一人で育ててくれた母に「学費」の負担をかけたくありません。2種類の「奨学金」を同時に借りることは可能ですか?
配信日: 2025.02.04 更新日: 2025.02.05

そこで本記事では、2種類の奨学金を同時に利用できるのか、また併用する際の注意点についても解説します。奨学金を検討しているご家庭はぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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奨学金の種類
奨学金には大きく分けて「給付」と「貸与」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
給付奨学金
給付奨学金は返済の必要がなく、家庭の経済状況や学生本人の学ぶ意欲があるかなどを考慮したうえで支給を決定します。独立行政法人日本学生支援機構の給付奨学金では、対象者の所得や支援区分によって支給額が決まります。
進学先の学校の種類や国公立か私立か、自宅通学かそうではないかによっても支給額は異なりますが、住民税非課税世帯(第1区分)の家庭では、個々の状況により月額1万7500円~7万5800円が支給されるようです。さらに、給付奨学金の対象者は、授業料と入学金の免除または減額も受けることができます。
貸与奨学金
貸与奨学金は卒業後に返済が必要な奨学金です。貸与奨学金はさらに第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)の2つに分かれていて、貸与奨学金では学力基準や、生計維持者の収入基準が設けられています。
毎月の貸与額は給付奨学金と同様に個々の状況により異なりますが、ひと月あたり約2万円~15万円となっています。さらに、入学時の一時金として入学時特別増額貸与奨学金(利子付)も利用可能です。
給付型と貸与型の奨学金は併用できる?
返済不要の給付奨学金を受けている場合でも、無利子で借りられる貸与奨学金を同時に利用することは可能です。ただし、給付奨学金の支援区分により貸与奨学金(無利子)に併給調整が適用される点に注意が必要です。この調整により、貸与奨学金(無利子)の月額が減額されたり、場合によっては0円になったりすることもあります。
独立行政法人日本学生支援機構の給付奨学金を受給している場合、貸与奨学金(無利子)を併用する際の貸与額は表1の通りです。ここでは昼間部の大学のケースを見ていきます。
表1
区分 | 第1区分 | 第2区分 | 第3区分 | 第4区分 (多子世帯) |
第4区分 (理工農系) |
---|---|---|---|---|---|
国公立 (自宅) |
0円 | 0円 | 2万300円 | 2万6500円 | 併給調整なし |
国公立 (自宅外) |
0円 | 0円 | 1万3800円 | 2万3100円 | 併給調整なし |
私立 (自宅) |
0円 | 0円 | 2万1700円 | 2万9800円 | 2万円、 3万4500円 |
私立 (自宅外) |
0円 | 0円 | 1万9200円 | 2万円、 3万400円 |
2万円、 3万円、 4万4500円 |
※独立行政法人日本学生支援機構「給付奨学金と併せて利用する第一種奨学金の貸与月額(併給調整)」を基に筆者作成
給付奨学金の受給額(区分)が高いほど、貸与奨学金の月額が低く設定される傾向にあるようです。
給付型と貸与型の奨学金は併用可能だが貸与金額が調整されたり場合によっては0円になったりする可能性もある
奨学金には大きく分けて返済不要の給付奨学金と、返済が必要な貸与奨学金の2つがあります。どちらも生計維持者の収入基準や学生本人の学力基準、学ぶ意欲などを判断したうえで支給が決定します。
給付奨学金と貸与奨学金(無利子)は併用可能です。しかし、給付奨学金の支給区分によって貸与奨学金額は減額、場合によっては0円になることもあるようです。
給付奨学金と貸与奨学金を併用することで、学費や生活費の負担を軽減することができますが、実際の金額は個々の状況により異なります。2種類の奨学金を同時に利用したい場合には、併給調整による貸与額の減額を考慮したうえで計画的に利用しましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構
給付奨学金(返済不要) 【高校生等対象】リーフレット
給付奨学金と併せて利用する第一種奨学金の貸与月額(併給調整)併給調整後の第一種奨学金の貸与月額 1.大学
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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