「旦那の年収では憧れの家をローンで買えない・・」そんな時の選択肢

配信日: 2019.03.14 更新日: 2020.07.03

この記事は約 4 分で読めます。
「旦那の年収では憧れの家をローンで買えない・・」そんな時の選択肢
「やっと見つけた理想の住まい! 絶対にこの家が欲しい! 」そう思える物件が見つかって、いざ住宅ローンの審査を金融機関に申し込んでみると、借入額が明らかに足りない……。
 
金融機関では、借入希望者(夫)の年収、勤め先の会社、勤続年数などの要素を総合的に審査して貸し出し額を決定します。そうです! 夫の年収だけでは信用が足りないのです。
 
この場合、最初の解決策は、足りない分のお金を別途用意する方法です。
 
自己資金として貯金などを取り崩すことで用意することができるか、あるいは、親や祖父母などから援助を受けることが可能かなど、いくつかの選択肢はありますが、そううまくいかないケースも多いでしょう。そんな時の選択肢として、2つの事例を紹介します。
 
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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選択肢1:収入合算する

夫の年収だけでは借入額が足りないなどの場合に、配偶者や、親族などの収入を合算した年収で、借入可能額の審査をしてもらうことを「収入合算」といいます。
 
金融機関の審査要素のひとつに「返済負担率」というものがあります。
 
金融機関は、借入希望者の年収に対し、一定割合(返済負担率)の範囲であれば返済できるだろうと判断し、貸し出し額を決定するわけです。収入合算することで、分母の年収が上がりますので、同じ返済負担率でも貸し出し額が上がることになります。
 
収入合算できるのは、配偶者のほか、親、子、婚約者など同居予定の家族で安定した収入がある人であれば合算できます。ただし、合算できるのは1人に限られます。
 
収入合算する際に最も注意しておく点は、仮に配偶者(妻)の収入を合算して住宅ローンを組んだ場合、将来的に妻が出産や育児などで退職や休職となった場合に、家計におけるローン返済の負担が重くなる可能性があります。
 
また、夫にも同様なことが言え、少し無理をして普通よりも多い額のローンを組んでいるわけですから、失業、転職、病気などで収入に変化があれば、返済に影響が出る可能性が高くなります。
 
なお、収入合算の場合は、あくまでも主たる債務者である夫が1つのローン契約を組む形となりますので、所有権は夫の単独名義になります。
 

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選択肢2:ペアローンを組む

収入合算と混同されている場合もありますが、明らかに違う点は、収入合算はまとめて1つのローンを契約するのに対して、ペアローンは夫婦それぞれで2つの住宅ローンを契約することになります。そして、お互いがそれぞれの連帯保証人となります。
 
ペアローンの場合に注意すべき点としては、単純にローン契約が倍の2つとなりますので、契約の際にかかる諸経費(事務手数料や印紙代など)が2倍必要になります。また、所有権の登記の際には、夫婦それぞれの持ち分割合に応じて登記するなどの配慮も必要です(例えば、夫婦で所有権2分の1ずつ共有するなど)。
 

そのほかのメリット、デメリット

まず、住宅ローンを契約する際に加入する団体信用生命保険ですが、収入合算の場合には、主たる契約者である夫のみが加入できることになります。連帯保証人である妻は加入できません。
 
ペアローンの場合には、ローンの契約者である夫婦双方が団体信用生命保険に加入できます。そのため、夫婦のいずれかに万が一のことがあった場合に保険が適用されます。
 
また、住宅ローン控除については、収入合算の場合には夫のみ利用できますし、ペアローンの場合には夫婦双方で利用することができます。
 

まとめ

上記で紹介した以外に「連帯債務」という方法もあります。これは連帯債務を負う連帯債務者を立てて、2人で同じ1つの債務(住宅ローン)を返済していく方法です。金融機関は、2人のどちらにも請求できるようになっています。
 
最後に、もうひとつだけお伝えしなくてはならないのは、ペアローンなど夫婦それぞれが2つのローンを契約して共有している場合、もしも、将来離婚した時などに少々面倒となることが予想されます……。夫婦でローンを組む場合は、事前によく話し合って決めましょう!
 
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
 

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