構 減額返還制度の概要
独立行政法人日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
独立行政法人日本学生支援機構 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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