今必要なのでマイカーの購入を考えています。「貯金を切り崩して現金払い」と「ローンを組む」家計的にはどちらが良いのでしょうか?
配信日: 2024.12.19
今回は、マイカーを購入する際に、現金で支払ったほうが良い場合と、ローンを組んだほうが良い場合について、メリットとデメリットを踏まえながら考えてみましょう。
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
現金購入とローン購入のメリットとデメリットを知る
まずは、現金、ローンのそれぞれのメリットとデメリットを整理してみたいと思います。
●すぐに自分の所有車になる
●余計な利息を払わなくて済む
●値引きを受けられる可能性が高くなる
●オプション等をサービスしてもらえることがある
●購入後、自由にアレンジしたり処分したりすることができる
●預貯金が減ってしまう
●預貯金が減ることで他の必要な費用等が捻出できないケースが生じることがある
●残りの預貯金額によっては、生活を切りつめなければならないことがある
など
●預貯金がなくても購入できる
●少額の頭金であっても購入できる
●ディーラーローンの場合、低金利のローンを利用できることがある
など
●利息を支払わなければならない
●支払総額が現金で購入したときよりも高くなってしまう
●売却するタイミングによっては、ローンの残債が出てしまうことがある
現金か? ローンか? 決めかねているときに考えるべきこととは?
それぞれのメリットとデメリットの他に、考えておくべきこともあります。それは、購入費を預貯金から捻出しても、生活に支障がないかどうかということです。
クルマは車種やグレードにもよりますが、新車で購入する場合、諸費用を含めて少なくとも200万円程度は準備しておくと安心です。
とはいえ、ライフイベントで大きな出費が重なるタイミングのときには、200万円を支払ったことで、ライフイベントに必要なお金が足りなくなってしまうことがあります。このような場合は、現金で購入することは危険です。
それならばローンのほうが安心と考えるかもしれませんね。とはいえ、そもそもローンの場合、審査に通らなければローンを組むことはできません。また、ローンを組めたとしても、毎月の返済が生じるために、生活費にゆとりがなくなることも考えられるのです。
ローンを組むときには、あらかじめシミュレーションしておき、返済計画に無理はないのかを確認しておくことが大切です。
また、どうしても費用的に難しいときには、購入する車種やグレードを変更する、中古車を選ぶ等、できるだけ支出を抑えることも必要でしょう。
ローンの選び方
ローンの種類はいろいろあります。マイカーを購入するときに検討してほしいのがマイカーローンです。
マイカーローンは、マイカーを購入するときのみに利用できるローンであり、主に銀行で取り扱われています。銀行の場合、銀行の取引状況によって金利の優遇が受けられる等のメリットを享受できることがあります。ネットで申し込むタイプのマイカーローンの場合、印紙代がかからないなど諸経費負担が軽く済む銀行もあります。
その他、自動車販売会社経由で申し込めるディーラーローンがあります。ディーラーローンとは、信販会社やクレジット会社から借りるローンのことです。
ディーラーローンの場合、一部だけを返済し、返済期間が終わったら売却して精算する「残
クレ(残価設定クレジット)」という方法も利用できます。ただし、残クレを利用するときには、保存状態やオプションの制限等もありますので、マイカーにこだわりたい人にとっては向いていないと考えられます。
ローン金利や返済方法は金融機関によって違います。自分にとってどの会社のローンがあるのか、じっくりと考えたほうがいいでしょう。
出典
株式会社三菱UFJ銀行 ネットDEマイカーローン(自動車ローン)
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト