宝くじで「500万円」が当たったので、「奨学金」を一括返済したい。分割で返還している場合、「返還方式を変える」ことはできないの?
配信日: 2025.03.06

本記事では、奨学金の返還方法や返還方法の変更について解説します。また、一時的に返還が困難になった際の対処法も紹介するため、参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
奨学金とはどのような制度?
奨学金とは、一般的に家庭の経済的な事情などで進学が困難な学生のために、学費を支払うためのお金を給付したり、貸与したりする制度とされています。奨学金は、大学や地方自治体、企業などが実施しています。
その中でも広く知られているのが、「独立行政法人日本学生支援機構」が実施する奨学金制度だと考えられます。
日本学生支援機構の奨学金制度には、返済不要の「給付型」と、返済する必要のある「貸与型」があり、いずれも大学、短期大学、専門学校のほか、高等専門学校に進学予定の学生や在学中の学生が利用可能とされています。
奨学金の返済方法
日本学生支援機構によると、奨学金の返済開始時期は、貸与終了の翌月から数えて7ヶ月目となるようです。返済は、登録された口座から毎月自動的に引き落とされる仕組みのようです。
返済方法には2種類あります。貸与した総額をもとに毎月の返還金額が決まる「定額返還方式」と、前年の課税対象所得などを基準に毎月の返還金額が決まる「所得連動返還方式」があります。ただし、有利子の奨学金(第二種奨学金)では「定額返還方式」しか選択することはできないようです。
宝くじで高額当せんしたら当せん金はすぐに受け取れるのか
宝くじの当せん金は、1当せん金または1口あたり5万円以下の場合、宝くじ売り場やみずほ銀行本支店(一部を除く)で受け取ることが可能とされています。
ただし、5万円を超える当せん金については、みずほ銀行本支店(一部を除く)での受け取りとなるようです。ただし、10万円マークのある宝くじ売り場の場合、10万円以下の当せん金をその場で受け取ることもできるとされています。
さらに、今回のように500万円の高額当せんの場合、みずほ銀行での受け取りに加え、例えば運転免許証といった本人確認書類や印鑑が必要となるようです。なお、1当せん金または1口当たり100万円を超える場合、手続きの都合上、当せん金の受け取りには1週間程度の時間がかかることがあります。
奨学金は繰上げ返済が可能か
既出のとおり、500万円の高額当せんとなると、受け取れるまで1週間程度の時間がかかることもあるようですが、受け取ったのち、借りていた奨学金の繰り上げ返済に回すことは可能なのでしょうか。
結論から述べると、日本学生支援機構の場合、無利子の奨学金も有利子の奨学金も、返還期日が到来していない割賦金であれば繰上げ返還が可能なようです。なお、繰り上げ返済は返還額をすべて返還するだけでなく、一部のみを返済することもできるとされています。
一部のみを繰り上げる場合は、上限金額を申告するか、繰り上げしたい回数を申告する方法がとられます。希望の返済金額で申請する場合は、その金額で繰り上げ返済できる回数が算出され、その回数分の返済期間が短縮される仕組みのようです。
奨学金の返還が難しくなった場合の救済措置はあるの?
奨学金は繰り上げ返済が可能ですが、何らかの理由で返還が困難になった際の救済措置についても紹介します。
毎月の返済額を減額したい
災害や傷病、その他経済的な理由から、毎月の返還が困難になった場合は「減額返還制度」を利用することで、1回あたりの返済額を減額できるとされています。減額できるのは、返済額の2分の1、3分の1、4分の1、3分の2で、いずれも適用期間は15年(180ヶ月)とされているようです。
返済を待ってもらいたい
「減額返還制度」と同様、何らかの理由により、一時的に返還が困難になった場合には「返還期限猶予」といった制度もあるようです。この制度では、通算10年(120ヶ月)を上限とし、返済を先送りすることが可能とされています。
経済的に余裕ができたら繰り上げ返済を検討しましょう
今回のように宝くじで高額当せんした場合以外でも、経済的に余裕ができた際は、早めの奨学金返済を検討してみましょう。一方で、返済が困難になった場合は、返済を滞らせるのではなく、早めに救済措置を受ける手続きをして、必ず期間内に返済するよう心がけましょう。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 2024年度返還のてびき
宝くじ公式サイト 当せん金のお受け取り
独立行政法人日本学生支援機構 月々の返還額を少なくする(減額返還制度)
独立行政法人日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー