「奨学金の返済」が家計を圧迫しています…。返せなくなった場合の対処法はないのでしょうか?

配信日: 2025.03.21

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「奨学金の返済」が家計を圧迫しています…。返せなくなった場合の対処法はないのでしょうか?
学生時代に奨学金制度を利用した方のなかには、奨学金の返済が家計を圧迫し、生活が苦しいと感じている方もいるでしょう。 また、収入の減少や予期せぬ出費で返済が難しくなることは珍しくありません。
 
返済が苦しい方は、放置すると延滞金や信用情報への影響もあるため、早めの対策が重要です。本記事では、奨学金返済に困ったときの対処法を詳しく解説します。返済に悩む方はぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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奨学金の返済が厳しい…… 放置するとどうなる?

奨学金は、借りたお金を後から返済する仕組みですが、家計が厳しいと毎月の返済が負担になってしまいます。もし返済が滞ると、以下のような影響が出る可能性があります。
 

1. 延滞金が発生する

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金では、返済が遅れると延滞金が発生します。延滞金は滞納している割賦金に対して1.5~10%の利率が加算されるため、長期間延滞すると負担がさらに大きくなります。
 

2. 信用情報に傷がつく

奨学金の返済が3ヶ月以上滞ると、信用情報機関に「延滞」として登録され、いわゆるブラックリストに載るということになります。
 
これにより、クレジットカードの作成や住宅ローンの審査が通らなくなるなど、社会生活上で不利益を被る可能性があります。この情報は、全ての返済を終えた後も最大5年間保持されます。
 

3. 連帯保証人に請求がいく

奨学金を借りる際、多くの場合は親や親戚が連帯保証人となります。連帯保証人は、奨学金を借りた人と同等の返済義務を負うため、返済者が返済できなくなった場合は代わりに返済する義務があります。
 
返済を滞納すると、連帯保証人に直接的な経済的負担をかけることになり、最終的には法的措置により財産が差し押さえられるリスクも生じます。
 
このことにより、家族関係に深刻な影響を与える可能性があるため、できるかぎり避けたい事態です。
 
このように、奨学金の返済を放置すると、さらに状況が悪化してしまいます。しかし、救済制度を利用すれば、負担を軽減できる可能性があります。以下で見ていきましょう。
 

返済が苦しいときの救済制度とは?

奨学金の返済が難しい場合、JASSOでは以下のような救済制度を用意しています。
 

1. 減額返還制度(返済額を減らす)

経済的な理由で返済が厳しい場合、月々の返済額を減額し、その分返済期間を延ばすことができます。これらの救済制度は、JASSOの公式サイトや奨学金相談窓口で申請できます。


対象:災害、傷病、その他経済的理由により返還が困難だが、割賦金を減額すれば返還可能である方
減額内容:返済額を2分の1、3分の1、4分の1、または3分の2に減額し、返済期間を延長
適用期間:最長15年(申請は1回につき12ヶ月)

例えば、月々の返済が2万円だった場合、減額返還が適用されれば1万円に減らすことが可能です。
 

2. 返還期限猶予制度(返済を一時的に停止)

収入の激減や失業をした場合などは、一時的に返済を猶予することができます。


対象:災害、傷病、経済困難、失業などにより返還困難な事情がある方
猶予期間:最長10年 ※ただし、災害、傷病、生活保護受給中、産前産後休業・育児休業、一部の大学校在学、海外派遣の場合は10年の制限はない
利息:第一種奨学金(無利息)はそのまま、第二種(有利息)は猶予期間も利息が発生

例えば、失業した場合や育児休業中など、一時的に返済が厳しい状況になったときに活用できます。
 

3. 返済免除(特例の場合のみ)

本人が死亡または高度障害となった場合、返済が免除される可能性があります。
 
ただし、こちらは通常の経済的困窮では適用されないため、返還が困難な場合は減額返還制度や返還期限猶予制度などの他の制度を優先的に活用することが重要です。
 

それでも返せない場合の最終手段

救済制度を利用しても返済が難しい場合、以下の方法も検討できます。
 
1. 家族や専門機関に相談する
返済が厳しい場合は一人で抱え込まずに、家族や奨学金相談窓口、弁護士などに早めに相談しましょう。早めに相談することで、よりよい解決策が見つかる可能性があります。また、JASSOの相談窓口も活用することをお勧めします。
 
2. 債務整理(自己破産・任意整理)
奨学金は通常、自己破産しても免責(返済免除)の対象となります。ただし、以下のようは方法で返済負担を軽減できる可能性があります。


自己破産:特別な事情がある場合、裁判所の判断で奨学金の返済が免除されることがある
任意整理:弁護士を通じてJASSOと交渉し、返済額を減額できる可能性がある

債務整理を検討する場合は、弁護士や司法書士に相談することが重要です。
 

早めの対策をして自分の未来を守ろう

奨学金の返済が家計を圧迫し、生活が厳しくなった場合は、早めに対策を講じることが大切です。返済が難しいときは、「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」などを活用することで、負担を軽減できる可能性があります。
 
返済を放置すると、延滞金の発生や信用情報に影響が出るため注意が必要です。どうしても返せない場合は、債務整理などの選択肢もあります。奨学金の返済に悩んだら、一人で抱え込まずに早めに相談しましょう。
 

出典

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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