年収300万円だけど、背伸びして「ヴェルファイア」に乗りたい!「残クレ」を使えばなんとか手が届きそうですが、普通のカーローンより“お得”ですよね…?
配信日: 2024.11.08
そんなときに「残クレ」という支払い方法を知れば、憧れの車を手に入れられるかもと思う人もいるのではないでしょうか。本記事では、残クレの概要について解説し、カーローンと残クレの返済額を比較します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
残クレとは
「残クレ」とは、「残価設定クレジット」と呼ばれる、車を買うときのローンの一種です。車両購入時にあらかじめ設定された残価(契約終了時の車の予想下取り価格)を差し引いた額をローンとして支払う仕組みです。
この仕組みを利用すると、通常のローンに比べて月々の支払いが抑えられるため、車を購入する際の負担が軽減されます。残クレの主なメリットは、次の通りです。
・月々の返済額を抑えられる:一定額が最終回の支払時に据え置かれるため、通常のローンよりも月々の返済額が少なくなります。
・下取り価格が保証される:契約時に決めた下取り価格で車をディーラーに返却できるため、車の価値が下がって下取り額が変わる心配がありません。
・ライフスタイルの変化に対応しやすい:あらかじめ設定した期間を乗り切れば、その後は引き続き乗るか、新しい車に乗り換えるかを自由に選べます。
ヴェルファイアを購入した場合の返済額
高級ミニバンの「ヴェルファイア」は、グレードやオプションによって値段は変わります。新車のヴェルファイアは、650万~890万円ほどの価格帯で販売されています。
ここでは、新車で655万円のヴェルファイア(Z Premier)を買う場合を例にして、カーローンと残クレの返済額を試算します。
カーローンでの毎月の返済額
まず、普通のカーローンを使ったときの返済額を考えてみます。金利2.39%、返済期間5年(60回払い)、ボーナス返済・頭金無しで、ローンを組むと仮定しましょう。そのときの毎月の返済額は、約11万6000円となります。
年収が300万円台だと、毎月約11万6000円ものローンを支払うのは難しいという人も多いでしょう。
残クレでの毎月の返済額
次に「残クレ」を利用した場合の返済額を試算します。手数料率5.9%、返済期間5年(60回払い)、ボーナス返済・頭金なし、最終支払割合53%と仮定します。その場合、毎月の支払いは、約7万8000円となります。通常のカーローンと比較して約4万円も返済額が下がる計算です。
残クレの注意点
残クレは、確かに普通のカーローンと比べて毎月の支払いが少なくなります。しかし、残クレには次のような注意点もあることを念頭に置いておきましょう。
まず、残クレは契約終了時に思わぬ出費が発生する可能性があります。契約満了後も同じ車に乗り続けたい場合、残価分の一括返済が必要となり、その金額が思ったより高く感じるかもしれません。
また、残クレ契約中は車の走行距離や改造などに制限があり、自由にカスタマイズできません。事故や損傷により下取り価格保証の条件を満たせない場合や、走行距離が長過ぎる場合に、追加支払いが発生する可能性もあります。
無理のない返済計画を立てよう
車を買うときに、残クレのような便利なローンがあると「これなら購入できそう」と思ってしまうかもしれません。
しかし、残クレで月々の支払額が抑えられたとしても、追加で費用がかかるケースもあります。まずは、自分の収入や生活費を見直して、無理なく支払えるかどうかをしっかり考えていきましょう。
出典
トヨタ自動車 ヴェルファイア
執筆者:山田麻耶
FP2級