更新日: 2024.11.14 住宅ローン
「年収600万円」で妻と娘が2人。変動型住宅ローン「3500万円」を35年で借りたばかりです。「金利が上がる」とニュースで見たのですが、すぐに返済額が増えるのでしょうか…?
本記事では、基準金利の引き上げに伴い、返済額がどのように変化するかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
変動型住宅ローンの基準金利が上昇した背景
銀行の大手5行(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行)は、9月30日に変動型住宅ローンの基準金利を引き上げました。各行の具体的な引き上げ幅は共通しており、0.15%となっています。
基準金利を引き上げるきっかけとなったのは、日銀が7月に政策金利を上げたことに伴い、金融機関が設定する短期プライムレートを引き上げたことです。変動型住宅ローンの基準金利は、短期プライムレートに連動して設定されるため、今回の基準金利引き上げにつながりました。
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金利上昇に伴う具体的な返済額のシミュレーション
金利が0.15%上がると、返済額にどの程度影響があるのでしょうか。今回はりそな銀行を例に、次の条件で試算を行いました。なお、適用金利は最優遇金利で計算しています。
・基準金利引き上げ前の適用金利:0.34%
・基準金利引き上げ後の適用金利:0.49%
・借入額:3500万円
・返済期間:35年
・ボーナス払い:なし
試算すると、適用金利0.34%の場合、返済額は月に8万8401円に対して、基準金利0.49%の場合、月に9万700円となりました。引き上げ前と後で比較すると、返済額は約2300円上がります。
・基準金利引き上げ前の返済額:8万8401円
・基準金利引き上げ後の返済額:9万700円
・差額:2299円
基準金利が上昇してもすぐに返済額が増えない場合もある
前記のシミュレーションでは、返済額が約2300円増える計算になりましたが、現在借り入れのある人はすぐに返済額が増える、というわけではない場合もあります。その理由は、金融機関が「返済額5年ごと見直しルール」や「返済見直し125%ルール」といったルールを設定しているケースがあるためです。それぞれの内容は次の通りです。
返済額5年ごと見直しルール
変動型住宅ローンの適用金利は、多くの場合、4月と10月のように半年に1度見直されますが、その金利を反映した「返済額」に見直すのは5年に1度とするルールです。
返済見直し125%ルール
返済額を見直すときに、見直し前の返済額の125%を上限に増額する、というルールです。つまり、以前の返済額の125%を超える返済額に設定されることはない、ということです。一方で金利が低下する場合には、この125%ルールは適用されず、下限を定めずに返済額が減額されます。
これらのルールによって、月々の返済額の激変はある程度避けられています。ただし、注意すべき点として、激変は避けられたとしても、返済額の内訳として、適用金利が上がった分だけ利息分の支払いが増え、元金の返済額は減っています。
返済総額が増えることに加えて、予定返済回数中に完済できない場合には、最終支払時に加算される可能性があります。計画的に繰り上げ返済を行うなどの対応を検討しましょう。
金融機関に相談して返済額や返済計画の変化を把握しよう
日銀の政策金利引き上げをきっかけに、多くの金融機関が変動型住宅ローンの基準金利を0.15%引き上げました。この金利アップの返済額への影響は、3500万円、35年ローンの場合、約2300円です。
現在借り入れがある人は、「返済額5年ごと見直しルール」や「返済見直し125%ルール」によって、返済額がすぐには上がらない可能性がありますが、金利上昇分だけ利息の支払いが増え、元金の返済額が減ってしまいます。
変動型住宅ローンの借り入れがあり、今後の返済について不安のある人は、借入先の金融機関に返済額や返済計画について問い合わせて、把握しておきましょう。
出典
日本銀行 2024年7月金融政策決定会合での決定内容(1):金融市場調節方針の変更
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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※金利プランは「当初期間引下げプラン」「全期間引下げプラン」の2種類からお選びいただけます。
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※1借入期間を35年超~40年以内でお借入れいただく場合は、ご利用いただく住宅ローン金利に年0.07%、40年超でお借入れいただく場合は住宅ローン金利に年0.15%が上乗せとなります。
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