突然のリストラで「収入ゼロ」に…。「大学進学」が決まっている子どもが利用できる「奨学金制度」はある? 今からでも間に合うの?
配信日: 2025.03.18

リストラに限らず、急にお金が用意できなくなった場合でも、大学進学をあきらめずに済む、さまざまな制度があるようです。
今回は、大学進学に掛かる費用や、進学費用を工面できなくなったときに利用できそうな制度を3種類ご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学進学で掛かる費用
大学進学には多くのお金が掛かるといわれています。まずは、大学の入学金と授業料の平均額を確認しておきましょう。
表1は、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」を基に、国立・公立・私立大学に掛かる1年間の授業料と入学金を表にしたものです。
表1
授業料 | 入学金 | 初年度合計 | |
---|---|---|---|
国立大学 | 53万5800円 | 28万2000円 | 81万7800円 |
公立大学 | 53万6191円 | 37万4371円 | 91万562円 |
私立大学 | 95万9205円 | 24万806円 | 120万11円 |
※文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」を基に筆者作成
初年度は、合計金額がもっとも安い国立大学でもおよそ82万円の費用が掛かります。このほかにも、教科書代や教材費などが掛かると考えられるでしょう。さらに一人暮らしや遠方からの交通費など、状況によってはこれ以上の出費が見込まれます。
大学に掛かる費用をおさえられる3つの制度
大学に掛かる費用をおさえられる制度は、複数あるようです。支給条件に該当するかを見るだけでなく、貸与なのか給付なのか、申請期間中かなどにも注目して、どの奨学金が利用できるか検討しましょう。
日本学生支援機構の家計急変採用「給付奨学金」
独立行政法人日本学生支援機構の奨学金は、大学生のおよそ3人に一人が利用しているといわれています。
その中でも、家計が急変した場合に利用できる制度が、家計急変採用の給付奨学金です。返還不要の奨学金で、入学前に家計が急変した場合は、進学後3ヶ月以内に申し込む必要があるとされています。
ほかにも、返還が必要な「緊急採用・応急採用」が利用できる可能性もあるため、気になる場合は詳細を確認してみるのもよいでしょう。
大学独自の支援制度
各大学でも、親のリストラや破産などにより家計が急変した学生を対象として、学費の減免や免除などを行っているケースがあります。
例えば、法政大学では「法政大学後援会奨学金」を、6月と11月に在学中の学生を対象として募集しているようです。給付対象となった場合は、大学納付金相当額(前期・もしくは後期の授業料、実験実習料など)を上限として支給されるとしています。
国立でも各大学で実施しており、新潟大学では「新潟大学修学応援特別奨学金」として、独立行政法人日本学生支援機構の緊急採用奨学金もしくは応急採用奨学金制度で採用された人を対象に月額3万円を給付しています。
地方自治体の支援制度
各地方自治体では、独自に支援制度を実施しているケースも見られました。
例えば、静岡県御殿場市では、御殿場市に親の住民票がある学生を対象に「御殿場市育英奨学金」を月額3万円貸与しているようです。対象となるのは学業の成績に優れ、経済的な理由で就学が困難であると認められた学生としています。
就学が困難な大学生を対象に奨学金制度を採用している自治体には、ほかにも三重県志摩市や茨城県稲敷市などがあります。
独立行政法人日本学生支援機構のサイト内でも、大学・地方公共団体などが行う奨学金制度を検索できます。現在居住する自治体で同様の制度がないか、チェックしてみるとよいでしょう。
突然の親のリストラでも制度を活用して大学進学できる可能性がある
突然の親のリストラなどで大学進学が困難になった場合でも、さまざまな奨学金を活用して大学に進学できる可能性があります。
随時申請を受け付けている奨学金制度や、貸与ではなく返還の必要のない給付タイプの奨学金制度もあるため、該当する制度がないか探してみるとよいでしょう。
出典
文部科学省 国公私立大学の授業料等の推移
独立行政法人日本学生支援機構 日本学生支援機構について(令和4事業年度業務実績等)
独立行政法人日本学生支援機構 家計急変採用-給付奨学金(返還不要)
独立行政法人日本学生支援機構 緊急採用・応急採用-貸与奨学金(返還必要)
法政大学後援会 法政大学後援会奨学金給付規程
新潟大学 新潟大学修学応援特別奨学金
御殿場市 御殿場市育英奨学金
志摩市 志摩市奨学金制度
稲敷市 令和7年度稲敷市奨学生募集
独立行政法人日本学生支援機構 大学・地方公共団体等が行う奨学金制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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